 
						セミのなく季節も終わったかと思ったら、夏の余韻を感じる暇もなく、もう冬のような気温……。
いきものの解説が人気のYouTubeちゃんねる「へんないきものチャンネル」の“中の人”、ろうさんの新刊『知れば知るほどへんすぎるいきもの事典』から、興味深いいきものの豆知識をピックアップしてお届けする本企画。
今回は不思議な「セミ」のお話。
夏の思い出を思い返しながら、理科×数学のいきものの授業、お楽しみください。
* * *
キーワドは「素数」と「最小公倍数」?
“素数ゼミ”のびっくり数学講座!
みんなは「素数」って知ってる? 2、3、5、7……と続く「1とその数字でしか割り切れない数字」のことをいうんだ。
算数好きの君たちに、そんな素数にまつわる、変わった生きものの生態をご紹介しよう。ちょっと難しいかもしれないけれど……!
ある地域では、13年、もしくは17年という素数の周期のみ、地上に現れる生きものがいる。

「素数ゼミ(周期ゼミ)」と呼ばれるセミたちだ。
およそ200万年前、地球はとても寒い氷河時代に突入した。その寒さで多くの動植物が死に絶え絶滅していく中で、セミの祖先は寒さを土の中で耐え忍ぶことで子孫を残してきたんだ。
氷河時代を生き延びた素数ゼミは、長い期間地中で成長を待つことに。
やがて、12年、13年、……18年と成長したセミたちが、パートナーを探しに地上に出てきた。
しかしここで問題が発生!
例えば、12年周期に出てくるセミと、15年周期で出てくるセミは、最小「60年」周期で地上で出会うことになる。
15年と18年では最小「90年」周期だ。
つまり「最小公倍数」のときに鉢合わせしてしまうということ!
なるべく同じタイミングで出てくることはさけたい。
だって、2つの周期のセミが同時に出てきたら、地上はセミだらけになってしまう……。
計算してみると分かるんだけど、
200年以上の長い期間、交雑しないで済むのは、13年と17年という「素数」周期のみに限られている
ということなんだ。
これが、「素数ゼミ」が決まった周期で現れる理由。
さて、2024年には、1803年から221年ぶりに13年と17年周期のタイミングが被り、一兆匹の素数ゼミが一斉に羽化したらしい。
木をおおいつくし、騒音レベルの大音量で鳴き続けて……きっとすごい光景だっただろうね。
知れば知るほどへんすぎるいきもの事典

へんないきもののネタを50集めた児童書『知れば知るほどへんすぎるいきもの事典』の試し読み記事です。
たとえば……
・牛66頭を襲ったヒグマは、実は、熊同士の闘いに負けていた〈OSO18〉
・プロボクサーより早いパンチを繰り出す海の生きもの〈モンハナシャコ〉
・噛まれたら10分で死んでしまう殺人グモ!? 〈シドニージョウゴグモ〉
・体が大きいのに泳ぐスピードも速い人食い魚〈ムベンガ〉
・世界で唯一、血液を食べものにする鳥〈フィンチ〉
・人間の貴重品をあえて狙う泥棒ザル〈カニクイザル〉
などなど……面白いいきものの生態がたくさん! 子どもと一緒に大人も楽しめます!





 ポスト
ポスト
 
					 
					 
					 
					 
														 
					 
					



 
					 
					 
					







