
サウナブームといわれて久しいですね。
最近は過当競争で閉店する店舗も出てきているようですが、私は、今頃になって、サウナー化しました。というのも、コロナ禍が明けて、次第に出張する機会が増えてきたのですが、同行する機会が多いある部下が予約してくれるホテルには、いつもサウナが付いていて(つまり、サウナのあるホテルばかりを予約するものだから)、彼のせいで次第にサウナの良さが分かってきたのです。出張に行って、仕事が終わって、サウナに入ってからのビールがうますぎるわけです。

サウナーと呼ばれるような人には理解できると思いますが、とにかくサウナなら何でもよいというものではありません。
いくつかポイントがあって、そこをクリアした施設でないと、満足できません。こればっかりはサウナを体験してもらわないと、なぜそうなのかは説明が難しいのですが、特に、水風呂の冷たさは重要で、うまくととのうかどうかは、水風呂にかかっていると言っても過言ではありません。なんなら、「サウナなんてなくても、ちゃんとした水風呂さえあればオレはととのう」等と言い出す強者もいるくらいです。
そんなこんなで、最近は自分一人で出張するときも(彼に予約を取ってもらわなくても)、サウナ付きのホテルを探すようになったのですが、次第にあるホテルチェーンに行きつく事になりました。ドーミーインです。このホテルチェーンはサウナーの事をよく分かっていらっしゃる。ちゃんと、ととのいスペースも用意されているし、水も冷たい。

私の場合、このような満足体験が重なると当然のように株価を調べます。自分が満足するという事は他の人も満足するはずだ。サウナー人口は2,000万人近くいるわけだから、宿泊客数の底上げにつながるだろう。当然、インバウンドが増加してホテル業界は活況化しているので、今後の株価上昇も期待できる。
そんな仮説をもって、2024年に、このドーミーインを経営している共立メンテナンス(証券コード:9616)を調べ始めてみると、この年の前半は景気後退懸念から株価は下がり基調です。
「うーん。ホテル事業は順調で高稼働率が続いており、インバウンドの増加についても当面は期待してよい。この会社はホテル以外の事業もいくつか展開しているが、足を引っ張るような状況でもない」
このように、企業の業績が上向きであるにもかかわらず、株価が下落している場合、いわゆるバリューが発生します。素人の方は業績と株価は連動するものと思っていらっしゃるかもしれませんが、それほど単純な動きはしません。時には業績は順調なのに株価は下がるという現象が発生するのです。
他の買い物と全く同じで、良いものを安く買う事が出来れば、その瞬間に勝ちを手に入れたようなものです。後はその株をじっと持ち続け、上昇を待つ。この作戦は成功し、2024年9月に2,400円ほどで購入した共立メンテナンス株は、その後、上昇に転じ、2025年6月末現在3,524円と順調に利益を伸ばしています。
「そんな風にうまく行くなら、誰でもみんな大金持ちじゃん。どうせ、うまい事言って、オレたちを嵌めようとしているのだろう」
そんな風に警戒する人も多いでしょう。まぁ、半分は真実です。少なくとも、今から共立メンテナンス株を買って儲かるかどうかといわれると、ちょっと話が違ってきます。既に株価が上昇したという事は、つまりはバリューが解消されたわけですから、今後さらに株価が上昇するためには何か他の要因が必要になってくるのです。
いずれにしても株式投資は、少しは経験しないとうまくなりません。正直に白状すると、この連載を何度読んでもそれだけでは上達しないでしょう。ただ、実践をしながらであれば、気づきもあるでしょう。「サウナでととのう」等と言われても、実際にサウナに入ってみないと意味が分からないのと同じですね。

さて、今年、私はちょっとした挑戦をしてみました。
これまでも何冊か株式投資に関する本を書かせてもらいましたが、今年は、初めて、小説なるものを書いてみたのです。
プロ目線の投資小説だったら、私が書かなくても、いろいろ面白いものがあるのですが、個人投資家目線の株小説って、探してもなかなか見当たらないんですね。それで、「だったら、オレが書いてやる!」って一念発起して書いてみました。
この小説では、若い夫婦がひょんな事から、架空の大投資家「恵比寿銀蔵」(通称「エビ銀」)に出会い、投資のいろはを教えてもらいながら、成長と共にお金持ちになっていく。そんなストーリーが展開されていきますが、その中でも、主人公の二人は普段通りの生活の中から、身近な成長株を次々と見つけて、財産を雪だるま式に増やして行きます。
ちょうど私がサウナというキーワードをスタート地点に共立メンテナンス株を購入したように……。
ご興味がありましたら、そちらも読んでいただければ幸いです。
「株小説エビ銀 路地裏の大投資家が教えてくれたこと」
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