
この企画のゴールは“島を脱出して有人島に着く”こと。ディレクターは1週間に1回、VTRを取りにくるだけで、島にはいないので、何もわからない15人がとにかく生きていくために水を探し、食糧を探し、脱出用のイカダの材料となるものを探し、の毎日。いやぁ、今考えたらもっと出来る事があった、かもしれない。バラエティとしてね。
でも、すでにテレビに出ていた子もいたけれど、基本はまだまだみんな“卵”で。ただただ“生きる”事に必死でした。と言いつつ、『しゃべくり007』で出てきたエピソード。結構いろいろやっていた事を思い出させてくれました。
例えば“おっぱい漁”。メンバーの中で海に潜れるのが私だけな事もあって、よく海に漁に出かけておりました。とは言え釣り具など何か道具があるわけではないので、自分の体を使う。特に夜。電気などの光がない分、月や星の明るさはすごく、中でも満月は最大の明かり。海に映る満月の光の線に沿って大量の魚が集まってくるんです。私はその線の横を泳いで沖へ。そこから一気に光の上をバタフライして波打ち際まで戻って来て、そのまま身体ごと浜に打ちあがる。すると私の勢いに巻き込まれた魚たちも一緒に打ち上げられ、浜でピチピチ跳ねている。その魚を、今では怖くてまったく出来ないですが、海水で洗いながら指でさばいて、直接焚き火の中に入れて焼く。身を全部食べたら、残った骨をまた火の中へ。真っ黒くなったカリカリのその骨も食べる。何も残らないほど、全部食べた。更に当時スポブラ&パンツみたいな恰好で過ごしていたのですが、そのブラを手で広げて掬うように小魚を獲ったりもした。あ、これが通称“おっぱい漁”です。それにしても生きる力とはすごいもので海の中でも目が開くようになって。一度だけですがウミガメと出会って、本当にちょっとでしたが、並んでゆっくり一緒に泳ぐ、という、とても不思議で幻想的な体験も。この時ばかりはお腹空いているのも忘れるくらい、最高の時間でした。
あとは“尻の穴コンテスト”。娯楽、なかったんでしょうね。お尻の穴をお互い見て審査する。後にも先にも人のお尻の穴を見た事なんてありませんから。こんなにもいろんな“表情”があったのか、と驚愕。この時の優勝は“よいこ”。何かが出ていたのです。本人曰く「腸かなぁ?」そのよいこのお尻の穴の顔真似をしていた私。その事をすっかり忘れてましたが、『しゃべくり007』で“ピンク”に言われた瞬間、私の“顔”は思い出しました。すぐ、できた。いやはや、究極の娯楽。
そして“全裸ライオンキング”。海に囲まれたその島で真水を探すのが本当に大変だった。生活していた小屋の近くに水たまりはありまして。スコールなど雨が降った後はそこに水がたっぷり溜まる。ただ言っても水たまりですから。基本ボウフラだらけで飲めるようなものではない。水面を叩いて一瞬ボウフラがいなくなった水を使って、手や拾った穴の開いた鍋など洗った。飲み水は小屋から歩いて5分くらいの、海岸沿いの岩場からチョロチョロ出ていたものを汲んで、沸かして飲んでいた。ただ焚き火で沸かすので、水の中に煤も入るし、その焼けた匂いもつくし、我々は“火事水”と言って飲んでいた。ただその水場も数か月後には枯渇してしまい、次の水場を探した。なかなかの崖を2つ乗り越えて行ったところに、これまた岩場から、たっぷり水が流れ出ている場所を発見。めちゃくちゃ嬉しくてみんなで水浴びをした。普段、海水で身体を洗っていたので、べたべたでしたから。真水で身体と髪の毛を洗う喜び、とてつもなかった。そのテンションでわたくし、『ライオンキング』でラフィキが生まれたばかりのシンバを崖の上で掲げるシーン、あのイメージで裸のまま岩場の上に駆け上がり♪そうだ~そぉなんだ~と歌った。私の記憶の中ではパンツは履いていたのですが、これまた『しゃべくり007』にてみんなが「生まれた姿だった」と。25年の間にいつの間にか、記憶の中でパンツ履かせてあげたのね。自分に優しいわ、私。
ホントこうやって思い返すと、しんどい毎日の中で楽しもうとしていたのよね。こういうのをカメラで押さえていないのが、さすが“卵”たち。いや、カメラ回していたとしても、どれも流せないor全画面ボカシ、か。
その10年後、『アナザースカイ』で再び無人島に行った。その“無人島”には、コ・クラ(クラ島)と言う名前があった。確か“クラ”が“亀”の意味だったかな。遠くから見て亀の甲羅みたいにポコンとしたフォルムだからか、ウミガメが産卵に来る島だからか、その由来は忘れてしまいましたが。あの頃は目隠しで向かった無人島へ、しっかりその風景を見ながら向かった。あれをトラウマって言うのでしょうか? 島に到着後、ボートから降りる時、私が最初に降りたら、私を置いて、そのままボートがどっか行ってしまうような気がして、びっくりするくらいボートから降りられなかった。
島には一泊のみ。夜は砂浜に寝袋を出して眠った。10年経っていたのもあって、ずいぶん島の様子は変わっていたけれど、目をつぶった時に聞こえてくる波の音と、砂浜ならぬ、サンゴ浜なので、波のザザンという音に合わせて聞こえてくる、あの独特のシャラシャラシャラーというサンゴたちの擦れ合う音はあの時のまんま。結局数時間眠ったけれど、暗いうちに目が覚めて、星がどんどん消えて明るくなっていく様をずっと見ていた。そして夜が明けると、あの頃のように海で歯を指で磨き、顔も洗った。おそらく一生来ないであろうこの島を身体に焼き付けた。
そんな島で共に戦った仲間との、25年ぶりの再会。『しゃべくり007』収録後、11人で居酒屋へ。みんなちゃんと服を来て、美味しいお料理とお酒が目の前にいっぱいあって、当時は空腹過ぎてそれしかしなかった“食べ物の話”以外もいろいろ喋って。いろんな意味で改めて“幸せ”を再確認。あの頃、いろんな人から「普通の人が出来ない経験出来てよかったね」と言われましたが、そのあまりの辛さから「やらなくていい経験だってある」と言っていた私。いやいや、25年前のあさこさん。やっぱりいい経験、だったんじゃないでしょうか。
【本日の乾杯】徳島で見つけた“わかめにかけるポン酢”。大当たり。生ワカメを買ってきて、たっぷりかけて、酒を飲む。これだけ。シンプル、かつ簡単な最高のおつまみ。
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