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80歳、私らしいシンプルライフ

2025.08.25 公開 ポスト

オープン収納で食器もフル活用!頑張らない私の片付けのルール德田民子

定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』では、四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた德田さんの心豊かな日々をご紹介しています。本書より、一部をお届けします。

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おうちも気分もいつもすっきり。頑張らなくてもできる、私の片付けのルール

昔からものがたまっている状態が、あまり好きではありませんでした。それにものをしまっておくスペースには限りがあります。不要なものが置かれ、スペースを埋めてしまうことは私にはもったいないように思えます。私は日々、笑ってしまうくらい常に何かしら片付けています。そう、私にとって片付けの作業って、ちっとも苦ではないんですね。そう思えるには、ちょっとしたコツがあるのかなと思っています。

まず、頑張りすぎないこと。私の場合、きっちりと、細かく決めごとを作っているわけではなく、ゆるく大まかなルールを決めているだけです。無理をしないから、心地よく続けられているのだと思います。

ここで私のおおまかなルールをご紹介しますね。

1、 ものはしまうと使わない

「ものはしまうと使わない」というのが、私の片付けの基本中の基本の考えです。使わないものでいっぱいになった部屋やスペースは要りません。とてももったいないなと思います。それに、使うものだけがあって、それをフル活用している状態こそ、自分にとってはとても心地よく、清々しく、気持ちがいい。

そんなわけで考えた収納法がオープン収納です。本当に必要なものって、実はそんなに多くないんじゃないでしょうか。使うものだけを手の届く範囲に収納するようにしています。

キッチンとダイニングの壁にオープン棚を設置しました。簡素な板だけを壁に作りつけ、食器類などを見えるように並べています。一目で見渡せるのでとても便利。料理をしているときにこれを使おう、とすぐ決められますし、使い忘れを防ぎ、器もフル活用できます。オープン収納のポイントとして、置くものの定位置を決めておくこと、そしてものの色数を増やさないこと、などゆるく決めています。こうしたシンプルなルールだけでも、家はすっきり整います。

私はけっして几帳面な性格ではないので、細かくきっちり決めるのは実は苦手です。でも、定位置さえ決めておけば、悩まずにそこに戻すだけでいい。大まかにルールを決めておくと、結果的にラクなんです。

大きなオープン棚。色や用途に分けて器や道具の定位置を決めている。
「オープン収納はものを置きすぎないことも大事。室内の見晴らしもよくなります」

2、無地の食器を揃える

私はもともと器が好きで、特に印判の染付けや、大勢の来客に役立つ大皿などの和食器はたくさん持っていました。しかし移住の際、オープン収納にしたことで置けるスペースは限られ、半分近くの器を手放しました。そのときの整理の基準は、まず、何に使えるか。そう考えたときに、思い切って柄ものを処分。和洋中どんな料理にも合うのは、シンプルな無地の器という結論に至りました。前述した「イッタラ」の洋食器や塗りの椀など。どれもベーシックで温かみのある、食事がおいしく見える無地の器が残りました。

我が家では客用と普段使いを分けず、中でも一番応用の利くものの数を多めに揃えることにしています。こうすると、棚に重ねて置いても、食卓に出してもまとまりがあり、美しいなと思っています。破損してもすぐに困らないのもいいです。

3、素材を統一すればすっきり見える

大きな家具を置かない代わりに、かご類をいろいろな整理に使っています。特に自然素材のかごは、小さなものから大きなものまで数え切れないほど。木箱も大なり小なり活用しています。たくさん置いても威圧感がないのが自然素材の魅力です。自然のものはひとつひとつ、どこか表情が違うし飾り気がないからホッとします。移住してから16年がたち、時の経過とともにこの自然素材だと、より味わいが増してきます。そんな経年変化も居心地のいい空間を作ってくれています。

コロンとした形のブルキナバスケットは、同じ形の柄違いをたくさん並べて使っています。引っ越し前から東京の雑貨屋さんで少しずつ買い集めたもので、寝室や屋根裏に置いて衣類の収納に使用しています。軽いので、出し入れがとてもラク。また、置き場所を変えれば、すぐ衣替えも完了してしまいます。アフリカの大地の香りと陽気さも連想させる、どこかのどかで楽しい眺めになるのも気に入っています。

ほかにも、食器を置く棚の下には引き出せるワゴン付きの大きなかご。中には鍋などを入れています。取っ手付きの大きめな楕円のかごには、ソーイングで使う生地を入れています。

また、自然素材だけでなく、メタリックの異素材のワゴンや棚もよいアクセントになっています。キッチンで存在感を放つスチール製のワゴンは、すっきりどっしり清潔感のあるもので、保存容器などを置いているブリキ素材の棚は、なんともレトロな風合いで気に入っています。

我が家は一間を多目的に使っています。キッチンもダイニングも趣味のソーイングもワークスペースもすべて同じ空間ですが、こうした素材を統一した収納にとても助けられて、すっきりした空間を維持できています。

ブルキナバスケットには衣類を収納。中には普段着用のTシャツやデニムなどを入れている。

関連書籍

徳田民子『80歳、私らしいシンプルライフ』

東京から安曇野に移住して16年。元『装苑』編集長、初のエッセイ 第2の人生を自分らしく楽しむ、シンプルで心地よい暮らしとおしゃれの工夫 60代で長野県安曇野市に移住し、第2の人生をスタートさせた元『装苑』編集長、徳田民子さん。移住のきっかけは、夫婦で訪れたドライブで眼前に広がる美しい北アルプスの風景だった。たくさんのものを手放し、暮らしをリセットする中で気づいたのは“シンプルって、心地いい”ということ。 移住から16年。四季のはっきりした安曇野での暮らしやおしゃれの工夫、毎日をごきげんに過ごす秘訣など、80歳を迎えた徳田さんの心豊かな日々をご紹介します。

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80歳、私らしいシンプルライフ

定年退職後に長野県安曇野市に移住した、元『装苑』編集長の德田民子さん。初のエッセイ『80歳、私らしいシンプルライフ』が8月6日に発売となりました。本書より、試し読み記事をお届けします。

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德田民子

1945年生まれ。文化服装学院デザイン科卒業。文化出版局で『装苑』『ミセスのスタイルブック』などファッション誌の編集長を務める。退職後、広告関係のディレクターをしていた夫とともに長野県安曇野市に移住。自然豊かな環境でシンプルながらも洗練された暮らしや、ベーシックなアイテムを自分らしく着こなすおしゃれに注目が集まる。現在はフリーのファッションコーディネーターとして、雑誌の監修やイベントの登壇など、マイペースに活躍を続けている。著書に『別冊天然生活 德田民子さんのおしゃれと暮らし』(扶桑社)など。

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