
「幸せ」とは、感覚の想像力を磨いて得られる「全体的な感覚」によって得られるものーーという名言が飛び出す今回!
神職さんが教えてくれる『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』より、貴重なお話。
* * *
「感覚の想像力」を磨いて運を上げる
氷といえば、洋の東西を問わず、氷に見立てられる石があります。パワーストーンと呼ばれる石の代表格、「水晶」です。
「水晶」という日本語は「水の結晶」を意味します(正確には氷の結晶と言うべきですが)。
英語のcrystalもギリシャ語の「krustallos」が語源で、これは「清らかな氷」の意味ですが、物質的には「無色透明の石英(セキエイ)」のことで、その分子式はSiO2です。水や氷はご存じのとおりH2Oですから、水晶は水の結晶ではありません。
それでも私たちは、無色透明の石英が反射する光に、生命のみなもとである「水」を感じます。その石をさわると、硬い。この硬さによって、「氷」を感じます。「氷のような石、水晶には、水の持つ浄化の力が、結晶のように固定されている」という感覚が生まれるのです。

これを私は「感覚の想像力」と呼んでいます。
パワーストーンというのは、石そのものにパワーがあるのではなくて、私たちの感覚が、石にパワーを生じさせているのだと思います。その証拠に、小さな子どもは、そのへんの石ころでいつまでも楽しそうに遊んでいます。子どもは感覚の想像力が豊かなので、石にいくらでも力と役目を持たせることができるからです。
もちろん石に限りません。
「大きな木のそばに行くと、守られているように感じる」
「朝ごはんの気配で目覚めると幸福感に包まれる」
「この場所で夕陽を見ると、全能感がやってくる」
どれもが、複合的な要因による、全体的な感覚だと思うのです。
こういう、全体的な感覚は、五感でいうと何、というふうに、限定して言えるものではありません。数値化することも、「見える化」することもできないし、おそらくAIは持つことができないでしょう。
「幸せ」とは、感覚の想像力を磨いて得られる「全体的な感覚」によって得られるものだと思うのです。
人間の感覚の特性を知ったうえで、全体としての感度を上げていく。そのことが、幸せを感じたり、開運するということにつながっていくのではないかと思います。
(つづく)
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神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!
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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。
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