
常に冷静沈着で頭脳明晰……。
これまで感情を表に出さなかった男が仲間の死を受け、感情をむき出しに正義を訴える。
これほどに熱い展開はあるだろうか?
キャスター9話で魅せた進藤の新たな一面と覚悟に、心が震わされたのは私だけではないはずだ。
これまでの進藤は「感情より事実」を優先する姿勢を貫いてきた。
しかし彼は、山井(音尾琢真)という仲間の死に直面したことで「報道の本質」を自分の感情として理解したのだ。
これは進藤の中で「記者としての責任」と「個人としての怒り」が一致した瞬間とも言えるだろう。
キャスター9話は、自分が“対象を報じる立場”に留まらず、“報道という武器を持って権力と戦う覚悟”を固めた決定的な転機を迎えると同時に、シリーズ屈指の神回だったと私は思う。
これまでの中立的報道者の進藤でも十分に驚異的だったが、当事者となった進藤はもはや誰にも止められないだろう……。
最終回、覚醒した進藤が楽しみで仕方ない。
衝撃!進藤父は自死ではなく殺人事件だった
ドラマ考察系YouTubeを生業にして6年ともなると、展開の法則性や伏線の巻き方を元に今後の展開が読めてしまうことも、しばしばある。
だが9話ラストは、思いもよらぬ事実に、空いた口が塞がらなかった。
今となっては後の祭りだが、正義に溢れる進藤が尊敬する父が自死を選ぶはずがないと考えるべきだった。
ましてや、愛する子供が同居している状況で火事を起こす選択を進藤父がするわけがないと考察することもできただろう。
考察とは描かれている伏線だけに注目するのではなく、心理的思考で「あの状況でこんなことをするのはおかしいのでは?」と疑う必要があるのだと勉強になった。
考察系YouTuberとして考察(予想)できなかった悔しさもあるが、その何倍もこの衝撃を味わえたことに感謝したい。
その上で少しばかり物申すなら、
あの距離でライター(zippo)を投げたら、投げた人も爆発に巻き込まれないか??
ライターを投げた後にダッシュで逃げただろうから相当足が速い人物。もしくは遠くから正確にライターを投げ入れられる強靭な肩を持つ人物じゃないと成立しないと思ってしまった笑
屁理屈的な指摘なのかもしれないが、あくまでもフィクションであるドラマならではの“ちょっと突っ込みたくなる演出”もドラマを楽しむ1つの方法だと私は考える。
ラスボス判明……。敵は想像を超える悪人だった
「民放テレビ局JBN会長、国定義雄」
来週の最終回を前に、完全に敵が判明したのだ。
国定会長はこれまでも隠す気がないほどに悪い面を覗かせていたがこの男、想像以上の大悪人である。
前述の進藤父の殺害も国定であり、おそらく現代の山井殺害も国定の指示である可能性が高い。
それだけでなく羽生官房長官(北大路欣也)も毒を盛って殺した可能性も最終回で言及する流れのようだ。
権力による“真実の隠蔽”など間接的に人々を苦しめた悪人かと思いきや、直接的に殺人を犯していた大悪人だったとは…………。
やはりこのドラマ、最後まで我々の予想の斜め上をいく「攻めの姿勢」は崩さない。
最終回に残る謎は大きくいうと「進藤父の殺人事件の真相」のみだが、当時、新聞記者だった国定会長が盟友の進藤父を殺めなければならなかった理由が焦点となる。そこに国をも揺るがす衝撃の真実や国定の苦渋の決断があるのは間違いない。
最終回は「人の命」がテーマとなり、正義とは何かを、他人事ではなく自分事として考えるきっかけを与えてくれるだろう。我々視聴者は、これまでの感謝も込めて、これまで以上に、全身全霊でこのドラマと向き合っていくべきだと私は考える。
真実は目の前まで来ているのだから。
本編でもサイドストーリーでも際立つ本橋の魅力!!!
いつもよりは出番が少なかった本橋だが、その存在感には「流石」の一言に尽きる。
8話でまるで裏切ったかのような妖艶な表情で会長室にやってきた本橋だが、9話冒頭では一転「自分はリークしていない」とキュルキュル目の子犬顔で訴えていた。
彼は裏切ったわけでもなく、進藤の指示でもなく、自分自身も情報が流れてしまった理由が分からなくて困惑してる1人だったのだ。
なのに8話であんなに裏切ったかのような表情してたの……とっても可愛いかよ。
冒頭では「困惑してる姿」
その後は番組に同行できなくなり「怒りを露わにする姿」
終盤では番組出演中の「凛々しい姿」も披露。
そして恋するキャスターでは、キリッと顔で黒幕を優しく問い詰め更生させたり、自分のメモを残してくれているのが分かりデレ顔したり、戸山さん待ちでソワソワ顔したりと、こちらでも表情がコロコロ変わる本橋を堪能した。
どの本橋もご馳走様でした。と伝えたい。
本橋の全表情、飯が進んでしょうがない。
本橋太りは不可避なのだ。これ以上の幸せ太りを私は知らない。
というわけで恋するキャスターで肥えてきた私ですが、こちらも次回が最終回。
2人の恋の行方が気になるところだが、最終回は友達以上恋人未満みたいな関係で一旦終わり、そのまま夏クールの火10で続編スタートってならないかななんて思ったり……。
だってサイドストーリーで終わるのが勿体無いと思えるくらい素敵な作品なんだもの。
『恋キャス民に告ぐ、必ず来るであろう恋キャスロスに今から備えよ』
著者:ペチ
ドラマイラスト:サク
第9話のリアルタイム考察の様子はこちら↓
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考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?
物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。
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