
先日、森美術館の「マシン・ラブ」展にやっと行けました。
最新のデジタルアートの電磁波の渦に包まれ、刺激的でしたが、以前から映像作品に惹かれていた、ルー・ヤンの新作を拝見し、画面から目を離すことができず、一本五十分最後まで観てしまいました。あともう一本も機会があったら拝見したいです。
前に観たアニメ調の作品もおもしろかったですが、今回は作者本人の要素を取り入れたリアルな実写アバターで説得力を増していました。
『独生独死』というタイトルのシリーズで、仏教哲学とテクノロジーを組み合わせた高次元の映像作品です。映像自体もクオリティーが高くて情報量が多いです。自身のアバターのDOKU(ドク)という中性的な青年が、自己や人生の真理を探求していく、というストーリー。あの世のような空間を歩いたり、海辺で瞑想したり、豪華客船に乗ったりしながら根源的な問いかけやメッセージを投げかけていきます。
そのセリフがとにかく深遠で……修行者マインドが刺激されました。
「すべては心の投影」
「あらゆる努力は目に見えない架空の敵との戦いである」
「魔術師のように自我の一念で様々な姿に変わる」
「すべては幻想にすぎないことを忘れてしまう」
など、この世は幻想で無常だということや、人は心に翻弄されているというメッセージが伝わってきます。
中盤、DOKUは、崖で道を踏み外し、ロープに捕まったもののネズミにかじられて下に落下してしまいます。倒れた状態で、海辺に積み上げられた石と禅問答のような会話を繰り広げたと思ったら、次の場面で近づいてきた豪華客船に乗り込んだり、霊界のような自由な移動で視点が変化。
DOKUが乗り込んだのは「五大欲望を叶える客船」でした。そこで食べ放題やパーティっぽいスペース、カジノなどでしばらく楽しみます。
こういうおしゃれで快適な空間に引きよせられ、とらわれてしまうのは、自分も同じです。簡単にエゴや煩悩を満たすことができます。
この作品では、豪華客船のことを「善魂を燃やし尽くす」と表現していて戦慄しました。
私は先日、インドの「マハ・クンブメーラ」に行って沐浴をして浄化されたはずが、数ヶ月経って気付いたら、商業施設をブラブラして、服やコスメやスイーツを買う日々。まさに善魂を燃やしてしまっている気がします。このタイミングでこの作品と出会ったのは何かの戒めかもしれません。
ルー・ヤンさんはチベット仏教の師がいらっしゃるそうです。日々どんな修行をされているのか気になります。映像のスペシャルサンクスの筆頭に、ゾクチェン・ペマ・カルサン・リンポチェという、すごそうな高僧の名前が書かれていました。
調べたら、まだ胎内にいた頃、叔母が光り輝く白い水晶の仏塔が落ちる夢を見たり、生まれたときは今まで見たことがないくらい花が咲き乱れたり、奇跡的な現象が多発したそうです。仏教の教えを広めるために、今もさまざまな活動をされているようです。
今回のような映像作品の形になると、脳への影響も大きく、布教力があります。
また、映像の中に「ヨーガの願い」という言葉も出てきたので、もしかしたらチベット仏教とインドのヨガはどこかでつながっているのかもしれません。ヨガや瞑想を行なっている者として親近感の余韻に浸りました。

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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。
この連載が電子書籍になりました!『次元上昇日記 ベストセレクション50』
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