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神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

2025.06.11 公開 ポスト

6月 五感と空間を磨く

神様がいごこちのよい、きれいな空間を保っておくことが大事。そうじは「快楽」であることが分かれば、なおよし!桃虚(神職/ライター)

自分は「めちゃくちゃ運がいい」と感じる、という神職の桃虚さん。

それは、「そうじ」との正しいおつきあいしているから!?

神職さんが教えてくれる『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』より、貴重なお話。

*   *   *

ほぼ「そうじが仕事」の神職が気づいた「そうじ」と「開運」の密な関係

ともあれ、運を上げるということは、神様とタイミングを合わせるということ

だから、神様の存在を敏感に感じ取るために、神様がいごこちのよい、きれいな空間を保っておくことが大事

これは、神社だけの話ではなく、一般家庭でも同じです。

こんなことを書いていると、私がそもそもきっちりしたきれい好きの人かと思われるかもしれせんが、私は大雑把な性格で、そうじも苦手でした。そんな自分が、神社に奉職して、何をするにも「そうじ」と「清め」が第一優先という日々を過ごしてきた結果、わかったことがあります。

それは、草むしりにせよ、落ち葉そうじにせよ、室内の拭きそうじにせよ、自分が手を動かした範囲がきれいになっていくのは、快楽だということです。

快楽だから、ついつい手を出してしまう、それが「そうじ」の正体なのだと。

(イラスト:宮下 和)

「結果が出る」「目に見える」という点で、あらゆる人間の仕事の中でも、最速でその快楽を得られるものが「そうじ」。つまりそうじは「瞬間の快」です。そうじすれば、その瞬間から目の前がきれいになっていくからです。

そして「瞬間の快」の集合体が「幸せ」で、それがよく訪れる状態が「運がいい」ということではないかと思っているのです。

きっと、「瞬間の快」が切れ目なくつながったら、瞬間も、時間の区切りもなくなって、今まで味わったことのない状態になるでしょう。あるいはそれが悟りというものなのかも

私はまだその境地には至っていないのでわかりませんが、「めちゃくちゃ運がいい」ということは、感じています。「瞬間の快」を意識して毎日を過ごしているからです。

「瞬間の快」は、人が日常で行う動作に無数に存在します。私の場合は「龍笛(りゅうてき)を吹く」「体を伸ばす」「文字を書く」「ごはんを作る」などの中に、快を感じます。

「片づけ」や「洗い物」の中に快を感じる人もいるでしょう。

中でも、やはりそうじが「瞬間の快」のトップ・オブ・ザ・トップに君臨しているように思います。

いちど、神社のおそうじを手伝ってくださる方に聞いたことがあります。彼女も、「自分が気持ちいいからそうじしている」と、以前言っていらしたので、「この気持ちよさはどこからくるんですかね」と、聞いてみたのです。すると、

「そうやなぁ、おそうじは徳を積んでる感じがするねんなー」とおっしゃっていました。

たしかに。そうじには、気持ちよさの中に、徳を積む感、という要素があるのです。

「快」の中に「徳」がある

光る玉の中に、味わい深いおいしいものが入っている感じですよね。それが「そうじ」の特質なのだと思います。

ところで、梅雨どきが大そうじに適しているという話を聞いたことがありませんか?

実は、梅雨どきは、気温で汚れが緩むうえに、湿度が高いので汚れが落ちやすいのです。

ホコリが舞いにくく、静電気も発生しにくいため、窓ガラスや網戸のそうじにも向いています。ダニやカビの繁殖期の初期にあたるので、梅雨に大そうじすると、彼らの繁殖を予防する効果もある……ということで、まさに絶好の「大そうじ日和」なのですね。

雨でおでかけできない日こそ、おそうじ日和(びより)。部屋の中を清めて快適にすることで、運を呼び込む家にすることができる、開運デーなのです。

ひと月のあいだ、まめなそうじを心掛け、身のまわりをすっきりさせたら、6月の晦日(みそか)には多くの神社で行われる「夏越の大祓(なごしのおおはらえ)にでかけてみましょう。

文字通り、夏を越えるための、たましいの大そうじ。

茅(ち)の輪を8の字にくぐる、人形代(ひとがたしろ)を祓って燃やす、大祓詞(お祓いの言葉です)をみんなで唱える、など、内容は各神社によってさまざまです。

京都を中心とした関西では、この日限定の和菓子「水無月(みなづき)」を食べる習慣があります。

水無月は、氷に見立てた白いういろうの上に、小豆がのっていて、三角です。昔、氷を貯蔵していた「氷室(ひむろ)」から出してきた氷の形を表し、真四角を一年と見立てれば、半年は半分の三角になる、という意味もあるようです。

私は、この構成、形、コンセプト、考えた人はとんでもない天才だな、と思いながら、6月のごほうびとしていただきます。これが悶絶するほどおいしくて、あと半年、すこやかにがんばろうと思えるのです。

(イラスト:宮下 和)

関連書籍

桃虚『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする…など、毎月を、楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に! 四季を「見る」「聴く」「匂う」「触る」「味わう」……。 「五感」を磨けば、1年間幸運がめぐり、運だけでなく、体も、脳も、生活も、みるみる華やぎます! ポイントは、小さな変化を敏感に感じとり、そして”楽しむ”こと。 四季の豊かな日本には、古来から、その楽しみ方のノウハウがたくさん伝わってきています。

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神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!

*   *   *

神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。

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桃虚 神職/ライター

1970年インド(ムンバイ)生まれ、東京育ち。 ライター業を経て、大阪府枚方市の片埜神社にて神職歴20年。 「神社新報」で連載など。筆名の「虚(とうきょ)」の、「桃」は無邪気の象徴、「虚」は素直な心を表す

最新刊に『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』。

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