2025年5月26日 乗馬体験 　辛酸なめ子

昔、取材で乗馬体験をしたときは乗ったとたん馬のテンションが下がり、草食男子と相性が良くないのかもしれないと一抹の寂しさがありました。

すっかり馬から遠ざかっていましたが、先日乗馬体験チケット配布されているところに遭遇。装備レンタルなどの数千円で乗れるそうで、予約して行ってきました。

最寄り駅からバスに乗って自然に囲まれた乗馬クラブへ。道具は軍手と伸縮性のあるパンツくらいで、あとは専用のエアバックが付いたベルトやブーツなどは貸してもらえます。
意外と中高年の女性が多く通っていました。体幹が強くなるというのと骨盤底筋を鍛えて尿もれや子宮脱防止になるとかいろいろな効果が期待できます。

手続きを待っている間、お馬さんのファイルを拝見。かなりたくさんの、多くはサラブレッドが所属しています。もとは競走馬だったらしいですが戦歴を見ると何十戦で1勝とか、0勝とかの馬も多く、馬主はセレブなイメージですが儲かるというのは本当に難しいというのがわかりました。馬も勝手に運命を決められ競走馬になったものの向いていなかったのでしょうか。その結果、乗馬クラブに預けられるという流れに。放牧してくれるようなところなら良いですが……。

私が今日乗馬体験させていただくのも元競走馬で、去勢されたのでセンという分類になります。ベストやヘルメット、ブーツなどを身に付けて、スタンバイ中の馬に挨拶に行くのですが、やる気ない感じで一瞥されました。それから小さいコースで、インストラクターさんに馬をひいてもらい馬場をグルグル回る流れに。

馬が立ち止まった場合、歩いてほしいときは、両側から軽く蹴る、止まってほしいときは手綱を引っ張る、といった簡単な作法を習いました。指令を聞いてくれたら、ありがとう、の意味を込めて首をポンポン叩きます。友人の女性が前、だんなさんの首をポンポン叩いているのを見ましたが、もしかしてあれは……。乗馬は全身運動なのでウエストや太ももに効くとか、馬との出会いの瞬間の態度など、コミュニケーション能力も学べるとか、いろいろなメリットがあるようです。人間に疲れて乗馬に来る人も結構いるそうです。最初馬に会ったときから怖がる人がいて、そういう場合は乗馬には向いていないとのこと。また重心が前だと馬が急に動いたら前方向に落馬してしまう恐れがあり、まっすぐ目の高さに試練を固定するのが大事だそうです。常歩で何週かしたあと、小走りも少し体験して、上下の揺れでさらにバランス感覚が鍛えられました。

ただ、馬の意識にチャネリングすると、「本来、私たちは移動する生き物なのに毎日同じところをグルグル回って、やってられないよ」という意識が伝わってきたような……。乗る人が変わっても気分転換にはならなさそうでした。

とりあえず、フレンドリーなインストラクターさんのおかげで楽しく体験レッスンを終えました。そのあとコースの説明をすると言われて、遠くてあまり通えそうになかったのですが、今日だけの特典コースに入るのは今決めてほしいと言われ……。
「ちょっと考えさせてください」と言ったら「通えないということですか？　今決めてください」と、インストラクターさんのさっきまでの笑顔が消えて真顔になりました。
バスの時間だと言って急いで帰ることにしたら、すごい塩対応で……。馬よりも人間とのコミュニケーションの難しさを体感することになりました。

乗馬クラブでは馬が驚くからとのことでスマホの持ち込みは禁止で写真が撮れなかったので、帰ってからChatGPTに「辛酸なめ子が茶色い馬に乗馬しているリアルな絵を描いてください」と頼んだのですが3日経っても音沙汰なく、生成されていません……。でも夢の中でできた画像を見たので、脳内で画像が生成されることもあるようです。

心の短歌
「入会を断った瞬間笑顔消え真顔の人の青き白目よ」