
戦争において、ある国の兵士は「英雄」とされる一方で
相手国からみれば「侵略者」とみなされることがある。
まさに本日のキャスターは
「見る角度や立場によって正義の意味が変わる」
そんなメッセージを感じた。
冒頭から物騒な話をしてしまったが、
「何事においても、絶対的な正義などは存在せず、正義は相対的である。だから他者の視点に立って物事を考えることが大事」なのだ。
これが 進藤や崎久保華が紡ぐ言葉を聞いて行き着いた、私なりの答えだ。
ただ、自分が当事者になった場合でも このような考え方ができるだろうか。
正直、私には自信がない。
6話のような、自分の愛する人が一刻も早い臓器提供を必要とする状況で、“他者の視点に立ち、ルール(法律)を尊重する選択”ができるのか?
臓器売買が倫理的にしてはいけないことと、頭では理解できている。
しかし、当事者になった時、それを超越する私的な感情になることは想像に難くない。
人は理性だけで生きれない。しかし、感情だけでも社会は保てない。
倫理的思考と感情的思考はときに矛盾するが、この矛盾が「人間らしさ」なのだと思う。

キャスター6話を通して正義とは何かを自問した。
正直、明確な答えに辿り着くことはできなかった。
ある意味、それが答えなのかもしれない。
正義とは現実の中の最善策に過ぎないのだから。
私たちは、変化する正義を一緒くたに否定するのではなく、なぜそうせざるを得なかったのかを思考し理解することが本当の意味で正義に近づく第一歩なのかもしれない。
改めてキャスターが、他人事だと思っていた様々な社会問題に対し自分の思考を巡らすきっかけを与えてくれていることに感謝したい。
先が読めない!裏切りに裏切りが続く!!
ここまで正義について拙い文章ながらも私の考えを述べさせてもらったが、ドラマ的視点で見ても第6話は最高傑作だったのではないかと思う。
終盤の裏切りの連続は圧巻だった。
各々の考える正義が複雑に絡み合うことで起きる裏切りが何層にも重なり大きな波として視聴者を飲み込んでいた。
そして、その波を最も乗りこなしていたのは、やはり進藤だった。
進藤の行動や言動の一つ一つに一切の無駄はなくその精密機械っぷりには不気味さすら感じる。また彼の思考の深さや、何を考えているのか不透明なところには恐怖を感じざるを得ない。
この進藤の“個人的感情が全く見えない点”が物語にスリルを与えているのだと私は考える。
そして、考察面においても大きな進展があった。
考察界隈でいうところの『伏線回収回(種明かし回)』の要素もありつつ、1話完結ものではなくなったという点では『次週の展開考察白熱回』でもあったのかなと思う。
伏線回収で言うと、崎久保家の過去そして進藤との因縁が明らかになった。
その過去を踏まえて報道マンとなった崎久保華がどんな行動をするのか。
それに対し進藤はどんな立ち振る舞いで応戦するのか……。
来週の第7話の展開がこれまで以上に気になるものとなったのは間違いない。
ただ、この展開予想を「考察」と呼ぶべきかは少し議論が必要でもある。
「考察=ドラマを楽しむ」と大きく括り、展開考察を述べることもできるが、私が考える基本的な考察は、物語上にある伏線(ヒント)を元に思考することで真犯人を割り出したり、今後の展開を紐解いていくことにある。
その点で、このキャスターは、今後の展開を紐解くためのヒント(伏線)は少なめだ。
この場合の展開考察は“考察”というより“予想”の意味合いが強くなる。
ドラマを楽しむ上で「種明かしをワクワクしながら待つ」ということが最善案な場合も存在すると私は考える。
このドラマにおいては私の思考の何歩も先をいく行動を進藤がしてくれるのは明白だ。私はそれを来週の日曜日のご褒美としてワクワクしながら待ちたいと思う。
ただ一つだけ第6話の進藤の動きとして気付かなければいけなかったのは「原付で成田空港に行くのはしんどすぎる」ということだ。
これに気付けていれば、進藤の行動を先読みできたのだ。
今後も適宜考察をしながら、このドラマの魅力である“予想の斜め上をいく展開”に全力で踊らされたいと思う。
ではここからは恒例になりつつあるデザートの時間だ。
「恋するキャスター」というスイーツを楽しみたいと思う。
恋するキャスターの大きな魅力は“歪な三角関係”
三角関係とは3人とも少なからず誰かに矢印が向いているのが一般的だが、このドラマにおいて本橋(道枝駿佑)は今のとこ誰にも矢印が向いておらず自分へ矢印が向いていることにも微塵も気付いていない。
その本橋に戸山(佐々木舞香)もジェソン(ムジュン)も振り回されている。
無論、本橋は振り回していることにも気づいてもいない。
無自覚は時に罪なのだ。
ただ今回の6話でジェソンが戸山に告白したことで本橋に火がつく可能性が高い。
よくやったぞ、ジェソン。(当て馬扱いしてゴメン笑)
ただすっかり本橋に魅了されている私としてはこう考えざるを得ない。というかシンプルに本橋の出番を増やしてくれ(圧)
私はこの記事で物事に絶対的なものはないと述べているが、道枝駿佑の美は絶対的なものを感じる。
どの角度から見ても彼は絶対的な美を持つ……
360度全方位イケメンと命名しよう。
今回の恋するキャスターでは出番が少なかった本橋だが、本編では崎久保華への恋心に揺れる本橋が見れて大満足だ。
「俺は華さんを犯罪者にしたくない」
あれは本橋なりの精一杯の愛情表現だと私は感じた。
となると……
本橋と戸山がくっつくことはないの?
崎久保華との職場恋愛的な展開もあるの?
そもそも本橋は誰かと付き合う気はあるの?
やっぱり来クールは報道恋愛コメディーとして火10の枠でがっつり描いてくれ!!
著者:ペチ
ドラマイラスト:サク
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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!
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