
社会・教養
もともと旅行にはさして興味がなかった。知らない土地を歩き廻るのは愉しいのかもしれないが、準備や移動の手間を考えるとう~ん……。途端に気が重くなる。根っからの出不精なのだ。わざわざ遠くへ出かけるより自分の部屋とか近場のお気に入りの場所とかでたらっと過ごすほうが性に合っている。ましていわんやホテルをやである。
でも、そんな私の考えが大きく変わった。あれは去年の春風を感じる頃。よんどころない事情で京都に行ったときのことだ。用事をすませたあと、新幹線の出発まで少し時間が空いた。とりたてて行きたい場所があるわけでもなかった。仕方なしに近くの烏丸御池周辺をぶらつくことにした。いざ歩いてみると、ヒストリックな街並みはなかなかよろし。ふ~ん、この街好きかも……そう思った直後、ふと目に留まる建物があった。
遠くへ出かけるよりも、自分の部屋や近所で過ごすのが大好きな作家・越智月子さん。そんな彼女が目覚めたのが、ホテル。非日常ではなく、暮らすように泊まる一人旅の記録を綴ったエッセイ。
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