朝起きられたこと、頭痛薬が効いたこと、その全部が当たり前じゃないの。幸せなことなのよアレン

「幸福論」についてお送りするアレン様のエッセイ第8回目は、テーマとは真逆の「不幸」について。SNSで自分よりも綺麗な人や幸せそうな人を見て病む、不幸な自分に酔って生産性のない行為を繰り返してしまう、そんな「不幸を美徳」とするここ数年の傾向に対して、アレン様が警鐘を鳴らします！

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暗いグチを言って慰め合って、不幸気どりの人生なんてはっきり言ってキモいわよ

最近、“自分って不幸かも”って思っちゃうネタが増えすぎたわよね。たとえばSNSでお金持ちの人の暮らしを見ちゃうとか、すごい美人がいるとかね。

でも不幸だと思ってる者同士で、慰め合うことが美徳みたいになっている文化はキモいわよ、はっきり言って。さっさと幸福になりなさい。

自分のことを不幸だって言っている人に共通することが二つあるの。ひとつは「親ガチャ失敗した」っていう人。もうひとつは「こんな顔で生まれたくなかった」っていう人。このふたつがセットになった者同士がグチを言いまくって、いろんな人のことを批判するの。「この女優って顔はキレイだけど、ぽちゃ体型でキモいよね」とか言い合って、慰め合っているのよ。

意味のわからない、トー横キッズ界隈みたいなのが出てきて「自分たちは不幸。不幸だけどこれが人生」みたいなことを言っているでしょう？　ヮタクシだったら「不幸な人生なんてごめんなんだ㌔」って思うわ。

こういう子って、不幸な自分に酔っているのよね。なんでそうなるのかというと、自分のまわりにも同じ境遇の人がいっぱいいるから。境遇が一緒だから、お互い慰め合って、傷を舐め合う。慰め合うだけで前には進まないし、不幸だと思っている今の環境を当たり前だと感じて、ネガティブな現状にどんどん順応していってしまいそうよね。でもそれって本来あってはならないことザマス。

今、生きているっていうだけでも超幸せなことなのよ

ヮタクシこの人たちにすごく聞きたいの。「あなたって不幸？」「あなたの幸福は何？」って。一体何て答えるのカフォーラ？

もし、「幸せじゃない」とか「わからない」って言われたら、「じゃあ今生きていることは幸せ？」って聞く。「おいしいご飯を食べたとき、どう思うの？」とか。
こういう人たちの考え方がまったく分からないのよ。なんでかと言うと、ヮタクシはいつも幸せを感じれる気持ちを持っているKARA（コリァ歌手）。

ヮタクシって、幸せと感じる基準をすごく低く設けているの。これはすごく大事なことで、たとえば朝起きたときに超感謝するのよ、「あぁよかった！　生きてるわ！」って。

地震も起きてない。死んでない。災害にも見舞われてない。だって明日、首都直下型地震が起きるかもしれないじゃない。奇跡なのよ、全部が。
だからヮタクシ、幸福の基準を高く設けている人が不幸になりやすいと思っているの。親ガチャがどうこう言ってる人って多いけど、そういう人は求めているレベルがそもそも高いのよ。パリス・ヒルトンとかビル・ゲイツの子供に生まれてくること自体がおかしいんだから。はなはだ筋違いよ。

不幸である自分に酔っている、不幸を美徳としている人たちって「本来は幸福なのに、勘違いした不幸気どり」っていう感じがするの。本当は今ある全部が幸福なはずなのに、勘違いしていて腹立つから、ヮタクシはああいう人たちのことが大嫌いなの。「不幸気どりもいい加減にしなさいよ。ァンタ、そうやって言っているけど明日死んでいるかもしれないのよ！！」って言ってやりたいわ。

そういう人って、自分では不幸不幸って言っているのに、その日普通に飯は食うんでしょう。ァンタが今日食べたそのご飯が食べられない人、いるかもしれないわよね。

常に幸せの基準を低く設けていると、「ああ、生きている。死んでない。運がよくて本当によかった！」って、事あるごとに思えるようになるの。
あと、今日頭痛薬をゴットリ飲んできたんだ㌔、「頭痛いの治った、幸せ！」って思っているわ。お薬飲んでいるから頭痛が治るのは当たり前と言えばそうなんだ㌔、でも「ちゃんと効いてる！」みたいな、ささいな喜びをきちんと感じられると幸せよ。

不幸な人には不幸なことが、幸せな人には幸せなことが連鎖するの

そうやって何もかも幸せって思っていると、幸せなことを勝手に引き寄せるようになるのよ。
その結果、なんとこの間シンガポールに行ったときスロットで日本円で計600万近く勝ったのよ。ヮタクシその瞬間、「すごい幸せ～！」って声に出して言ったの。常に幸せを感じていると、本当に幸せなことが起きるのよ。

逆に言うと、不幸そうな人って不幸なことばかり起きるでしょう？　ずっと暗いグチを言ってる人って、「どうしてそんなに腐るほどグチばかり出るの？　そんなにヤバいことがどうして起きるの？」っていうことがある㌔、ヮタクシはないもん。
「しんどい、もう無理」と思うことがないのって、幸せの基準を低く設定していて幸福しか寄ってこないからなのよね。そして「幸せ」って思ったら「ラッキー」って声に出して言ったり、心の中で幸せだなってことを実感する。その人の生き方のスタンスが、結果を引き寄せると言ってもいいかもしれないわね。

たとえばタクシーに乗って、40円値引きしてくれることとかあるでしょ？　それもラッキーって思っているの。大きな額じゃないんだけど、でも幸せじゃない？

あのね、ヮタクシが言ったもん勝ち、幸福になったもん勝ちだと以前から言っている㌔、その理由となるエピソードがあるのよ。それもこの間、立て続けに2回あってびっくりしたの。

ひとつはシンガポールに行くときの飛行機が満席で、窓側しか空いてなかったとき。ヮタクシね、通路側の席がいいのよ。だって窓側だとお手洗いに行く時、隣の席の人たちに気をつかうでしょ？　だから航空会社の人に「すみません、ヮタクシお手洗いが近くて。通路側の席に変更できない？」ってダメ元で言ってみたの。満席だから選べないことはわかっているのよ。でもそしたら、「じゃあ皆さんには内緒で、本来は有料になる座席なんですが、最前列の角の席を用意します」と言ってくれたの。
その瞬間ヮタクシ言ったの、「ラッキー」って！　有料座席だからほかの人たちはプラスで料金を払っているんだ㌔、ヮタクシは無料で座れたのよ。

もうひとつは、その四日後ぐらいにソウル(コリア)へ行ったとき。
そのときも行きの便がほぼ満席で、選べたのが最後尾に近い窓側の席だったの。飛行機って構造上、後ろのほうが揺れるようになってるんだ㌔それが苦手で「飛行機の揺れで頭がズキズキしちゃうんです」って言ったら、「最前列の有料席を用意します」って。「いいんですか？」って聞いたら「どちらにしても空いている席なのでいいですよ」って言ってくれて、「ラッキー！」。

そうやってどんどんラッキーなことが起きるのよ。これはね、ちゃんと希望を言うことが大事なの。「仕方ないよね、これでいいや」って黙っていたら、そのまま最後尾の窓側の席よね。でもダメ元で、とにかく言ってみる、やってみるというのはすごく大事なこと。
幸福論を語る上で、これは絶対に外せないの。それでもしダメだったらダメだったで、仕方ない。言ってダメなら納得できる㌔、今回の例だと言ってみたから変更してもらえた。それで幸福がまた呼び寄せられるの。幸福が幸福を呼ぶのよ。

日本人は幸福の基準を高く持ち過ぎていると思うわ。今日ケガしなかったとかでもいいし、私の場合、今日みんなのスケジュールが合って取材できてよかったとか、本当に何でもいいの。

仕事だからスケジュールは合って当然っていう考え方もあるわけよね。でも「合ってよかった」って思うことで幸せな気持ちになるの。もう全部がラッキーなのよ。人間って考え方一つで、不幸か幸福か決まるの。

この連載のための取材だって、こんなに早い日程にみんな集まれてラッキーでしょ？　ヮタクシは「今日取材できたから今月の記事も間に合いそう、良かった！」って思うんだ㌔、「仕事だから当然だよね」っていう思考になる人がほとんどよね。考え方一つで、本当に全部が変わるのよ。