平安時代のひなまつりは、船にお雛様を載せていた!?
一家に一冊あるといいね♪と評判の『神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること』より、3月について学びましょう!
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人形は、穢れを移して水に流すものだった
3月3日といえば私たちはひなまつりをすぐに思い浮かべますが、平安時代はずい分と違うものでした。
3月3日の上巳の節句には、人形に穢(けが)れや災いを移して水に流すことが行われていた、とされています。
平安時代に紫式部が書いた「源氏物語」の「須磨」の巻には、3月上巳の日に光源氏が陰陽師を呼んで祓を行い、人形を乗せた船を海に流す場面があります。
神社の神事は、基本的に平安時代に確立された形式を続けていますので、この「人形による祓い」の行事も、今に伝わっています。
ただし上巳の節句ではなく、一年の真ん中にあたる6月30日に「夏越(なごし)の大祓(おおはらえ)」として紙の人形(ひとがた、と読みます)に名前などを書いて自身の穢れを移し、それを水に流したり、火で焚き上げたりすることによって祓うという儀式になっています。
一方で、貴族の幼い女の子がしていた「ひいな遊び」という、人形を使ったおままごと遊びもその頃からありましたが、これは江戸時代になって公家の女性が武家にお嫁に行く際に、嫁入り道具としてひな人形を持参したことで広まったと考えられています。
人形を流す祓いの行事と、中国の上巳の節句、そして「ひいな遊び」が結びついてできあがったのが、現在の「ひなまつり」だと言われています。そして、人形は流すのではなく、飾っておまつりし、菱餅(ひしもち)や桃の花をお供えする対象となったのです。
(つづく)
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神様と暮らす12カ月 運のいい人が四季折々にやっていること

古(いにしえ)より、「生活の知恵」は、「運気アップの方法」そのものでした。季節の花を愛でる、旬を美味しくいただく、しきたりを大事にする……など、五感をしっかり開いて、毎月を楽しく&雅(みやび)に迎えれば、いつの間にか好運体質に!
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神主さん直伝。「一日でも幸せな日々を続ける」ための、12カ月のはなし。
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