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毎日がみるみる輝く!神様とあそぶ12カ月

2024.03.27 公開 ツイート

【4月】花見で未来を祝い、美意識を磨く幸せ その2

花は、少し先の良きことを示す「吉兆」。身の回りを「神様映え」させて、運気アップ! 桃虚

現職の神職さんが指南する、「神様とのお付き合い」の仕方。お花見の宴会も、実は神様に繋がっている…らしいですよ!

*   *   *

吉兆をみつけて、未来の良きことを先にお祝い。「予祝」で運を引き寄せ、「神様映え」で美的センスを磨く!

突然ですが、想像してみてください。

あなたは今、木の実を採取して食べている縄文人です。

 

いつものように腹をすかせ、フリーな感じでぶらぶらしていると、向こうのほうの、実が成る木に、花が咲いているのを見つけました。

よっしゃあ。実が成る時期にまたあの木のところに行ってみよっと。

と、うれしくなって、小躍りするでしょう? そして、好きな人と一緒に行こうと思うかもしれません。頭の中のそんな計画だけで、幸せな気持ちになりますよね。

もともと、すべての花は、美しいものである以前に、実りの兆(きざ)し、前兆でした。花がたくさん咲けば、ああ、あの木には今年も実がたくさん成るのだなあ、とわかります。古くから、花は少し先の良きことをしめす「吉兆」なのです。空間に花があるだけで気分が上がるのは、それが吉兆だからなのかもしれません。

 

さて、桜の花は、春になって田の神が宿ると開花する、というお話を前回しました。

桜の花がいっせいにぱぁああっと咲くということは、田の神様が無茶苦茶活気づいているということ。田の神様が元気ということは、秋の豊作が期待できるということ。

だから日本人は、桜が開花したかどうか気にかけ、開花したら、できるだけたくさん、たっぷり長く咲いていてほしいと願います。

満開の桜の下で宴会をする「花見」は、そうした願いをこめて、秋の豊作を先にお祝いする「予祝」なのです。

「予祝」とは、未来に起こってほしいことを、あらかじめお祝いするという、古来の祈願のしかた。神社で行われる春祭りの多くは、秋の豊作を、先に氏神さまとお祝いする豊作祈願でもあり、これには「口に出した言葉の内容が、現実になる」という言霊(ことだま)信仰がベースにあるのではないかと、私は思っています。

 

春祭りもそうですが、神社のお祭りには、かならず「直会(なおらい)」という宴会が含まれています。おごそかな神事のあと、神さまにお供えした食べ物や酒を、神さまとともにみんなでいただき、和み、楽しむ。神さまと同じものを食べることにより、神さまと一体化するのです。

お花見は、花の下で、田の神とともにむつび和らぐ直会なので、そこで飲食するものは、神さまへのお供えです。そう考えると、おのずと美しいものを選ぶことになりますし、お酒の飲み方もかわってきますよね。はんなり、美しく飲むということを意識するはずです。

桜の時期に京都の百貨店の地下に出かけると、そこには、老舗料亭をはじめ、たくさんのお店が腕をふるったお花見弁当が、華やかに並んでいます。お値段は張りますが、その美しさといったら、神々にささげ、神々とともにいただくのにふさわしいものばかり。さすが京都、とうなってしまいます。

お花見弁当手作り派のひとも「これは神さまへのお供えだ」と思ってつくると、あたらしい美意識のスイッチが入るでしょう。写真映えともちがう、神さま映えする美を追及するからです。

神さま映えって何?

いきなり、「神さま映え」と言われても、なぞですよね。もちろん、神社の専門用語ではありません。神様に捧げるにふさわしい、清く、めでたく、おもしろく、美しい感じをひとことにまとめた、私がよく言うせりふなんです。

神社では時々、巫女さんに日々のお供えものを作ってもらうことがあるのですが、そんなとき、彼女たちはかならず聞いてきます。

「これってどうするのが正解ですか?」

もちろん、基本のお供えのしかたは最初に教えてありますし、作ると言っても日供(にっく)の場合は野菜や果物、海の幸、山の幸の素材まるのままを三方に盛りつけるだけですから、私はりんご五つを巫女さんに、はい、と渡して

「センス。」

と言います。

すると彼女たちは「えええー。わたしセンスないんですー」と困りながら、目の前のりんごを見つめます。大概は、不思議な形のお供えができあがるのですが、ある時、りんごそのものの美しさの正体をぐっとつかんで、神さま映えするお供えものができることがあります。これが、美の発見の成功体験です。

もともと、美的センスが壊滅的だった私も、この成功体験をくりかえすことによって美的感覚をすこしずつ、はぐくんできました。そのおかげで、世界は神々への美しい捧げものにあふれていることを知り、いまでは毎日が感嘆の連続です。社寺仏閣や美術館を、おいしいものを食べるように味わうことができます。

こうした美しいものを発見する感覚は、その人のふるまいを変え、やがてその美的センスが毎日の起き伏しにまで現れるようになり、それが同じように美しいものごとを引き寄せるようになっていくのを、巫女さんたちを見ても、自分自身の体感としても、実感しています。精神的な美しさと健やかさは、そのまま幸せにつながっていきます。このことに、年齢や性別は関係ありません。

というわけで、お花見は神様とともに楽しむ予祝であることを意識して、桜を見におでかけしませんか。お供えもののように美しくおいしいお弁当を用意し、神様といっしょに和やかに飲み食べする。お酒が飲めなくても、ていねいに入れたお茶を神様といっしょに味わっていただく。秋の豊作や、みんなの幸せ、それから、自分の小さな願い事も予祝してみる。それだけで、いつもとまったく違うお花見になると思います。

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毎日がみるみる輝く!神様とあそぶ12カ月

「小さな一瞬一瞬の幸せを感じる」を毎日続けていけば、「一生幸せを感じ続ける」ということになる。――当たり前のことだが、これが、神社神職として日々、神様に季節の食べものをお供えしたり、境内の落ち葉を履いて清めたり、厄除開運の祈祷を行って参拝者さんとお話ししたりする中でたどり着いた、唯一、確実な開運法なのです。

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神主さん直伝。春夏秋冬を大切にすれば、毎日が開運のチャンス!

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桃虚 神職/ライター

神社神職。インド(ムンバイ)生まれ東京育ち。関西住まい。二児の母。

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