1. Home
  2. お知らせ
  3. マンガだけでも、いいかもしれない。
  4. 「男になりたい」という根源的欲望小林まこ...

マンガだけでも、いいかもしれない。

2014.07.17 更新 ツイート

「男になりたい」という根源的欲望
小林まこと『関の弥太ッペ』他「劇画・長谷川伸シリーズ」中条省平

書店でなかなか見つからない本年度の最重要作

 先日、手塚治虫文化賞の授賞式のパーティがありました。その席上、呉智英さんにお会いしてマンガの話になりました。2014年も半年ほど過ぎたいま、呉さんは今年のマンガベストワンの候補として、小林まことの「劇画・長谷川伸シリーズ」(講談社)を挙げました。私は虚を突かれました。まったく聞いたことがない作品だったからです。一緒にいたマンガに詳しい関係者も同様と見えて、会話が途切れてしまいました。 

 すると、呉智英さんは、「ふうん、君たち、しょうがないなあ」という感じで、先生独特の、教えを垂れる前にきっと口をひき結ぶチャーミングなお顔をなさったのち、長谷川伸がいかに偉大な作家であるかを力説し、それなのに近頃の連中はほとんど読んでいないが、自分はかつて朝日新聞社から出た「長谷川伸全集」全16巻を読んでおり、世上人気のある股旅ものはもちろん悪くないが、長谷川の真価は『日本捕虜志』『相楽総三(さがらそうぞう)とその同志』など後期の歴史小説にあり、なかでもいちばん凄いのは、どうしようもない親不孝者の一生をリアリズムに徹して書いた『足尾九兵衛の懺悔』だとひと息にお述べになりました。

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

関連キーワード

関連書籍

{ この記事をシェアする }

マンガだけでも、いいかもしれない。

いまやマンガは教養だ――。国内外問わず豊穣なる沃野をさらに掘り起こす唯一無二のマンガ時事評論。

※本連載は雑誌「星星峡」からの移行コンテンツです。幻冬舎plusでは2011/04/01から2014/04/17までの掲載となっております。

バックナンバー

中条省平

1954年神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授。東大大学院博士課程修了。パリ大学文学博士。著書『中条省平は二度死ぬ!』『文章読本』など。翻訳書最新刊はロブ=グリエ『消しゴム』。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP