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数字から考える幸せわが家

2023.03.16 更新 ツイート

40代女性が持つ服はこの10年で3割減。衣替えを超えた“収納リセット”の提案 河﨑由美子

みなさん、こんにちは。積水ハウス住生活研究所担当の河﨑由美子です。

3月は、卒業や卒園、異動や引っ越しなど変化の多い季節です。出会いや別れ、新しい環境や暮らしのリズムが変わる人も多いのではないでしょうか。気持ちを落ち着けて深呼吸をしながら、ひとつひとつを味わっていきたいですね。

そして3月は季節の変わり目でもあります。私も外出時には、ウールコートより、軽いトレンチコートの出番が増えてきました。

 

みなさんは、もう衣替えをすませましたか。衣替えは暮らしを整えるきっかけにもなります。ずっと着ていない洋服や、持っていることすら忘れていたものなど、貴重な収納スペースを占拠しているものを手放すにはぴったりの機会。ものが減って部屋がスッキリすれば、気持ちにも余裕が生まれ、4月からの新生活を気持ちよく迎えられそうですよね。

今回は、「洋服と収納」をピックアップします。変化する洋服の量や収納にまつわるデータを見ていきましょう。

減少する洋服の保有量。たくさん持ちすぎない暮らしが増加中

次のグラフは30代から60代までの洋服の保有量について、2008年と2019年を比較したデータです。全体的に保有量は減っていますが、中でも30代女性は34.5枚減少(▲27.4%)、40代女性は41.3枚減少(▲30.4%)と目立ちます。

2010年代の断捨離ブームやミニマリストの考え方が後押しし、ものを持ちすぎない暮らしを選ぶ人が増えたほか、SDGsの観点で消費に対する意識が変化したこともあるでしょう。ものの選び方についての価値観は「たくさん持つことが豊か」以外にも多様化してきているのかもしれませんね。

服の収納方法は「吊る洋服」がメインに。「たたむ洋服」は半減

次のデータは収納方法別で見た服の所有量です。全世代共通して「たたむ洋服」が大幅に減っている一方で「吊る洋服」が増えています。

実は、「吊る洋服」には様々なメリットがあります。例えば、家事効率。洗濯して乾いた後に、たたむ手間をかけずに収納できると家事の負担が減るでしょう。また、クローゼットに吊るして収納することで、持っている服の量を一目で把握でき、管理がしやすくなります。そうすると要否も判断しやすく、「あの洋服、どこに仕舞ったかな?」と探すストレスの減少にもつながります。

春夏の衣替えで “収納リセット”しよう。コツは「量・場・形」の3つ

これから衣替えをする人は、この機会に“収納リセット”をしてみませんか。衣替えは季節に合わせた洋服の入れ替えがメインですが、“収納リセット”は持っている洋服と収納スペースをアップデートして暮らしを整える方法です。

まずは、「量」を見直しましょう。数年着ていないもの、好みが変わってしまったものは手放し、本当に必要な洋服を見極めます。この時に「自分がどれだけの洋服を持っているか」を把握し、必要な収納スペースがどのくらいかを考えましょう。

次に、収納の「場」です。使う頻度ごとに分け、よく使うものは見つけやすく出し入れしやすい場所、あまり使わないものは奥や手の届きづらい位置など、適した収納場所を見つけていきましょう。スペースに余白を残しておくと「少し使いにくいから、こう変えてみようかな」とものを動かしやすくなりますし、新しいアイデアを試すことができます。

最後に、収納の「形」。「吊るす洋服」や「たたむ洋服」、ボックスにしまうものなど、洋服の種類や使う頻度に合わせて収納スタイルを決めていきましょう。なるべく「吊るす洋服」を増やしておくと、家事効率アップや今後の管理のしやすさにつながりますよ。吊るす収納をサポートする省スペースなハンガーや後付けのポールなども手に入りやすいのでおすすめです。

私は服を色ごとに分けて収納しています。色ごとに収納すれば、持っている服を把握しやすくなり、その日の気分に合った色を選ぶことができますよ。ぜひみなさんも「収納リセット」で、自分が使いやすく、気分が上がるような収納を整えてみませんか。4月からの新しい生活に向けて、ゆっくりと準備する時間をとってみてくださいね。

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数字から考える幸せわが家

幸せのかたちは、家族やライフスタイルの多様な変化に合わせて変わっていくもの。ほんの少しの知恵や工夫で、わが家がもっと好きになる。積水ハウスの住生活研究所から“住めば住むほど幸せ住まい”研究に基づく、暮らしのヒントやエッセンスをご紹介していきます。研究データや意識調査、リアルな実例をもとに「ちょっとやってみようかな」と思ってもらえるコラムを更新しています。

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河﨑由美子 積水ハウス株式会社 執行役員 住生活研究所担当

海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、住めば住むほど幸せすまい、子どもための住まい環境、ペット、収納、食空間、家事のユニバーサルデザインなど、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。一級建築士。

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