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会社、仕事、人間関係で「逃げ出したい!」と思ったとき読む本

2022.06.03 更新 ツイート

やる気スイッチは「無理矢理オン」か「思い切ってオフ」。実は休息がやる気の妙薬 西多昌規

イヤな上司にゆとり社員、不条理なノルマに過剰コンプライアンス、残業ばかり増えて給料はちっとも上がらない……。私たちの働く環境は、どんどんシビアになっているようです。そんな中で日々、ストレスや疲れと闘っているあなたに手にとってほしいのが、精神科医・西多昌規先生の『会社、仕事、人間関係で「逃げ出したい!」と思ったとき読む本』。医師だからこそ語れる、科学的な見地にもとづいた処方箋の数々。今回はその中から、一部をご紹介します。

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中途半端が一番よくない!

「あーあ、資料作りたくないなぁ」

「(資格勉強)やりたいけど、まあ明日でもいいや……」

このままでは、ダラダラしたまま時間が過ぎ去っていくのが目に見えています。仕事ならば、どこかの時点で切羽詰まるかもしれませんが、資格勉強ならば「じゃあ次の試験で……」など、永遠の先延ばしの危険性だってありえます。

下がった「やる気」を、一時的にとりあえず上げる方法はないものでしょうか。起動にいちばん時間がかかるのは、誰しも経験するところだと思います。

(写真:iStock.com/eggeeggjiew)

冒頭の例のように「やる気」が落ちている……しかし、まったく「やる気」ゼロであるわけではありません。やりたくない、サボりたいという気持ちはあったとしても、内心どこかで「やらないと、マズい」という意識があるはずです。

「給料もらっているから仕方なくやる」「やらないと怒られる」という外発的な動機よりは、「やらないと、自分のためにならない」という内発的な動機のほうが、「やる気」のためには望ましいことは説明しました。

 

しかし、そのような小難しいことを考えている余裕がない場合もあるでしょう。「やる気」を「とりあえず」上げるには、考え方をよりシンプルにしなければなりません。

簡単に言うと、「やる・やらない」の中途半端な気持ちを、どちらかに寄せてしまうことです。「やる」ならば、無理矢理にでも行動することです。デスクに向かう、パソコンを起動する、メモを取り出すなど、何か作業に結びつく些細な動作を起こすことです。

スタートキーが押せれば、「やる気」は自然発生的に生じてきます。「無理矢理にでも行動」できなければ、何らかの罰を科すことも考えましょう。晩酌のビールをその日はやめるなど、自分の好きなものを一つでいいので断つ、などです。

アスリートのように「自分への敗北」というフレーズを思い浮かべるのは、プライドの高い人にとっては効果的です。

思い切って「オフ」にするのもアリ

「無理矢理動けないから困っているんだ」「動けるくらいなら苦労していない」など、後ろ向きに考えてしまう場合もあるでしょう。そういうときは、完全に「やらない」モードにスカッと切り替えてしまうことです。仕事に対する「やる気」をいったん自分で捨ててしまい、「やらない」、つまり休息してしまうのです。

(写真:iStock.com/maruco)

やる気」の最大の妙薬は、実は休息です。人間は、何もせずに休んでいると、ある程度のところで「退屈」「ヒマ」という観念が生じてきます。優雅な無為の時間を楽しめるのは、よほどの貴族でなければできないことです。

「やる気」の「スイッチオン」が難しいことはわかりますが、「スイッチオフ」は実際にはどうでしょうか? これも、特にまじめな人にとっては、思っているほど簡単ではないと思います。しかし、気持ちがはっきりしないままグズグズと時間を過ごすのは、「やる気」の分散、無駄遣いと言えるでしょう。

 

「スイッチオフ」のコツは、場所・時間に変化・制限を加えることでしょう。物理的な変化・刺激を加えるとすれば、この2要因以外にはないからです。今いる場所を一定時間離れて歩いてみるというのも、一つの方法です。締切の心配さえなければ、寝てしまうのもありだと思います。

何か課題を抱えていて、「やる気」が下がっているとき、無理矢理「オン」にするか、逆に思い切って「オフ」にするか、どちらかに舵を切ってみるという決断を、「とりあえず」行うことです。

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会社、仕事、人間関係で「逃げ出したい!」と思ったとき読む本

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西多昌規 精神科医・医学博士

スタンフォード大学医学部睡眠・生体リズム研究所客員講師。1970年、石川県生まれ。東京医科歯科大学卒業。国立精神・神経医療研究センター病院、ハーバード大学医学部研究員、自治医科大学講師などを経て、現職。日本精神神経学会専門医、睡眠医療認定医など、資格多数。これまでに数多くの患者を臨床現場で診察するだけでなく、精神科産業医として、企業のメンタルヘルスの問題にも取り組んできた。現在はスタンフォード大学にて睡眠医学の研究を行っている。

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