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『北の国から』黒板五郎の言葉

2021.10.30 公開 ツイート

「それはお前が大人になった証拠だ」

「北の国から」放送40周年記念。今、噛みしめる黒板五郎の言葉。 幻冬舎編集部

生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。

北の国から 第15回

分校の凉子先生を誹謗中傷する怪文書がばら撒かれた。東京で教えていた頃、生徒を自殺に追い込んだというのだ。また純は女性が気になって仕方ない自分を病気ではないかと思い詰めていた。
五郎は決死の覚悟で「性教育」に挑もうとする。

五郎「純君」
純「うン?」
五郎「花に──オシベとメシベがあるでしょう」
純「ハイ」
五郎「人間でいうと──、父さんがオシベです」
純「ハイ」
五郎「それでメシベはだれですか?」
純「──母さん」
五郎「母さん。そう。そうですね。母さんがメシベ」
純「───」
蛍──父をキョトンと見ている。
五郎「アレはひっつくと実ができるンです」
純「ひっつくって?」
五郎「つまり──、ひっつくっていうとコノ、ことばがわるいが──コノ、両方の花粉がとんで」
純「───」
五郎「実ってのはつまり子ども。すなわちうちの場合君たちのことでして」
純「それがどうしたの?」
五郎「うン」

*   *   *

北の国から 第16回

正吉の祖父・杵次が、酒に酔って橋から川に転落死してしまった。長年苦労を共にした愛馬を売った翌日に見つかったのだ。葬儀から帰った夜、五郎は純が隠し持っていたヌード写真の載った雑誌をストーブの火で焼く。

純「はずかしくって父さんにもずっと、いわないでかくして来たンだけれど」
五郎「──―」
純「つまり──いけないいけないと思っても、──女の人が気になるわけで」
五郎「──―」
純「女の人の胸とか足とか──、お尻とかつまりそういうとこに──どうしても目がコノいってしまい」
五郎「──―」
純「気にすればするほど止まらないので──。これは明らかにどっか病気です」
五郎「純」
純「ハイ」
五郎「それは病気じゃないよ」
純「───」
五郎「大人になったらだれでもそうなる」
純「───」

五郎「それはお前が大人になった証拠だ」

純「イヤでもそれが」
五郎「何」
純「ぼくの場合、とってもはずかしいンだけど──(小声)その度にオチンチンがでかくなり」
五郎「だれだって大人はでかくなる」

関連書籍

倉本聰/碓井広義『『北の国から』黒板五郎の言葉』

金なんか望むな。倖せだけを見ろ。 そして謙虚に、つつましく生きろ。 我々が生きるべき“座標軸"を示した奇跡のドラマ『北の国から』放送40周年記念。 田中邦衛氏演じる黒板五郎が過ごした20年の日々を、名場面と名セリフで追体験する1冊。 「夜になったら眠るンです」 「人には上下の格なンてない。職業にも格なンてない」 「人を許せないなンて傲慢だよな」 「男が弱音をな――はくもンじゃないがな」 「疲れたらいつでも帰ってこい 息がつまったらいつでも帰ってこい」 「男にはだれだって、何といわれたって、戦わなきゃならん時がある」 「お前の汚れは石鹸で落ちる。けど石鹸で落ちない汚れってもンもある」 黒板五郎は決して饒舌ではない。むしろ無口な男だ。しかし、五郎が発する言葉だけでなく、度々の沈黙の奥にも、語り尽くせない喜び、悲しみ、悔しさ、そして愛情が溢れている。そこに込められた、家族と周囲の人たちに対する熱い気持ちは普遍的なものであり、古びることはない。(「おわりに」より) 1981年10月にスタートして82年3月末に全24話で放送を終えた『北の国から』と、83年〜2002年に放送された8本のスペシャル全話からピックアップした、現代人に響く黒板五郎の名セリフ。

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