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『北の国から』黒板五郎の言葉

2021.10.23 更新 ツイート

「北の国から」放送40周年記念。今、噛みしめる黒板五郎の言葉。

「金ったってようオレ──。もともとないスから」 幻冬舎編集部

生きるべき“座標軸”を示した奇跡のドラマ「北の国から」放送40周年記念。黒板五郎が過ごした20年の日々を、追体験する1冊となる、『『北の国から』黒板五郎の言葉』より、あの、名言の数々をご紹介します。

北の国から 第11回

五郎は、純と雪子を救ってくれた杵次にお礼を言うために、笠松家を訪れる。

五郎「とってください。笑わないで」
酒とのし袋を杵次のほうへ押す。
杵次、じろっとのし袋を見る。
杵次「酒ァわかるが。──そっちのは何だ」
五郎「イヤもうほんの──とっつあんの馬に──えらい世話ンなったから」
五郎「かいば料です」

杵次「金か」

五郎「金ったってようオレ──。もともとないスから」

杵次「いくらはいってる」
五郎「ハイ。アノ──一万です」
杵次「一万?」
五郎「──(うなずく)」
杵次「ずい分安いンだな、お前の家族は」 
杵次「二人の命が合わせて一万か」
五郎「イヤアノかえって」
杵次「金はいらねえ。持って帰れ!」
五郎「ハ。イヤ」

*   *   *

北の国から 第12回

3学期が始まった。教室では純と蛍が野生のキツネに餌を与えることの是非をめぐって正吉と言い争いになる。
ふん然と帰ってくる純と蛍。

純「おかしいよ! あの先生おかしいよ!」
五郎「(炉で大鍋をかけつつ)何がおかしいんだい」
蛍「キツネにえづけしちゃいけないって」
五郎「どうして」
純「要するにあれはひいきですよ。正吉の家からお歳暮に何かもらったンですよ」
蛍「(鍋の中を見て)何これ」
五郎「(笑う)牛乳」
蛍「牛乳?」
純「だって赤いじゃん!」
五郎「ああ、食紅をまぜられたンだ」
純「どうして!」
五郎「市場に出して売れないようにさ」
蛍「なあぜ?」
五郎「うンそれは──ちょっと説明がむずかしいな」
蛍「どうするのこれ」
五郎「バターをつくるンだよ」
二人「バター」

五郎「そうだよ。赤いバターだ」

純「変だよ! バターは黄色くなくちゃ」
五郎「そんなことないよ。赤くたってバターさ」

関連書籍

倉本聰/碓井広義『『北の国から』黒板五郎の言葉』

金なんか望むな。倖せだけを見ろ。 そして謙虚に、つつましく生きろ。 我々が生きるべき“座標軸"を示した奇跡のドラマ『北の国から』放送40周年記念。 田中邦衛氏演じる黒板五郎が過ごした20年の日々を、名場面と名セリフで追体験する1冊。 「夜になったら眠るンです」 「人には上下の格なンてない。職業にも格なンてない」 「人を許せないなンて傲慢だよな」 「男が弱音をな――はくもンじゃないがな」 「疲れたらいつでも帰ってこい 息がつまったらいつでも帰ってこい」 「男にはだれだって、何といわれたって、戦わなきゃならん時がある」 「お前の汚れは石鹸で落ちる。けど石鹸で落ちない汚れってもンもある」 黒板五郎は決して饒舌ではない。むしろ無口な男だ。しかし、五郎が発する言葉だけでなく、度々の沈黙の奥にも、語り尽くせない喜び、悲しみ、悔しさ、そして愛情が溢れている。そこに込められた、家族と周囲の人たちに対する熱い気持ちは普遍的なものであり、古びることはない。(「おわりに」より) 1981年10月にスタートして82年3月末に全24話で放送を終えた『北の国から』と、83年〜2002年に放送された8本のスペシャル全話からピックアップした、現代人に響く黒板五郎の名セリフ。

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