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人とモノを自由に選べるようになる本

2021.10.25 公開 ツイート

無理に夢を語っていませんか?ポジティブすぎる人への違和感 吉原珠央

「また会いたい」と思われる人の38のルール』をはじめ、ベストセラーを多数発表してきたイメージコンサルタントの吉原珠央さん。『人とモノを自由に選べるようになる本』は、そんな吉原さんが「人とモノを自由に選べる人生」という目標を達成すべく、コツコツと実践してきた32のルールを初めて公開した一冊です。一日ひとつ、ルールを実践していけば、わずか一か月で「納得できる人生」へと変わる。そんな本書から、一部を抜粋してご紹介します。

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ポジティブすぎる人への違和感

私は過去に、将来の自分が具体的にイメージできず、悩んだ経験があることは前述したとおりです。「やりたいことが見つからず、情けない……」「いったいこの先、私はどうなるのだろう」と思って落ち込む日々の連続でした。

さらに「せめてモチベーションを上げなければ」「ハイテンションでいよう」と自分に言い聞かせながらも、いつも違和感を覚えていました。落ち込んだときに読んだ本に「モチベーションを上げよう」「常にポジティブでいましょう」などと書かれていても、どうしても自分にはしっくりとこなかったのです。

(写真:iStock.com/maruco)

そういったしっくりこなかった方法とは別のやり方で、「人とモノを自由に選ぶ」という目標を設定し、達成するにいたった経験などをもとにコンサルティングを行っていますが、いま現在、「選べる人になろう」などと提唱していると、私自身が常にとてもポジティブで、モチベーションが高いタイプの人に見えるかもしれません。

しかし私は、決してそういうタイプではありません。一つのことでウジウジと悩むこともありますし、普段のテンションもうんと高いほうではありません

 

実際、世の中には「いつでもポジティブであるべきだ」と、口癖のように言う人もいます。

そういう人がすぐ近くにいると、「すごい気迫だな」と感じてしまいます。

また、そういう人は、初対面の人にでも、自信たっぷりに自分の夢や理想を語ることが多く、さらに、「吉原さんの周りに○○な人がいたら、ぜひ紹介してください」と、自分が出会いたいと思っている人のことを積極的にアピールしたりします。

なかには、ノルマをこなすかのように、異業種交流会や、あらゆる勉強会などに出かけ、名刺交換をした人の数を誇りに思っている方もいらっしゃいます。

私はそういったスタイルには完全に圧倒されてしまうタイプで、「とても真似できないな」と思ってしまいますが、みなさんのなかにも、そのように感じる方は多いのではないでしょうか。

目標を実現するためには、たとえ自分の肌には合わなくても、そこまで徹底しないといけないのだろうかと、いつも疑問に感じていました。

相手からドン引きされる人の自己紹介とは

それではここで、一つ考えていただきたい簡単な質問をします。さまざまな人が集まるパーティーや勉強会など、初対面で出会った人があなたに挨拶をした後、すぐに次のようなアピールをするとします。

「私の夢は、すべての人が幸せになれるコミュニティを作ることです。1年で1000人を集めたいと思っています。ぜひ、どなたか紹介してください。それが私の夢ですし、ミッションだと思うからです。帰宅されましたら、私のサイトをご覧になってください」

さて、あなたはこの方に対してどのような印象を抱きますか?

(写真:iStock.com/AaronAmat)

「なんて情熱的ですばらしい人なんだろう」と思う人もいるかもしれません。

しかし私の場合、残念ながらこの方が目の前にいる私に話しているとは、まったく感じられず、なんて利己的な人なんだろうと思ってしまいます。

理由は、話し相手を会話に巻き込まずに、自分の夢を一方的に話しているにすぎないからです。このような状況で好き勝手に夢や目標を相手に語ることは、自分の欲求しか考えていないことが明らかで、他力本願でせつな印象を与えてしまいます。

 

先ほどの一方的な話からは、「この人のために一肌脱ぐぞ!」という気持ちになるような理由は見つかりません。それはきっと、本人以外には、何のメリットもないと感じるからです。

人は何かしら自分自身へのメリットを感じなければ、家族以外の人間関係において、無償で労力や時間を費やそうと思うことは極端に少ないものだと思います。また、家族であっても、「母親が喜んでくれるなら」「父親が安心してくれるなら」などと、心理的にプラスな感情を抱けるという動機があるからこそ、一肌脱ごうと思えるのではないでしょうか。

そもそも、自分のメリットだけを話して満足し、「応援してください」「あなたも賛同してください」と言うことで、聞き手の気分がよくなることはまずありません。

 

いままで夢を他人に語ってきた人は、相手との心理的な距離が離れていないかどうかを振り返ってみるといいかもしれません。

もちろん、あなたを無条件に支援したいと思ってくれる人もいらっしゃるでしょう。

しかし、夢や目標がない人がそれを聞いたら、どのような気分になるでしょうか?

あなたに対してねたみの気持ちを持つかもしれません。あるいは、夢や目標のない自分自身を責めてしまうこともありえます。

また、同じような夢や目標を持っている人が聞き手だとしたら、お互いを理解する前に、一方的に夢や目標を語るあなたに敵意を持ってしまう可能性もあります。

 

まずは、自分に対して「こうあるべきだ!」「こうでないといけない」などと力を入れすぎないことです。無理をしてまでポジティブでいることが、目標を達成できる方法ではないはずです。

物事がうまくいかないときでも、自分と真剣に向き合ったり、または他人に対してはポジティブな言動で接することができる力があれば、誰かに夢を語る派手なパフォーマンスがなくても、目標を達成することは十分可能なのです。

モチベーションを無理に上げようとしたり、不安なままでポジティブになろうとなんてしなくていいのです。

まずは、あなた自身が、肩の力を抜いて、自分らしくあろうとする気持ちを選んでみてください。

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人とモノを自由に選べるようになる本

「また会いたい」と思われる人の38のルール』をはじめ、ベストセラーを多数発表してきたイメージコンサルタントの吉原珠央さん。『人とモノを自由に選べるようになる本』は、そんな吉原さんが「人とモノを自由に選べる人生」という目標を達成すべく、コツコツと実践してきた32のルールを初めて公開した一冊です。一日ひとつ、ルールを実践していけば、わずか一か月で「納得できる人生」へと変わる。そんな本書から、一部を抜粋してご紹介します。

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吉原珠央

イメージコンサルタント。プレゼンテーション、コミュニケーションをメインにしたコンサルティングを行うほか、「体感して学ぶ」というオリジナルのメソッドで、企業向け研修や講演活動を全国で実施。また、「ストレスフリー」をコンセプトにした化粧品・ファッションアイテムなどを扱う「PURA Tokyo」を立ち上げ、会社を経営。著書に『「また会いたい」と思われる人の38のルール』『「もっと話したい!」と思われる人の44のルール』『人とモノを自由に選べるようになる本』『自分のことは話すな』『その言い方は「失礼」です!』『だから、あの人は嫌われる』など多数。

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