1. Home
  2. 生き方
  3. カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~
  4. 「幽遊白書」のソシャゲ新作が出たことを知...

カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~

2021.05.27 更新 ツイート

「幽遊白書」のソシャゲ新作が出たことを知っているか? カレー沢薫

鬼滅の刃のアニメ第二期の放送が発表され、それが若干燃えたらしい。

ちなみに出火は、放映権を勝ち取ったのが悪名高い局だったらしく、原作を大きく改変されてしまうのではないか、つまり「俺の愛する原作がほのぼのレイクされてしまう」という、原作ファンの反応からだったようだ。

当たり前だが、まだ放送前なため本当にほのぼのされてしまうかは不明である。
炎の蜃気楼に人が集まったことにより本物の火が出たという、超常現象みのある話だ。

 

 

しかし、燃えたと言っても、ロシアが寒い日とすごく寒い日しかないように、ツイッターには燃えている日とすごく燃えている日しかない。

むしろ犬の鼻がちょっと濡れているぐらいが健康なように、ツイッターも多少燃えているぐらいが平和なのである。
もしツイッター村に煙が上がってない日があったら、天災による大飢饉の前触れ、もしくは単純に「ツイッターは終わった」ということである。

また一言で「炎上」と言っても、火事に人が集まって大炎上になるケースと、人が集まったから火事が起きるケースがある。

「不倫」など最初から燃えているものに、野次馬があつまり、各々家から持ちよった、ガソリンやラー油、姑などを放り込んでさらに延焼が広がるケースも多いが、最初はむしろ「好意的な話題」だった場合もある。

楽しい祭でも、気が付いたら大判焼き屋のとなりでおっさん同士が殴り合っていたりするように、人が密集すればその分揉め事が起こりやすくなるのだ。

また、目の前で揃いの法被を着た人たちが「ソイヤ! ソイヤ!」と一糸乱れぬ動きをしていたら、その列に真っ赤なドレスで「ア・モーレ! ア・モーレ!」と手拍子しながら突っ込んで行きたくなるのが人のサガだ。

現実では考えるだけで実際やらないとは思うが、ツイッターとかだとそれが割と簡単にできてしまうのだ。

つまり好意的な話題でも、あまりにも大人数がその件に言及し大絶賛をしていると「そんなにいいか?」と逆張りをしにいく奴が必ず現れるのだ。
そうなると「いいに決まってんだろ!」と、突っかかる奴も現れ、いつの間にか殴り合いが起ってしまっているのである。

そこから不幸にも、祭全体が燃えてしまうケースもあるが「大判焼き屋の全焼は残念だったが、祭りは概ね大成功」という場合もある。

むしろ、小競り合いが起こるのは、それだけ人が集まったということなので、ある意味で「成功」と言えなくもない

よく「あのジャンルはいつも学級会をしている」ということがあるが、それはそのジャンルに民度の低い人間やサイヤ人が集まってしまったから、というわけではなく「人が多く集まったから」なのだ。

人口が多ければ、その中に混ざるサイヤ人の数も増えるし、人の数だけ「解釈」があるため「意見の違い」で揉めることも増えるのだ。

つまり火事が起こるということは、それだけ活気があるということなので、コンテンツとしては「大判焼き屋が犠牲になるぐらいがちょうどいい」と言えなくもない。

逆に「平和なジャンル」というのは、限界集落を「閑静」と言うように、燃える資源もなければ、火を点ける人もいないので燃えようがないだけ、という場合もある。

鬼滅の刃ぐらいでかいコンテンツの重大発表になれば、火のないところから煙が立って、気づいたら大判焼き屋が灰になるぐらいは仕方がないのかもしれない。

自ジャンルで火事が起こっているのを見たら、憂鬱な気分になると思うが、それが賑わいの中で起こったボヤ程度であれば「よっ景気がいいねえ!」と声をかけてから、家に入って戸締りをする、ぐらいの気持ちでもいいんじゃないだろうか。

何故そんな話をするか、というと、先日「幽遊白書」の新しいソシャゲがリリースされたのだ。

幽遊白書と言えば、鬼滅と同じくジャンプ発の人気漫画で、私と同年代であれば知らない人は少ないと思う。
私も御多分に漏れずハマっており、当時アニメ最終回は正座して見たし、学ランの裏に刺繍を入れる感覚で、連絡帳の裏表紙にキャラを模写してブイブイ言わせていた。

典型的懐古主義の中年からすれば、中学生ぐらいの時にハマっていたコンテンツがソシャゲ化すると聞けばやらないわけがない。
しかし、幽遊白書がソシャゲ化するのは初めてではなく、前作も喜び勇んでやったのだが、あまり面白いと感じられずすぐにやめてしまった。

それがまた新しくリリースされるということで、今度こそ面白いに違いないと思ったのだが、画面をみた瞬間、オタクとしての瞬発力より「これは危険なやつだ」という、生物としての生存本能の方が勝ってしまい「ちょっと様子を見よう」となってしまった。

評価を見てから、やるかどうか決めようと思ったのだが正直「評価」というものすら流れてこないのだ。
決して「幽遊白書」というコンテンツにもはや集客する力がないというわけではないはずなのだ、幽白と聞けば、私と同じようなキャラ下敷き、もしくは下敷きにキャラの模写を挟んでいた猛者たちが集まるはずである。

しかし、どうやらそんな猛者たちも「生存本能」の方に軍配が上がってしまったらしい。

いつもはツイッターに一日68時間張り付いているが、それを72時間に増やしても、全く感想が流れてこないので、恐る恐る、アプリストアのレビューを見に行ったところ、星3と、そこまで悪くないことに胸をなでおろしたのもつかの間、レビュー数自体が330件ぐらいしかないことに気づいてしまった。
ちなみにウマ娘には3万件のレビューがついている、しかしこれはウマと比べようとした俺が悪い。

連日火の手が上がっているジャンルの人からすれば「火事が羨ましい」なんてとんでもない話かもしれないが、自ジャンルが「煙が上がってると思ったらババアのせんねん灸だった」みたいな過疎地になると、燃えるだけいいじゃねえか、という気分になってくるのだ。

関連書籍

カレー沢薫『人生で大事なことはみんなガチャから学んだ』

引きこもり漫画家の唯一の楽しみはソシャゲのガチャ。推しキャラ「へし切長谷部」「土方歳三」を出そうと今日も金をひねり出すが、当然足りないのでババア殿にもらった10万円を突っ込むかどうか悩む日々。と、ただのオタク話かと思いきや、廃課金ライフを通して夫婦や人生の妙も見えてきた。くだらないけど意外と深い抱腹絶倒コラム。

{ この記事をシェアする }

コメント

Gリング  鬼滅の2期アニメを憂慮する声を >「俺の愛する原作がほのぼのレイクされてしまう」 と評するセンス。00年代前記の日記サイトの文法であり、自分も使ってた芸風なのでカレー沢薫大好き。 サービス停止したOCNは許さねえ。 ■カレー沢薫の… https://t.co/zvYBqcTof9 1日前 replyretweetfavorite

アジシオコイクチ(手洗いとマスク)  「幽遊白書」のソシャゲ新作が出たことを知っているか?|カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~|カレー沢薫 - 幻冬舎plus https://t.co/Zl82WJscY2 火事(話題になること)が羨ましいって気持ちは分からなくもない 2日前 replyretweetfavorite

怪しい隣人  「幽遊白書」のソシャゲ新作が出たことを知っているか?|カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~|カレー沢薫 - 幻冬舎plus https://t.co/nhLMkSGMTG 幽遊白書100%本気(マジ)バトルがあって幽遊白書 GE… https://t.co/HBp72c2rDr 4日前 replyretweetfavorite

えっ、素材他にもまだたくさんあつめないといけないの  わかる、Twitter村で煙があがってるの見えたら達磨一家の法被着ちゃうもんな。 「幽遊白書」のソシャゲ新作が出たことを知っているか?|カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~|カレー沢薫 - 幻冬舎plus https://t.co/3XNZDFsQK8 4日前 replyretweetfavorite

カレー沢薫の廃人日記 ~オタク沼地獄~

バックナンバー

カレー沢薫

漫画家。エッセイスト。「コミック・モーニング」連載のネコ漫画『クレムリン』(全7巻・モーニングKC)でデビュー。 エッセイ作品に『負ける技術』『もっと負ける技術』『負ける言葉365』(ともに講談社文庫)、『ブスの本懐』(太田出版)がある。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP