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前進する日もしない日も

2021.05.24 更新 ツイート

たくさんのマリリン・モンロー 益田ミリ

マリリン・モンローが通じないらしい。

スマホの英訳機能アプリに「マリリン・モンロー」と吹き込んでも、発音がよろしくないとまったく違う英訳になってしまうのだそうだ。

 

ママリン・モンローは人名である。人の名前くらいは大丈夫なんじゃないかな?

なるべく英語っぽく言ってみた。

「マリリン・モンロー」

英訳が画面に出る。

「以下を読んでください」

はい?

人の名前を言ったつもりが、まったく通じていなかった。もう一度試す。

「ママリン・モンロー」。

しかし、また伝わらない。わたしのママリン・モンローは「at 8 a.m.tomorrow.(明日の午前8時)」と訳されていた。あなたの好きな俳優は? と聞かれて明日の時間を答える人がいたらちょっと怖いのではないか。

気を取り直しまたまた

「マリリン・モンロー」

画面を見ると「body tomorrow.」。

明日の体。

いったいなんのことなのか。

こうなったら、わたしのマリリン・モンローが正確に英訳されるまでやるしかない。

「マリリン・モンロー」

「they already Monroe(彼らはすでにモンローです)」

「マリリン・モンロー」

「Monterey Matlo(モントレーマーロ)

「マリリン・モンロー」

「body demon law(体の悪魔の法則)」

「マリリン・モンロー」

「Maria tomorrow(明日のマリア)」

「マリリン・モンロー」

「Molly rain  tomorrow(明日はモリー雨)」

「マリリン・モンロー」

「RTDモンロー」

いろんな言い方で試してもマリリン・モンローは出てこない。

それにしてもスマホの翻訳アプリは堂々としたものだ。どんなマリリン・モンローでも淡々と訳してくれる。内心、「RTDモンローってなんなん?」と思っている可能性はあるが、それでも笑いもせず、こちらでよろしいですかね? という感じ。

狭い住宅街に住んでいる。「マリリン・モンロー」と唱えつづけている声がご近所に漏れているかもしれない。もうやめよう。

ふと思い立ち、カタカナ英語的に「まりりんもんろう」と吹き込んでみたら、

「マリリン・モンロー」

しっかり訳してくれた。

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前進する日もしない日も

仕事の打ち合わせ中、まったく違うことを考えてしまう。ひとり旅に出ても、相変わらず誰とも触れ合わない。無地の傘が欲しいのに、チェックの傘を買ってくる。〈やれやれ〉な大人に仕上がってきたけれど、人生について考えない日はない。そんな日々のアレコレ。

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益田ミリ イラストレーター

1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書に、漫画『すーちゃん』『僕の姉ちゃん』『沢村さん家のこんな毎日』『週末、森で』『きみの隣りで』『今日の人生』『泣き虫チエ子さん』『こはる日記』『お茶の時間』『マリコ、うまくいくよ』などがある。また、エッセイに『女という生きもの』『美しいものを見に行くツアーひとり参加』『しあわせしりとり』『永遠のおでかけ』『かわいい見聞録』や、小説に『一度だけ』『五年前の忘れ物』など、ジャンルを超えて活躍する。

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