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いじめと探偵

2021.01.05 更新 ツイート

「いじめ」を超えた中学生の集団レイプ。首謀者は女子生徒だった 阿部泰尚

カツアゲ、暴力、万引きの強要、集団レイプ……子どもたちの間で過激化している「いじめ」。近年、その解決を私立探偵が請け負うケースがあるという。『いじめと探偵』は、これまで数々の「いじめ」問題を解決してきた著者が、実際に体験したエピソードを赤裸々に明かすノンフィクション。証拠の集め方、学校や相手の親との交渉法など、まさかのときに備えておきたい解決策も伝授してくれる。そんな本書から衝撃のエピソードをいくつか紹介しよう。

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すでに珍しい事件ではない

悪質ないじめの中でも、被害生徒が最も深刻な痛手を被るのが性犯罪事案だろう。具体的には、レイプ、集団レイプ、猥褻行為の強要、これらの事例は大人なら立派な刑法犯であり、いじめという言葉でくくれる余地がない。にもかかわらず、今日ではこういった性犯罪事案が中学・高校生の間で頻発していて、すでに珍しい事件とは言えない

私の事務所では、年に4、5件はこれら性犯罪事案の調査を受件する。都市部だけでなく地方でも受件することがある。レイプはわかりやすいが、中学・高校生が行う集団レイプとはどのようなものか。

(写真:iStock.com/kazuma seki)

典型的な事例はこうだ。女子生徒が、同じ学校に通う気の弱そうな女子生徒を集団レイプが行われる場所に呼び出す。その場所は友人宅であったり学校内であったりする。

呼び出された女子生徒が何も知らずにその場に行くと、同級生や上級生の男子生徒と女子生徒複数が待ち構えている。誘い出された女子生徒は予期しなかった集団レイプの被害者になる。レイプの間、手引きをした女子生徒は一部始終を現場で眺めている。また、このような事例では、まずすべてのケースで加害生徒がその行為をケータイの動画などで撮影している。

 

近年は、こういった性犯罪事案の低年齢化が著しい。レイプが発生する比率を学年別に見ると、中学3に対し高校7だ。しかし、すでにレイプ事案は小学生の間でも発生している。これまでに私の事務所では、小学生によるレイプ事案を複数扱った。しかも小学生といっても高学年ばかりではない。中学年でも、すでに男子児童が女子児童を学校内でレイプし、その様子をケータイで撮影した事例がある。

このような極めて悪質ないじめ、実際には性犯罪の被害に遭った生徒の心身のダメージは計り知れない。この手の事案に関する調査依頼をしてくるのは、その8割が娘の異変に気づいた親御さん、特にお母さんだ。ところが、調査を依頼する段階では、親御さんも自分の娘がレイプ被害に遭っているなどとは夢にも思っていない。

「娘が自殺未遂をしたのだが、何が起こったのか、わからない」「娘が失語症になった」など、娘さんの異常行動を目の当たりにし、半ばパニック状態で電話をしてくるケースが多い。もちろんこういったケースでは、親御さんが娘さん本人に何があったのか尋ねても答えようとはしない。

 

性犯罪事案に関する相談者の残りの2割は、被害に遭った生徒本人だ。親にも先生にも言えず、探偵に相談してくる。ただ、探偵事務所に電話してきて「私、レイプされました」と言う子はまずいない。だがこのような被害に遭った相談者が電話してくると、その話しぶりでだいたい見当がつく。だから私は、性犯罪事案が疑われる場合は、電話してきたのが生徒であっても、なるべく早い段階で直接本人に会って状況を確かめる。

突然、かかってきた一本の電話

「死に方がわからない」

一昨年の8月、事務所にこんな電話がかかってきた。声の主は首都圏の公立中学に通う中学2年生の女の子だ

彼女はインターネット上で公開している私の事務所のいじめ相談の番号を見て電話してきた。彼女は、後に我々の調査によりレイプ被害者だと判明する。この事例をもとに性犯罪事案と探偵の調査について説明したい。

(写真:iStock.com/Blackzheep)

電話口で「死に方がわからない」と言うこの女子中学生に対し、私は「死ぬのは、たいていは痛いよ。楽な死に方はないよ」と答えた。相手が本当に自殺する可能性がある場合は、その子を死のイメージから遠ざけるのが先決だ。だから、私は、そう言った。その上で「なんで、そんなに死にたいの?」と尋ねた。すると相手は「いろいろあって……」と言って口ごもる。

こういうやりとりを数十分はしただろうか。相手は同じ話を繰り返すばかりだ。私は「今、きみはどこにいるの?」と尋ねてみた。すると相手は事務所のすぐ近くのファミレスにいるという。

「じゃあ、そこに行くから」と私。

電話での口調から、彼女が極めて危険で不安定な状態だと判断した私は、その日のうちに彼女に会うことにした。依頼者もいなければ調査依頼も受けていない状態だったが、相談は無料と謳っているからには、どう考えても深刻な事態に置かれているこの女子生徒を看過できない。

関連書籍

阿部泰尚『いじめと探偵』

使いっ走り、カツアゲ、万引きの強要、度重なる暴力、そしてクラスメイトによる集団レイプまで、いじめはさまざまだが、ほとんどの被害生徒は、いじめを必死に隠し周囲に相談しない。仮に子供が告白し、親が学校に相談しても、多くの学校は調査すらしない。そればかりか「証拠を持ってこい」と言う。そこで調査、尾行、録音・録画に秀でた探偵の出番となる。いじめ調査の第一人者が、実際に体験した具体的な事例を挙げて、証拠の集め方、学校や加害生徒の親との交渉法や解決法を伝授。いじめという社会の病巣に斬り込む。

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いじめと探偵

カツアゲ、暴力、万引きの強要、集団レイプ……子どもたちの間で過激化している「いじめ」。近年、その解決を私立探偵が請け負うケースがあるという。『いじめと探偵』は、これまで数々の「いじめ」問題を解決してきた著者が、実際に体験したエピソードを赤裸々に明かすノンフィクション。証拠の集め方、学校や相手の親との交渉法など、まさかのときに備えておきたい解決策も伝授してくれる。そんな本書から衝撃のエピソードをいくつか紹介しよう。

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阿部泰尚

1977年、東京都中央区生まれ。T.I.U.総合探偵社代表。日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。東海大学卒業。国内唯一の長期探偵専門教育を実施するT.I.U.探偵養成学校の主任講師・校長も務める。セクハラ・パワハラ被害者が被害の証拠を残すために行う当事者録音において日本随一の技術を誇り、NHK「クローズアップ現代」などで取り上げられる。2004年、探偵として初めて「いじめ調査」を受件し、以降、約250件のいじめ案件を手がけ収束解決に導く。

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