他人に誤解されることが多い。昔のことをいつまでも引きずってしまう。人の気持ちを気にしすぎて常に自分を責めてしまう……。
世界で5人に1人が生まれながらに備えているという、刺激に対して非常に反応しやすい気質、HSP(Highly Sensitive Person)。脳科学医でありながら長年この「敏感な気質」で苦しんできたという高田明和さんが執筆された『脳科学医が教える 他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』から、同じように悩む人たちへ、生きづらさとうまく付き合っていく方法をご紹介します。
空気を読みすぎてしまう「能力」
部屋の扉を開けたとたん、その場の嫌な空気が手に取るようにわかったり、なんとなく嫌だなと感じたりしたことはありませんか。きっと多くの人が経験しているのではないでしょうか。とりわけ怒りにまつわる不穏な空気や緊張のぴりぴりした空気は、超過敏でなくても感じやすいように思います。
私の場合、こうした嫌な空気が目に見える形で感じられるのです。普段は、酸素や窒素の粒子が規則正しく格子状に並んでいるのですが、嫌な感じのするときはその格子が乱れているように見えるのです。それは怒りや機嫌の悪さが表に出ていなくても同じです。誰かが別の誰かにとって不都合な隠しごとをしているようなときもわかります。そんなときも、空気の並びが乱れているので、私は非常に落ち着かず、息苦しい思いをするのです。
「空気を読む」といいますが、超過敏の人は空気を読む気がなくとも勝手にその場の空気を感じ取ってしまうような傾向があります。隠している負の感情や、ぎすぎすした人間関係にはできれば鈍感でいたいのですが、情報が勝手に入ってきてしまい、シャットアウトできないのです。
中には、空気が読めることで助かったこと、誰かの役に立ったこともあったのかもしれません。不穏な空気を感じてその場から逃げ出せたおかげでトラブルを避けられたかもしれませんし、その場の人間関係がわかるおかげで、人と人との間に立って調整役ができていたのかもしれません。当時はなんで空気が読めてしまうんだろうという気持ちのほうが大きかったので、それがもたらす利益には気づけませんでしたが、振り返るとそう感じます。
超過敏で生きづらさを感じながらも社会生活を送ってこられたのは、超過敏だからこその能力があったおかげなのかもしれません。
あなたの敏感度は──HSP自己診断テスト──
超過敏といっても個人差がありますから、すべての人が同じような反応を示すわけでもありませんし、感じ方も異なるものです。それだけに自分がHSPなのかどうか判断するのは簡単にはいきません。
まずはあなたがHSPかどうかをセルフチェックしてみましょう。
次の23の質問に当てはまると思ったら「はい」、全く当てはまらないか、あまり当てはまらないと思ったら「いいえ」と回答してください。
─自己診断テスト─
※ご覧いただいている環境によって、チェックできないまたは最後のチェック数カウントが0のままの場合があります。その場合はお手数ですがご自分でカウントをお願いします
以上の質問のうち、「はい」が12個以上のあなたはおそらくHSPでしょう。ただし、いかなる心理テストも完璧ということはありませんから、それより少なかった、あるいは、「はい」がひとつか2つしかなくても、その程度が強ければHSPであることは充分に考えられます。
また、HSPとまではいかなくても、人より少し敏感で、生きづらさを感じているという人もいるかもしれません。
書籍『脳科学医が教える 他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』第2章では、そんな超過敏、敏感さについて、より一般的な側面から解説しています。より深く、自分のこと、自分の敏感さについて理解していただければと思います。
脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法
他人に誤解されることが多い。昔のことをいつまでも引きずってしまう。人の気持ちを気にしすぎて常に自分を責めてしまう……。
世界で5人に1人が生まれながらに備えているという、刺激に対して非常に反応しやすい気質、 HSP(Highly Sensitive Person)。長年この「敏感な気質」で苦しんできたという高田明和さんが執筆した『脳科学医が教える他人に敏感すぎる人がラクに生きる方法』から、同じように悩む人たちへ、生きづらさとうまく付き合っていく方法をご紹介します。