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年齢は捨てなさい

2020.11.13 公開 ツイート

加藤茶のような年の差婚は刺激的。女性も相手はずっと若い方がいい 下重暁子

「今日という日が人生で一番若い」「年を重ねた今が一番自分らしい」とおっしゃるのは、元NHKアナウンサーで、現在は作家・エッセイストとして活躍されている下重暁子さん。年齢なんかに束ねられない、もっと自由に自分らしい、さらに個性的な生き方とは。

樹木希林さんや瀬戸内寂聴さんといった方々のエピソードとともに、年齢にとらわれない生き方のヒントが書かれている書籍『年齢は捨てなさい』から、抜粋してご紹介します。

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なぜ年の差婚では女がいつも年下なのか

最近の芸能界でも、年の差婚が頻繁に話題になります。

加藤茶さん、堺正章さんなど20~40歳違いの結婚など珍しくもありません。若い女性は渋くて魅力的でいきいきとしている男性に憧れを抱くのでしょう。

同年代や若い男性にはない落ち着きを持っているでしょうから、父親に対する憧れと似た感情を女性が抱くのかもしれません。

男性の方は、若い女性と暮らすことで青春を取りもどしたようになる。いいことです。年ではないのです。二人の感性が合えば、楽しい日々は訪れる。なにも同じ年頃の男女が結婚しなくてもいいと私は思います。

(写真はイメージです:iStock.com/AH86)

かつても大金持ちが、若い奥さんを持つケースはありましたが、多くは、お金で買うという感じの結婚でした。

菊池寛の新聞小説に『真珠夫人』という作品があります。

美しくてみんなから憧れられる上流階級の女性が、父の借金返済のため、恋人との仲を裂かれて金持ちの老人と結婚させられる。彼女は結婚式はあげるものの、決して身を任せようとしない。いつまで経っても。それが復讐なのです。

そして嵐の日、夫になった男はあえなく亡くなり、莫大な財産と共に残された彼女は、真珠夫人と呼ばれ、いつも多くの男達に囲まれています。

彼女に純粋な愛を捧げた青年は自動車事故で死に、そしてその弟もまた彼女に憧れ求婚するも断られて、だまされたと思い、ついに彼女を刺してしまいます。

彼女は最後に引き裂かれたかつての恋人の腕の中で、息を引き取ります。彼女の操(みさお)は恋人と過ごした日々のまま守られたのです。いささか古めかしい話ですが、功成り名遂げたお金のある男は、みな若い女性を妻にしたがったのです。

 

2018年から2019年にかけてフランスでは、政情が安定せず、若きマクロン大統領にとって大きな試練だったと思います。

そんな時の支えになったのが25歳年上の奥さんのアドヴァイスかもしれません。マクロン大統領の恩師だったという奥様は、様々なシーンでマクロンさんのよきアドヴァイザーのはずです。

女性の内面的な魅力に惹かれれば、外面的な美しさや若さなどは太刀打ち出来ません。

日本でもそうした例が増えてきてもいいと思うのですが、なぜか常に男性が年上で、ずっと年下の女性と結婚するケースばかりが目立つのは、とても残念なことです。

次なるパートナーは年下がいい

「女は若いうちが華」という考え方を持つことは、女性を商品扱いする、もっともひどいセクハラといえます。

年を取ってなんとなくうす汚くなるのは、女性より男性の方がひどいと思います。私はほとんど出席しませんが、同窓会で会ったクラスメイトなど、どうしてこんなに汚くなってしまったのかと、老け込んだ姿に悲しくなりました。

(写真:iStock.com/ajr_images)

かつてロマンスグレーという言葉がありましたが、それなりに年輪を重ねたおしゃれな男性は素敵です。

でも私は、今から女性がパートナーを持つなら、断然、若い男性がいいと思っています。理由は男達が若い女性と結婚するのと同じこと。若い男性といると、こちらがそのエネルギーで若返るからです。

 

私のつれあいは3つ下ですが、もっと年下に見えるようです。

昔、ある小料理屋へ行った時のことです。先客の五木寛之さんは、カウンターで編集者らしき人と一緒でした。

NHKでアナウンサーだった当時、五木さんがのぶひろしというライター名でスクリプトを書いていた頃からの知り合いなので、挨拶してつれあいを紹介しました。つれあいがトイレに立った時、五木さんがいいました。

「下重さん、どうしてあんな若い男と……」

よほど年下に見えたようです。残念ながら今でも私よりよほど年下に見られます。

 

一緒に暮らすようになった時は、3つ下なら私を看取ってくれるかもしれないとの思いもあったのですが、今になって考えてみると、もっとずっと年下でもよかったと思えます。

なぜなら、一般的にいって女の方が元気な人が多くて平均寿命が長く、90歳や100歳はザラ、私も今のまま元気ならかなり長生きしそうなことを考えると、女にとっての結婚相手はずっと若い方がよさそうです。

強いていえば、希望とする相手の男性は40~50代でしょうか。20~30代ではちょっと離れすぎる気もするし、次なるパートナーはそのあたりかと思案しているところです。

同年代でないと話が通じないという人がいますが、私はそうは思いません。年が近くてお互い「年取ったね」などとなぐさめ合う間柄より、多少刺激的な関係の方が面白い。世代が違っても同じ人間、感性が合えば問題ないと思います。

幸い私の場合、仕事でつきあうのは30~50代までの編集者が多いので、話をして飽きることがなく、エネルギーをもらえています。私の方には全く違和感がありません。あればあったで、それもよし。お互いの違いを認め合うことが出来ます。

関連書籍

下重暁子『年齢は捨てなさい』

年齢を気にせず好きなことに没頭している人は、みな若くてイキイキしている。一方で「もう年だから」が口癖の人は総じて老け込み、わびしい人生を送っている。ことほどさように年齢を意識しすぎることは何の得にもならず、生き方を狭めてしまうだけである。「年齢を聞くことは品のない行為」「『還暦祝い』が嬉しい人はいるのか」「今日という日が人生で一番若い」「外見の若さを求め続けると、いつか破綻する」「年齢を自分で決めると楽になる」等々、年齢を超越し、充実した人生を送るヒントが詰まった一冊。

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年齢は捨てなさい

「今日という日が人生で一番若い」「年を重ねた今が一番自分らしい」とおっしゃるのは、元NHKアナウンサーで、現在は作家・エッセイストとして活躍されている下重暁子さん。年齢なんかに束ねられない、もっと自由に自分らしい、さらに個性的な生き方とは。

樹木希林さんや瀬戸内寂聴さんといった方々のエピソードとともに、年齢にとらわれない生き方のヒントが書かれている書籍『年齢は捨てなさい』から、抜粋してご紹介します。

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下重暁子

早稲田大学教育学部国語国文学科卒業後、NHKに入局。女性トップアナウンサーとして活躍後、フリーとなる。民放キャスターを経て、文筆活動に入る。ジャンルはエッセイ、評論、ノンフィクション、小説と多岐にわたる。公益財団法人JKA(旧・日本自転車振興会)会長等を歴任。現在、日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会会長。『家族という病』『家族という病2』『極上の孤独』(すべて幻冬舎新書)など著書多数。

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