1. Home
  2. 生き方
  3. フィンランドで暮らしてみた
  4. フィンランドで産んでみた!(無痛分娩、激...

フィンランドで暮らしてみた

2020.01.31 更新 ツイート

フィンランドで産んでみた!(無痛分娩、激痛篇)芹澤桂

前回に続いて、怒涛の出産の話です。しばらくおつきあいくださいませ。

←「フィンランドで産んでみた」記事一覧はこちら

ゆるゆるフィンランドでも、出産は修羅場

ようやく入院許可がおりてからがまた長かった。入院準備はとっくにできていた、と思っていたのは私だけだったのだ。

病院との電話を終え夫にタクシーを呼ぶよう頼むと、何やらごそごそと準備していてなかなか呼んでくれない。もう人に構ってる余裕がないのでしばらくはソファでだらんと座り放っておいたけど、何分かが経過したので状況を聞くと、「タクシー呼んだらすぐに来てしまうからその前にカメラのバックアップを」と返ってきた。刺そうかと思った。

カメラのバックアップぐらい事前に取っておけ。写真? どうでもいい。データなんて全部消えてもいいし出産の瞬間も別に撮らなくてもいい。

確かにタクシー乗り場はうちから一本向こうの通りにあり、いつも何台かは待機しているので呼べばすぐ来る。それにしても。

どうにかようやくタクシーに電話してもらい、荷物を持っていざ出ようとする頃には、痛みがひどすぎてもうなかなか歩けなかった。このとき陣痛は3分間隔。エレベーターに乗り、夫に支えられ、死にそうな思いでマンションのエントランスを出ると、確かにタクシーが待っていてくれたが、痛みでついに吐いた。入院支度にゲロ袋が必要なんて誰も教えてくれなかった。かろうじて排水溝に照準を当て、胃の中のもの、私の最後の栄養源を戻した。

初老のタクシーの運転手はそれでも優しくて、念の為、と私にスーパーの袋を渡してくれ、車に乗せてくれた。ありがたし。

途中ちょっとした工事渋滞で思ったより到着に時間がかかって、その間夫と運転手が談笑しているのを恨めしく思ったから、もう相当頭が出産前の動物モードになっていたんだと思う。

万国共通、出産時に夫にできることはなし

ここから先は会員限定のコンテンツです

無料!
今すぐ会員登録して続きを読む
会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン

関連キーワード

{ この記事をシェアする }

フィンランドで暮らしてみた

気づけばフィンランド人と結婚して、ヘルシンキに暮らしてた! しかも子どもまで産んだ!

日本人の大好きな「かわいい北欧」。でも、その実態は?

暮らしてみて初めてわかった、フィンランドのちゃっかり賢く、ざっくり楽しい、意外な一面。

ゆるゆるまったり、マイペースにご紹介。

バックナンバー

芹澤桂 小説家

1983年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。2008年「ファディダディ・ストーカーズ」にて第2回パピルス新人賞特別賞を受賞しデビュー。ヘルシンキ在住。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP