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“人疲れ”が嫌いな脳

2020.02.10 公開 ツイート

慢性疲労に悩んだら「職場の近く」に住みなさい 梶本修身

満員電車に乗るだけでクタクタ、1人になるとどっと疲れが出て回復しない、週末はひたすら寝て終わってしまう……。その疲れ、もしかすると脳の「人疲れ」かもしれません! 脳と疲労の専門家、梶本修身先生の『“人疲れ”が嫌いな脳』は、しつこい疲れをリセットするヒントを集めた、忙しい現代人にぴったりの一冊。本書に収録された33の方法の中から、厳選していくつかご紹介します。

*   *   *

「自分だけの時間を持つ」ことの大切さ

人から適度な物理的距離をとることで、仕事の効率も上がるし、また「人疲れ」もかなり防げます。

(写真:iStock.com/Marcin Wiklik)

一人になれる自分の空間があればいいのですが、オフィスで仕事をしていると、なかなか見つからないかもしれません。

昼休みに、「節約したい」「時間がない」という理由で、デスクで昼食を食べている人も多いですが、これは人疲れの回復を遅らせてしまいます。

パーテーションで区切られた空間で仕事をしている人はまだしも、普通のオフィスで隣や背後に人がいる状態では、脳の疲労をリフレッシュできません

お弁当を持ってくる人も多いと思いますが、天気がよければ、屋上とか公園とか、どこか自分だけの場所で食べたほうが脳の疲労回復には効果的です。

「誰かと一緒にいないと、自分が浮いているように思われるんじゃないか」と、一人になるのに抵抗のある人がいるかもしれません。

しかし、休憩時間は本来リフレッシュのためにあるのですから、1時間の休憩なら45分は人と一緒でも、15分は一人になる時間を持つようにしたいものです。

友達と一緒にご飯を食べる人は、人づきあいがよくて友達が多いと思われがちですが、自然な状態での人間はそうではないのだと知っておくことも必要です。

1人になれる時間を持つ

満員電車での通勤時も仕事中も、ずっと狭いスペースに人がいるところで過ごしていて疲れがなかなか取れないなら、一人になれる時間、空間を探しましょう

(写真:iStock.com/voyata)

トイレでも、ビルの非常階段でもいい。ベストなのは周りに人がいない空間ですが、それが難しい場合、喫茶店でも書店でも、心理的に自分一人になれて、できるだけゆったりしている場所なら大丈夫です。

席の間隔が近すぎて、隣の人と肩が接してしまうようなカフェでは、かえってストレスになるので効果がありません。

人疲れに陥っている患者さんには、「お金が許すなら、満員電車になんか乗らないで会社に近い街中に住みなさい」とすすめています。

幸い、街中にも安価で借りられるワンルームマンションが建っています。遠方の2DKを借りるなら、街中で狭くてもいいから、とにかく自分の場所を持ちなさいと言っています。

オフィスのすぐ近くのワンルームマンションに住んでいれば、昼休みにちょっと帰って一人きりになれます。

実際、そうやって慢性的な疲労感が消えたという方もいます

昼休みに徒歩5分ほどのワンルームに帰って、5分ほど寝転がった後、着替えてまた会社に戻るという女性もいます。「着替えるとまた気分が変わって楽」なのだそうですが、一人になれる空間を持つことは非常に重要なのです。

関連書籍

梶本修身『“人疲れ”が嫌いな脳 ラクしてうまくいく人間関係のつくりかた』

最新脳研究でわかった「疲れない人間関係」のつくりかた 脳を疲れさせているのは、残業よりも「人疲れ」だった! 疲労医学の専門家が、なぜ人は人に疲れるのか、 どうすればラクで疲れない人間関係をつくることができるのかを解説。 これを読めば、明日からあなたも疲れ知らず! 【もくじ】 はじめに 人間関係が得意でも「人疲れ」は起こる 第1章 脳を疲労させるのは、残業よりも「人疲れ」 ●そもそも「疲労」って、いったいどういうこと? ●「飽きてきた」は脳疲労の最初のサイン ●過労死する動物は人間だけ ●「脳の手抜き現象」を使って、60%の力で80%の成果を得る ほか 第2章 疲れないコミュニケーションの基本――面倒な段階は省いて、相手に心を開かせる ●人間は弱みを見せた相手を信用する ●ジャニーズは「弱さへの共感、共有化」がうまい ●西川史子さんが見せた「弱さ」 ●「正しいこと」ばかりを語る人に愛着は持てない ほか 第3章 「人疲れ」しない距離感づくり ●都会に住む人ほど、一人になる時間が大事 ●夫婦でもベッドは別がいい? ●悩みは箇条書きにして「解決できる」「できない」に分ける ●LINEでも相手と上手に距離をとる ほか 第4章 お笑いの天才に学ぶコミュニケーションの真髄 ●相手との距離をぐっと縮める「0.5秒先」の共感 ●なぜ、悪徳商法はなくならないのか? ●場の全員を楽しませる必要はない ●60%の力で80%の仕事ができる「ワーキングメモリ」とは? ほか 第5章 60%の力で80%の成果を得るワーキングメモリ活用法 ●ワーキングメモリを鍛えて「人疲れ」予防 ●喜怒哀楽や感動を強く表すことで記憶が定着する ●トップダウン処理は疲れない ●ワーキングメモリを鍛えるための習慣 ほか

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“人疲れ”が嫌いな脳

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梶本修身

医学博士。大阪市立大学大学院疲労医学講座特任教授。東京疲労・睡眠クリニック院長。1962年生まれ。大阪大学大学院医学系研究科修了。2003年より産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。ニンテンドーDS『アタマスキャン』をプログラムして「脳年齢」ブームを起こす。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)などがある。「ホンマでっか!?TV」「世界一受けたい授業」「ためしてガッテン」など、テレビでも活躍中。

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