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絶対に失敗しない料理のコツ おいしさの科学

2020.02.14 更新 ツイート

だしに使う昆布は煮立てたほうがいい…意外と知らないだしのとり方松本仲子

だしのとり方、米の炊き方、肉の焼き方、野菜の茹で方……知っているようで知らない、料理の基本。女子栄養大学名誉教授、松本仲子先生の『絶対に失敗しない料理のコツ おいしさの科学』は、そんな料理の基本をイチから教えてくれる、心強い一冊です。いつもの料理がもっと簡単に、間違いなくおいしくなること間違いなしの本書から、調理のコツ&すぐに実践できるレシピをご紹介します。

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和食の基本は、かつお昆布だし

だしには、かつお節、昆布、煮干しなど、単独の材料からとるものもありますが、和食のだし汁というと、かつお節と昆布を合わせた「かつお昆布だし」が一般的です。かつお節のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさってうま味が増し、それぞれを単独で使うよりうま味の強いだしに仕上がります。

(写真:iStock.com/kazoka30)

だしは料理の基本であり、うま味が繊細であるほどおいしいと思っている方も多いでしょう。でも、それは汁そのものを味わう、日本料理店などのお吸い物の話です。家庭でいただくお惣菜の汁物は、日本料理店のお吸い物に比べて具の量が多く、野菜や豆製品からも、うま味や甘み、酸味といった複雑な味の成分が溶け出しています。そのため、最上級のだしを使わなくても、家庭料理ならではの味わい豊かな汁物を作ることができるのです。

かつお節は弱火でひと煮立ちさせる

かつお節は、水から煮出すと生臭くなります。沸騰した湯に入れたら弱火にし、30秒~1分ほど静かに煮立ててください。長く煮出すと、うま味が増すどころか雑味が出てしまいます。

火を止めたあと、かつお節が落ち着いたらすぐにこしましょう。かつお節がすべて沈むまで待っていると、だしの中に溶け出したうま味成分が、だしがらに吸収されてしまいます。こすときは、かつお節を絞ったり押さえたりするとだしが濁り、かつおのクセが出てしまうので、だし汁が自然に落ちる状態でこすのがポイントです。

新常識 だしに使う昆布は煮立てたほうがいい

昔から、だしをとるときに昆布を煮出すと、昆布臭くなるといわれてきました。これは、日本料理店では最高級の昆布を家庭料理の2倍ほど使うため、煮出すとうま味が濃くなりすぎて、くどく感じられる状態を指すもの。つまり、「昆布臭い」とは臭いの悪さではなく、うま味が強すぎる状態を表していると考えられます。

昆布を煮出す時間と温度による味の違いを比べた実験では、沸騰した湯に昆布を入れて1~5分煮立てた場合でも、うま味があって香りも悪くないと評価されています。家庭で使う昆布はよほど大量に使ったり、極端に長い時間煮出したりしなければ、むしろひと煮立ちさせたほうが、うま味が多く溶け出し、昆布臭くもならないのです。

また、昆布は水に浸してやわらかくしてから煮出すと、うま味がより溶け出しやすくなります。そのため、10分程度水に浸してから加熱し、5~6分かけて沸騰させるといいでしょう。ひと煮立ちさせることで、昆布のうま味成分であるグルタミン酸を充分に引き出すことができます。

 

 

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関連書籍

松本仲子『絶対に失敗しない料理のコツ おいしさの科学』

女子栄養大学で50年以上研究してきた調理学のプロが教える“レシピには書かれていない”技と知恵。 理屈がわかれば、その「ひと手間」が省ける! ◎「さしすせそ」の順番にこだわらなくてもいい ◎だしに使う昆布は煮立てるとうま味が増す ◎油揚げは油抜きしないほうがコクが出る ◎ほうれん草は切ってからゆでても味は変わらない ◎ポテトサラダは冷蔵庫で冷やすと不味くなる ◎里いもや大根は下ゆでしなくてもいい ◎卵焼きは空気が入らないように卵液を溶く ◎ドレッシングより、調味料を順にふりかけたほうがおいしい ◎肉や魚を使った料理にだしはいらない ◎魚は塩をふったあと、すぐに焼いてもいい ◎いもや野菜は冷めるときに味がしみ込む ……等々 科学でいつもの料理がもっと簡単に、間違いなくおいしくなる! 調理別・食材別のコツがすぐに実践できる34のレシピ付き。

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松本仲子

1936年生まれ。女子栄養大学名誉教授。聖徳大学大学院兼任講師。栄養管理士。医学博士。専門分野は調理学、官能評価法、食文化論。「調理法の簡便化が食味に及ぼす影響」等の研究多数。著書に『65のレシピで身につく 家庭料理の底力』(朝日新聞出版)、『調理と食品の官能評価』(建帛社)、監修に『1日にとりたい食品と量がわかる きほんの献立練習帳』(朝日新聞出版)、『調理に必要なデータがわかる 下ごしらえと調理のコツ 便利帳』(成美堂出版)など。

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