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ゴルフは名言でうまくなる

2019.02.10 更新

第80回

「コースでモタモタする奴は、何をやってもドジを踏む」――ウィンストン・チャーチル岡上貞夫

ゴルフは人間の本性をさらけ出させる

イギリスの名宰相として名高いチャーチルは、でっぷりとした体格で葉巻を離さず、「スポーツは殺人だ」と言って激しい運動を嫌っていた。

しかし、ゴルフは嫌いではなかったようで、多くのエピソードも残っている。

「ゴルフは、自分の思いどおりにはいかない唯一のシャクの種。惚れているけど、好きではない」という名言も残しており、腕前はそれほどでもなかったようだが、どっぷりとハマっていたのも確かなようだ。

表題の言葉と似たような意味合いの名言は、他にもある。

「ゴルフは明快に人物の素顔を教えてくれる。肩書きに惑わされてはならない」(サー・ウォルター・シンプソン)

「その人物が偽者か本物か、18ホールですべてがわかる」(スコットランドの古諺)

このように、一緒にゴルフをすると同伴プレーヤーの本性が垣間見えてしまうということを、多くのゴルファーは感じたことがあるのではないだろうか?

では、ゴルフコースでどういうことをすると、どのような人間だと思われてしまうのか?

それをある程度理解し、気をつけることで、「もうアイツとは二度とゴルフに行かない」などという最悪の事態ぐらいは避けられるだろう。

また、社会人として、「仕事ができるかどうか」「信用に足る人物かどうか」など、ビジネスパーソンの生命にかかわるような判断をされることもある。ゴルフは意外に恐ろしいゲームなのだ。

チャーチルの言葉を借りれば、“コースでモタモタする奴は、仕事もできないドジ”ということになる。もう少し詳しく考えてみよう。

 

感情の出しすぎ、語りすぎ、教えすぎ……よくあるNG行動

まず、コースではナイスショットもミスショットもあり、ワンショットごとに喜怒哀楽が激しく変化するものだ。

このとき、心の状態があまりにも不安定で、表情や態度に感情が出すぎる人は、「仕事ができない人かも」と思われてしまいやすい。

ビジネスでは成功もあれば失敗もある。そのたびに「評価された、されなかった」と一喜一憂しているビジネスパーソンは、上司や顧客などから信頼されにくいのだ。

コースでの心の動揺は仕方ないものだが、気持ちの切り替えがうまく、落ちついた心の状態を継続できるプレーヤーは、ビジネスでも粘り強く成果を上げられる人間だと思われるだろう。

また、スウィング論などの技術談議に終始する人も、「視野が狭い人」と思われやすい。

ミスショットの原因を技術論だけで語るような人は、「目の前のことしか見えていない」「自分のことばかりで周囲が見えていない」と感じさせるからだ。

自分の仕事にだけは関心があるが、その仕事が会社の収益に対してどういう成果を上げているか、社会への貢献度はどうなのかなど、広い視野で全体を見る力がない人は、単純作業的な仕事しか任されないものだ。

コースでも、同伴プレーヤーの状況や、季節の花、高台からの景色など、周囲を見る余裕がある人は「自分を客観的に見ることができる」という印象を受けるだろう。

自分のクラブや道具を大事にしている人は、上達も早いものだ。

カビが生えたり、サビで汚れたりしたままのクラブで平気でプレーしているようでは、だらしない人間と思われてしまう。

また、ミスしたときに腹を立ててクラブを手荒く叩きつけたりするような人は、感情の制御ができない「キレやすいタイプ」とも感じさせてしまうだろう。

そういう人は、デスクが散らかっていたり、貸与されたパソコンや事務用品をぞんざいに使ったりするものだ。

道具を大事に扱っているかどうかは、意外と他人によく見られている。プロゴルファーが道具を大事にするように、ビジネスツールを大事に扱う人も、プロフェッショナルな仕事ができそうな人とみられるだろう。

「今のはタイミングが速かったね」「ヘッドアップだったよ」「グリップが悪いんじゃないか」などなど、他人の欠点ばかり見つけ出しては「教え魔」に豹変するような人もいただけない。

こういう人は、他人の欠点に目が行きがちで、ダメ出しばっかり、文句しか言わない上司になりがちだ。

これでは、上手にコミュニケーションをとれずに孤立してしまうので、ビジネスを活性化することなどできないだろう。

 

昇格も結婚相手もゴルフで決まる?

「ナイスショット! いいインパクト音でしたね」「ナイスパット。いい距離感ですね」など、ただナイスと言うだけでなく、もう一言つけ加えてほめることができる人とは、同伴者も気持ちよくプレーできる。

こういう人はコミュニケーション能力が高く、ビジネスも発展させることができそうな人だと思われるであろう。

最近の若者は「ゆとり世代」と揶揄されたりして、表現力が低く、「何を考えているのかわからない」とよく言われる。

これは仕事の能力はちゃんとあるのに、表現力が低いためにやる気がないように見えてしまっているだけのことが多い。ゴルフコースに出ても、つまらなそうにプレーしているような態度に見えてしまうものだ。

ゴルフで喜怒哀楽の出しすぎはNGと書いたが、「下手でも一所懸命プレーしている」「うまくはないが、とにかく楽しんでいる」という風に見えると好感をもたれるだろう。

コースで同伴者のことはお構いなし、自分のプレーだけに終始する人もいるが、これもNGだ。

ビジネスでは、一人でできることなど大した成果にはならない。グループやチームを組んで、自分の不得意分野を補ってくれる人たちと上手に仕事を進める人は、大きな成果につながりやすい。

同伴プレーヤーのショットにも気を配り、誰かが林に打ち込んだときには、一緒にボールを探す。これは単なるマナーとしてだけでなく、早くボールを見つけ出して、その組がプレー遅延になることを避けられる効果もある。

こういうプレーが自然にできる人は、他の人を巻き込むリーダー性や、全体を良い方向へ導くマネジメント力を持っているとみられるだろう。

イギリスのある貴族家の父親は、年頃になった娘に「誰と付き合っても構わないが、結婚するかどうかを決める前に、その男性と一緒にゴルフをさせなさい」と言った。

また、ある外資系企業では、誰を管理職に昇格させるかについて、候補者とゴルフをしてから判断していた

娘の結婚相手としてふさわしいかどうか、会社の幹部としてふさわしいかどうか、そんなことも判断できるほど、ゴルフは人間の本性をさらけ出してしまうということなのだ。

他人に自分の本性を見抜かれてしまうというのは、ちょっと怖い気もする。しかし一方で、そういう「家政婦は見た!」的な好奇心もからんでくるからこそゴルフは面白い。

気の合う仲間どうしなら、互いをさらけ出しあっても気持ちよくプレーできるから、楽しさも倍増するだろう。

会員制ゴルフクラブは、ゴルファー仲間が居酒屋に集まるうちに、自然発生的に始まった。この歴史的背景には、ゴルフのこういう面が関係していたと考えるのも、あながち見当はずれではないだろう。

今回のまとめ

1. ゴルフを一緒にラウンドすると人間性が表面に出ることが多いので、自分がやってしまいそうなNG行動をあらかじめ理解しておいたほうがいい

2. コースに出ると心の浮き沈みが頻繁に起こるが、ミスしたときもうまくいったときも、大きなリアクションは抑えたほうがいい

3. コースでスマートに振舞えるようになれば、ビジネスシーンでも役立つだろう

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岡上貞夫

1954年生まれ。慶應義塾大学で体育会ゴルフ部へ入部、本格的にゴルフを始める。卒業後はサラリーマンとして月イチゴルファーとなるも、名言から得られる閃きを生かしシングルハンディを維持。そんな経験やヒントを伝えることで、多くのゴルフ仲間に恵まれた。 現在も定年後再雇用のフルタイムサラリーマンながら、鎌ヶ谷CCにてハンディキャップ7。若い人たちにゴルフのさまざまな魅力を伝えていきたいとの思いで、ゴルフ仲間の輪を拡大中。今回が初連載。

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