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ゴルフは名言でうまくなる

2019.01.13 更新

第76回

「ボールが打てて半人前、ルールがわかって一人前」――ジョセフ・ダイ岡上貞夫

1月1日からの新ゴルフ規則で何が変わった?

2019年の新年が明けた。ゴルフ界における大きな動きとして、この1月1日から新しいルールが実施されている。

今回のルール改正は、これからゴルフを始めるプレーヤーに対してもわかりやすくしようという趣旨で、大きな変更が加えられている。

ルールをわかりやすくすることで、スロープレーを改善し、スピードアップを狙う意図も大きい。一方で、プレーヤーはより責任を持って正直に誠実なプレーをすることが求められる。

これまではペナルティを科されていたことが、改正によって無罰となった点が多くある。ルールで揉めてプレーの進行が遅れるようなことは、かなり減るだろう。

しかし、「偶然の結果だ」と言い張れば有利になることも多いので、プレーヤーは自らを厳しく審判することも強く要求されているのだ。

主なルールの改正点は次のとおりだ。

 

1. 直接的にプレーのスピードアップを意図した改正

(1)プレーヤーは自分の順番が来たら、40秒以内にストロークしなければならない。

(2)ストロークプレーでは、安全が確保できる場合、ボールの位置が遠い順でなくとも準備ができたプレーヤーから先にプレーしてもよい(奨励される)。

(3)ボールの捜索時間は、5分間から3分間に短縮。

 

2. 間接的にプレーのスピードアップにつながる改正

(1)2点間の距離を測るだけであれば、距離測定器を使用してもよい。

(2)スタンスを取る際に、後ろに人を立たせて方向を確認することは禁止。

(3)規則に基づいて救済を受ける場合、マーカーなどへ事前に知らせたり立ち合わせたりしなくてよい。

(4)ボールの捜索中、自分のボールを偶然に動かしてもノーペナルティでリプレース。

(5)ストロークしたボールが自分自身やキャディ、用具、カートなどに当たってもノーペナルティ。

(6)偶然に2度打ちしてしまってもノーペナルティ。

(7)ジェネラルエリア(旧ルール上のスルー・ザ・グリーン)でボールが地面に食い込んだ場合、フェアウェイだけでなくラフでもどこでも救済が受けられる。

(8)パッティンググリーン上の損傷箇所は、自然の凹凸やホールの磨耗を除いて、すべて修復できる。

(9)パッティンググリーンのプレーラインに触れても、状態を改善しなければ無罰。

(10)パッティンググリーンでマーク後、リプレースしたボールが動いた場合、偶然であれば原因に関係なく無罰でリプレース。

(11)パッティンググリーンでは、いつでもキャディがマークしてボールを拾い上げてよい。

(12)ホールにピンを立てたままパットしてもよい。また、抜いてあるピンにボールが当たっても、故意に有利となる位置にピンを置いて当てて止めた場合などを除き、偶然であれば無罰。

(13)バンカー内のボールにアンプレヤブルを適用したとき、2打罰でピンとボールを結んだ線の後方、バンカー外にドロップできる。

(14)バンカー内のルースインペディメントも、取り除くことができる。

(15)ペナルティエリア(旧ルール上のウォーターハザード)の水や地面に触れたりソールしたりしてもよい。

(16)旧ルールのラテラルウォーターハザードで適用できた、対岸の救済は禁止。

(17)規則に基づいて救済を受ける場合は、ペナルティの有無に関係なく、ボールの交換ができる。

(18)ドロップは、ひざの高さから行う。

この他にも、コース内エリアの名称変更やドロップしたボールが転がったときの処置など、細かい規則改正もあるが、ここでは省く。

アマチュアプレーヤーも知っておくと断然有利に

これらの改正は、クラブ競技などに出ている人への影響はもちろん、そうでない遊びのゴルファーであっても、プレーの進行を早めるうえで大いに関係してくる。

偶然に誤ってボールを動かしてしまった場合、グリーンでもラフでも「アドレス後に動いたかどうか」で揉めることがあったと思う。しかし改正後は無罰でリプレースできるから、すぐにプレーを続行できるだろう。

バンカーはダメだが、ペナルティエリア内であればソールしてもよくなったので、これもクラブが地面に触れたかどうかで揉めることがなくなった。

2度打ちも判定が微妙なものが多く、もともと故意でやるのは難しいことなので、改正後はすぐに次のプレーへ進行できるだろう。

ドロップをひざの高さからにしたことも、有効エリアからボールが転がって出てしまい、2度ドロップしてからプレースする……というような手順を踏まずとも、1回で有効エリア内に止まることが多くなると考えられる。

ただし、改正後は有効エリアにボールが止まるまで何度でもドロップしなくてはならないので、わざと急な斜面を選んでドロップしてプレースに持ち込み、いいライを得るようなことはできなくしている。

そして、最も頻繁に適用されるであろう新ルールは、ピンを差したままパットしていいことになった点ではないだろうか?

これは次にラウンドするとき、1番ホールのグリーンから直面する改正点で、スピードアップにもスコアアップにも影響するはずだ。

PGAツアーで「ゴルフ科学者」の異名をとるブライソン・デシャンボーは、あらゆるケースで実験してみる必要があると言っており、とくに下りのショートパットではピンを立てたままのほうがカップインの確率が高まるのではないかと予想していた。

一般のアベレージゴルファーの場合、ロングパットに関してはピンを立てたままのほうがいいと思う。誰かがピンにアテンドしてくれるのを待つ時間が省略できるし、ピンがあったほうが目標に対してアドレスしやすいからだ。

またショートパットの場合でも、ほとんどのケースではピンがあったほうがアドレスしやすいので、立てたままでいいのではないだろうか。ピンに当てて入れるイメージが湧きやすく、強めのストロークで打てると思うからだ。

最近のピンは、細いし材質的にもあまりハジかないから、「ピンがあったから入らなかった」というケースは少ないはずだ。

ボール取り上げ用のピンがある練習グリーンではよく入ったのに、本番のグリーンではショートパットがなぜか入ってくれない――。多くの人が思い当たるのではないだろうか。

ただし、風が強くてピンが揺れ動いている場合や、ピンの影がアドレスを邪魔するようなときには、ピンを抜いてストロークしたほうが安心かもしれない。

もし、その組のプレーヤー全員がピンを立てたままホールアウトしたら、「誰かがピンを抜いてグリーンエッジまで運び、最後の人がホールアウトした後にまた誰かがピンを差す」という作業にかかる時間が大いに短縮されるだろう。

「南アフリカの黒豹」と呼ばれたゲーリー・プレーヤーは、ピンが見えない極端な打ち上げの砲台グリーンで、キャディにピンを頭上に掲げてアテンドするように命じ、見えたピンまでの距離と位置を確認してショット、見事ベタピン(キャディの足元)に寄せていた。

このように、ルールを知ることでプレーの助けになることが多いものだ。
今回のルール改正はプレーヤーにとって有利になるものが多いから、知っておいて損はない。

インターネット上に新ルールの解説がたくさん出ているので、一度読んでおくことをおすすめしたい。

ルールはゆるくなった。そしてその分、プレーヤーの自己審判の責任も重くなった。

「あるがままの状態でプレーする」
「自分の有利に振る舞わない」

ゴルフルールの起源となったこのふたつの基本精神は、昔も今も変わらずに重いのである。

今回のまとめ

1. 今回のルール改正は、プレーのスピードを上げる意図が大きく、無罰でできることが増えた。プレーヤーは知っておいたほうが有利になるはずだ

2. なかでもピンを立てたままパットできることは、アベレージゴルファーにとってはスピードアップにも、スコアアップにも役立つだろう

3. ペナルティを受けずに済むことが多くなった反面、プレーヤーは自らにより厳しく審判を下す基本精神を大事にしたい

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岡上貞夫

1954年生まれ。慶應義塾大学で体育会ゴルフ部へ入部、本格的にゴルフを始める。卒業後はサラリーマンとして月イチゴルファーとなるも、名言から得られる閃きを生かしシングルハンディを維持。そんな経験やヒントを伝えることで、多くのゴルフ仲間に恵まれた。 現在も定年後再雇用のフルタイムサラリーマンながら、鎌ヶ谷CCにてハンディキャップ7。若い人たちにゴルフのさまざまな魅力を伝えていきたいとの思いで、ゴルフ仲間の輪を拡大中。今回が初連載。

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