
どうも、幻冬舎の販促担当コグマ部長こと太田です。前回、アップしたら「お金2.0」の佐藤航陽さん、「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」の佐渡島庸平さんからもツイート頂き、なんと幻冬舎plusで1位に。
幻冬舎の人達は会うと情熱を持って仕事に熱中してるのが伝わってくる。まるで企業の創業者に会ってる感覚をいつも覚える。/ スクランブル交差点、オザケン、六本木のABC。90年代のような毎日だ<コグマ部長の営業日誌、これも仕事ですから>コグマ部長-幻冬舎plus https://t.co/w6dLmO5RLy
— Katsuaki Sato (佐藤 航陽) (@ka2aki86) 2018年5月17日
幻冬舎、営業の人も、自分がどんな仕事をしてるかさらけだしてる。会社全体でこれが起きていくと、強い。すごいなぁ。 / スクランブル交差点、オザケン、六本木のABC。90年代のような毎日だ<コグマ部長の営業日誌、これも仕事です... #NewsPicks https://t.co/DDj2s1DCxz
— 佐渡島 庸平(コルク代表) (@sadycork) 2018年5月16日
こんな日常でも面白がってもらえるならうれしい。それでは、今週も俺の華麗なる日常をお楽しみあれ!

某月某日
朝イチで千葉市にある書店チェーンの本部で商談。エデュケーション局のF嬢同行。この局は、児童、知育関連商品のエキスパート集団。このチェーンの特性ともマッチしているので、新商品をアピール。
誰と商談しても、本が売れない話になるが、ここに来て明らかに一段とフェーズが変わった。もちろん悪い方に。出版社も書店もサバイバルという表現が比喩ではなくなってきた。
幸い、今日は朝から刺激的な商談ができた。 新しいことができるかもしれない。唯一生き残るのは、変化できる者だ、というダーウィンの言葉を噛みしめる。
帰りの電車の中でF嬢がスマホを見ながら「ZOZOスーツが届くんですよ」と。「コーディネートをZOZOに任せればコグマ部長もカッコよくなりますよ」というので、その勢いで申し込む。200円也。
夜、幻冬舎近くで、箕輪、設楽、出版局の本間と6月の目玉作品「読書という荒野」(見城徹)が責了になり、そのお疲れさま会。遅れて、構成を担当したニューズピックスの野村さんも参加。野村さんと飲むのはもちろん初めてだし、このメンバーで飲むのも初めて。本当に楽しくて、なんでも腹を割って話せる。

今日読んだのは「40歳、未婚出産」(垣谷美雨さん)のプルーフ。7月下旬に出るのだが、読みはじめたら止まらない。全体を通じて傑作エンタメでありながら、自分の人生をどう生きるか、その覚悟を問われる作品。読後に力が湧き出る作品だ。
某月某日
朝、何気なくネットを見ていたら幻冬舎が新規事業を立ち上げたと出ていた。
なになに……、社長が現役女子大生、役員に見城徹、なるほど、ここまではいい。問題は次。同じく役員に箕輪と設楽が名を連ねていた。あれ? ゆうべの飲み会ではこんな話一切なかったよね。フリもなかったよね。「腹割って話」してたの俺だけ? ビジネスのドライな側面と、幻冬舎の秘密保持の精度を知る。
昼、都内の大型店から注文が相次いでいた「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」の重版が決まった。発売から10日で重版だ。これは素晴らしい。勢いがつく。
重版は書店からのPOS状況や注文、決まっているパブリシティ、今後の販促プランなどをもとに総合的に判断する 。何部作るのか? どこのお店にどう配本するのか? これは何度やっても絶対正解がない。世間からは、幻冬舎は派手に重版をやっていると思われることもあるが、かなりデリケートに判断している。
夜、映画「孤狼の血」を上野で鑑賞。徹頭徹尾のヤクザ映画に鳥肌が立つ。ヤクザはもちろん、役所広司演じる主人公の刑事も、社会の枠組みから外れた者たち。その悲しみも憤りも全面に出ていて、迫力に圧倒される。デートムービーじゃなくていい、地上波で放送できなくてもいいという東映の肚の座り方もいい。
映画館を出るたころには、もう脳内は広島弁に侵されていた。そのまま湯島の中華屋に行き、思いっきりドアを開ける。役所広司ばりに「おーワシじゃ、よーけ冷えたビール持ってこいやー」と言うが、全員外国人の店員なのでポカンとされる。
某月某日
今日も営業局内で一番に出社。電気をつけ、昨日の行き先が書かれたホワイトボードを綺麗に消して今日の日付に直す。始業までになるべく自分の仕事を片付けるつもりで集中する。
始業まもなく「読書という荒野」の見本が届く。どう言っても身内びいきと思われるのだろうが、それが悔しいくらいに素晴らしい1冊。どこを開いても、見城ワールド。これを読むとコグマの書評がどれだけまがい物で、書評家を名乗るのが恥ずかしくなる。
もうゲラで何度も読んでいたが、見本の「読書という荒野」を読む。見城の本を読むときは、精神の張り手を受ける覚悟を持って開く、その覚悟があるときしか開けない。
午後、紀伊國屋書店新宿本店。まもなく発売になる文庫「人魚の眠る家」(東野圭吾さん)の展開場所の打ち合わせ。どのスペースでやってもらえるのか、拡材は何を用意すればいいのかを確認。持って行ったメジャーで使える棚のサイズを測って、拡材の準備を進める。こんな風に展開して、編集者からはあの展開すごくよかったと言われることもあれば、もうすこしなんとか広げてもらえないか、と言われることもある。
夜、なんだか体が重いので設楽がヴォイシーでオススメしていた神田のセントラルホテルに行く。クーポンを使って1000円。20代の頃はまさか自分が会社帰りにサウナに行くようになるとは思っていなかった。ちなみに設楽は、日本初のサウナ研究機関である日本サウナ総研の特任研究員。何を研究しているのか聞いたことはない。
今日読んだのは「週刊文春」連載の「ロッキード 角栄はなぜ葬られたのか」(真山仁さん)。これが面白い。まだ序盤だが、タイトルからすると田中角栄をロッキード側、すなわちアメリカ側の視点から浮き彫りにする試みだと思われる。
総理を辞してから45年経っても週刊誌で連載されるような政治家田中の後に現われるだろうか。今年で田中角栄は生誕100年。コグマは50年。
某月某日
新書新刊の搬入日。前著「歴史と戦争」が好調な半藤一利さんの「歴史と人生」、曾野綾子さんの「人間にとって病いとは何か」、原田マハさんの「ゴッホのあしあと」など大物ラインナップだ。
よく、毎月の刊行点数を聞かれることがあるのだが、文庫も単行本も雑誌もあるから、4、50点以上かと思う。グループ全体で言えばその倍くらいにはなるはずだ。どれも売れたいし、その可能性を存分に秘めている。勝手に売れるものもあるが、ほとんどは重版なんてできない。それでもどうにかしてヒットのスイッチを入れたいと思って営業部員は日々汗をかいている。
某月某日
土曜日だが、夕方から福家書店新宿サブナード店で青柳翔さん「AOYAGI SHOW」発売記念イベント。人数は1000人。一人当たり5、6秒で捌かないとうまく進行できないが、ファンの皆さんがとても協力的なのと、何よりも青柳さんが臨機応変に対応してくれて予定通り進む。青柳さんはまさに「漢」という表現が当てはまる男。ナイスガイ。初対面で好きになる。
終わって、舘野(専務。テレビでコメンテーターとしても活躍)、菊地(常務執行役員)の編集部チームと、黒田、木内のいわゆる「コグマ軍団」(俺だけが呼んでる)でお疲れさま会。舘野は角川書店時代からの上司。菊地は年齢は上だが俺とほぼ同期入社。楽しく飲んで気分も良くなり、解散後に一人で思い出横丁へ。さらに飲むわけではなく、週末の夜のゆったりした時間をぶらぶらして過ごす。ほとんどが外国人でなんとなく異邦人気分。

今日買ったのは、北方謙三さんの「チンギス紀」の1、2巻(集英社)。北方さんが描く、チンギス・カン。血沸き肉躍る小説の世界へ早く入りたいが、今夜はもう1つ自社のゲラを読まないと。
「チンギス紀」のノベルティで扇子をもらった。こういう他社の販促は参考になる。

某月某日

ニューズピックスブック創刊1周年フェアの拡材が続々と届く。
どれも完成度が高いのだが、これは販促の時田と村山が、忙しい箕輪を上手に追い込んでオンタイムで完成させた労作。このフェアは受注する販促担当も、取次(問屋)や倉庫と交渉する配本担当者もギリギリのスケジュールで応えてくれた。まさに営業が一体になって仕込んだものだ。
拡材の中に箕輪から書店向けの手紙があるのだが、これは急遽箕輪が一緒に送ってくださいと言って持って来たもの。書店への溢れる思いを、その勢いのまま書いたという雰囲気がよかったので、手書きのまま入稿することにする。
夜はTSUTAYA TOKYO ROPPONGIへ。「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」刊行記念トークショーで、佐渡島さんと箕輪の対談。現場に行く途中に会社にいる村山とこの本の件でラインでやりとり。音声変換で「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」と入れているのに何度やっても「You are lonely but I don't I don't」と変換される。直すのも面倒だし、もちろん分かるだろうと思うので、そのまま送ったら「え、なに? ラップ?」と返ってきた。なんで俺がラップをラインするんだよ!

会場で佐渡島さんにはじめましての挨拶。
さて、担当の箕輪だが、イベントをダブルブッキングしており、来ないことが判明。これは大変だけど佐渡島さんに頑張ってもらおうと思っていたら「じゃあ、木内くんとコグマ部長にも上がってもらいましょう」ということで登壇する。幻冬舎営業は何でもやるのがモットー(笑)。
佐渡島さんは言語化能力がすばらしいので、話を聞いているとたちまち頭が整理されてくる。素晴らしい話を真横で聞けて感動する。トークショーは佐渡島さんのおかげで思いっきり盛り上がる。
前述の「週刊文春」の連載の影響で「消えた21億円を追え」(NHK『未解決事件』取材班)を買う。ロッキード事件、40年目のスクープ。今夜、読んでしまおう。