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「盆栽」のある暮らしとは、安らぎはもちろん、どちらかというと犬や猫たちのように、ペットとの暮らしに似ています、なぜなら盆栽も「生きている」から──そうおっしゃる盆栽家の山田香織さん。
四季折々にさまざまな表情を見せてくれる盆栽に、あなたもチャレンジしてみませんか?
これまでの盆栽と違って、より気軽に、現代風に楽しめる、山田さんが提案されている「彩花盆栽」の作り方を、初心者にもわかるよう解説されているのが『知識ゼロからの彩花盆栽入門』です。その一部を、全6回にわたってご紹介します。
第6回の今回は、「枝ものと草ものの寄せ植えづくり」についてです。
* * *
上達へのアプローチ
枝ものと草ものの寄せ植えづくり
新緑の林には若葉のほのかな香りをのせた風が吹き抜けます。
青々とした葉も秋には赤く鮮やかに色づき紅葉を楽しませてくれて、
小さな鉢でも自然の景観や季節の移ろいを身近に感じられます。
用意するもの
使う苗……●モミジ ●コガネシダ
●鉢底網と針金
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鉢底網と針金は、鉢の排水口の大きさに合わせて必要な大きさや長さを用意しておきます。
●根留め
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株を固定するために、太さ2ミリの短い針金と、太さ1.5ミリの長い針金を準備します。
●鉢
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枝ものの高さに合わせて、やや深みのある楕円形の鉢を使います。
●苗
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枝ものに「モミジ」を使い、草ものに「コガネシダ」を使います。
●苔
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スナゴケなど日当たりに強い種類がおすすめです。
●用土
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根がしっかりとした枝ものは、あまり神経質に土の配合を考えなくてもよいので、赤玉土(極小粒)を用土に使います。
●赤玉土(小粒)
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鉢底に入れるゴロ土として使います。
●トレー
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トレーを使うと、周りが汚れず作業しやすくなります。
鉢の準備
1.鉢底網を針金で鉢に固定します。鉢の脚(高台)からはみ出した針金の余りは切りましょう。
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2.根留めをつくります。短い針金に長い針金を3~4回転ほど巻きつけて、写真のような形にします。
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3.鉢底穴から根留めを通して、鉢底網を固定した針金と重ならないようにします。
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4.鉢に添わせて、作業の邪魔にならないように針金を出しておきます。
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5.ゴロ土として、鉢の深さの5分の1程度の赤玉土(小粒)を入れます。その後で、鉢の3分の1ぐらいまで、用土を入れます。
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苗の準備
1.枝ものの苗の正面を見極めます。木の傾きを見て、前傾している正面を見つけます。そして、枝ぶりがよく見える角度を探します。
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2.苗をトレーに入れ、ポリポットから出して丸箸で根をほぐします。
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3.根切りばさみで伸びすぎた根を切り揃えます。枝ものの場合「上根(うわね)」といって、生え際より上から伸びている根があったら、幹の根元で切り落とします。
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4.草ものの苗もポリポットから取り出して根をほぐして切り、準備します。
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植えつけ
1.苗を合わせてみてバランスのよい配置を決めます。この場合、幹の流れを右側にし、左側の株元に草を寄せ植えするとバランスがよく仕上がります。
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ここがポイント……バランスを確認する
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配置を決めるときは、実際に苗を合わせてみて、バランスを見るとわかりやすいです。草ものを枝ものの右側に寄せ植えすると、一体感がなくお互いがバラバラな印象になりますが、上の写真のように左側の株元に置くと背の高い木の足下に草が佇み、風景としての一体感と統一感が出るのです。
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2.決めた配置のまま苗の生え際の高さを揃えて、鉢の中に入れます。
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3.苗が倒れないように片手で株元を押さえながら、周りから用土を入れます。用土は何回かに分けて入れるので、このときはある程度入れば大丈夫です。
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4.株周りを丸箸で突いて、根と根の間までしっかり土が入っていくようにします。再び用土を加えて、株周りを丸箸で突きながらすき間をなくします。この作業を繰り返し、鉢のふちまで用土を入れます。
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5.用土が入ったら、左右から根留めの針金を株元で交差させます。
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6.針金が交差している箇所をやっとこで挟み、2~3回ねじって固定します。
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7.余った根留めの針金を、針金切りで切ります。
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8.はす口のついたじょうろでたっぷりと水をやります。鉢底から透明な水が流れ出てくるまでたっぷり水を与え、軽く水をきります。
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9.用土の表面をピンセットのコテで平らにならし、表面全体に苔をはりつけます。指先やピンセットのコテなどで上から軽く押し、苔をしっかり土とつけます。苔が浮いてしまうと枯れるのでていねいにはりましょう。
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10.「枝ものと草ものの寄せ植え」の完成です。盆栽としての第一歩を踏み出したばかりの「モミジ」と「コガネシダ」です。
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『知識ゼロからの彩花盆栽入門』では、盆栽作りにあたって必要な知識や情報が、初心者にもわかりやすく紹介されています。美しい写真とともに、さまざまな盆栽の作り方も掲載されていますので、この続きは、ぜひ本書をお読みください。