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生き方3.0

2013.11.29 公開 ポスト

特集 生き方3.0 國分功一郎×麻木久仁子スペシャル対談

國分さんが学者をやめて運動家になっちゃうのかと心配だった(3/4)麻木久仁子/國分功一郎

前回の記事:國分功一郎×麻木久仁子スペシャル対談(2/4)
 

住民運動をすることと、学者であること

麻木 実を言うと、私、先生は学者をやめて運動家になっちゃうのかなって、ちょっと心配して見てた(笑)。

國分 いや、そういうことは今後も絶対にあり得ないです(笑)。

麻木 学者としてのスタンスと、社会活動家としてのスタンスって明らかに違うでしょ。今回、國分さんの関わり方がよかったのは、自分の住んでる町の問題だったことだと思う。自分の住んでる町においては、学者だろうが何だろうが、みんな住民だから。

國分 住民投票に向けて活動していた時期には、学者としての仕事と住民運動という両極端なことを、どちらもきちんとやらないといけないって思ってました。運動する人としては、看板を持って街頭に立つなんてこともやった。そして同時期に、学者としての自分の理論的な主著となる『ドゥルーズの哲学原理』(岩波書店)というすごく専門的な本を書いて出版した。住民投票が5月末で、この本が出たのは6月なんです。

 住民運動をやることで僕の学者としての仕事の質が落ちてしまったら、「運動やるとあんなふうになるんだ」という偏見を世に広めることになってしまう。そういう意味で、学者の一人としての責任も感じていましたから、ドゥルーズ論は何としてでも高品質の本にしなければなりませんでした。まぁ本当に大変だったんですけどね(笑)。

 それから「自分の町だから」ということは決定的に大切でした。最近、ほかの地域で住民運動をしている方々から「シンポジウムに参加してほしい」などと声をかけられることがあるんですが、やはり、自分がよく知らない地域の運動について話をするのはとても難しいことですね。だからあまりお引き受けできないんです。小平のことを話すのならば構わないのですが……。

麻木 応援したい気持ちはあるでしょうに、よく自制してるねえ。みんなそういうとき、ホイホイ行っちゃうじゃないですか(笑)。小平での経験や知見を違う町で生かせるならと思って、先生は本を書いたわけで、役に立つなら、本を読んで力にしてくれればいいと。中途半端に軽々しく首を突っ込まないという姿勢は立派です。

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麻木久仁子

1962年、東京都生まれ。学習院大学法学部中退後、芸能活動を開始。司会者、女優、エッセイスト、コメンテーターなど幅広く活躍。無類の読書好きで、TBSラジオ『麻木久仁子の週刊「ほんなび」』のパーソナリティを務めるほか、人気書評サイトHONZのレビュアーでもある。

國分功一郎

1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部准教授。専門は哲学・現代思想。著書に『スピノザの方法』(みすず書房)、『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、第2回紀伊國屋じんぶん大賞受賞、増補新版:太田出版)、『ドゥルーズの哲学原理』(岩波現代全書)、『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、『中動態の世界』(医学書院、第16回小林秀雄賞受賞)、『原子力時代における哲学』(晶文社)、『はじめてのスピノザ』(講談社現代新書)など。訳書に、ジャック・デリダ『マルクスと息子たち』(岩波書店)、ジル・ドゥルーズ『カントの批判哲学』(ちくま学芸文庫)など。

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