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「ズタボロ」対談

2015.05.01 公開 ツイート

前編

必死に生きる人を瑞々しく描く、「ズタボロ」という映画【前編】 ゲッツ板谷/清水富美加

『ズタボロ』 5月9日 全国ロードショー (C)2015 東映ビデオ

5月9日の映画「ズタボロ」の公開を記念して、原作『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)を執筆されたゲッツ板谷さんと、ヒロインの清美役を演じ当サイトでも連載「たぎりおにぎり」をもつ清水富美加さんの対談をおこないました。笑い溢れるマイペースな対談、全2回に分けてお届けします。(文、写真:伊東朋夏) 

映画「ズタボロ」あらすじ
東京・立川の不良、コーイチ。中学を卒業し、不良仲間と晴れて地元最凶の暴走族へ。コーイチは高校に進学し、新たに、“植木”と“鬼”という仲間と出会い、清美という恋人と甘いひと時も過ごす。ケンカなどに明け暮れる日々をおくっていたコーイチだが、中学時代からの親友、ヤッコがついに暴走族の先輩からのヤキに耐えきれず、ひきこもってしまう。コーイチはヤッコとの友情を取り戻すため、ヤクザの叔父に弟子入りして報復を誓うが・・・。

 

殴り合いのシーンが癖になる!

-一足早く「ズタボロ」を見て、どうでしたか?

ゲッツ 良かったですよ。1回目に見たときはなんかやっぱこう・・・一応原作者やっている立場から、疑うような目で見ていたんです。「本当に面白いのかな」って。でも、2回目にちゃんと見たときに、「これ面白いわ」って思えたんです。

清水 私は、最初は血がダメなので「大丈夫かな」って思っていました。自分が女の子だから、出た映画は同性に見てもらいたいという思いが強いんですけど、見る前は「これダメかも」って思っていました(笑)だけど、最初は顔を手で覆ってドキドキしながら見てたんですけど、早い段階から喧嘩のシーンとかが気持ちよくなってきて。「バキッ」っていってても「もっとやれ!」と思うようになって。

ゲッツ え、そんなこと思ってたの?(笑) アクション担当が、「クローズ」とかを手がけている「殺陣を指導したら日本一」と言われる殺陣師なんですよ。

 

-ゲッツさんの、演技指導とかは…

ゲッツ ないですよ!(笑) 8年前に初めて「ワルボロ」(編集部注:シリーズ1作目)のとき、主演の松田翔太君に「板谷さん、どんな感じで喧嘩されてたんですか」って聞かれたんだけど、俺、ちょうど脳出血から復帰した後だったんですよ(編集部注:ゲッツさんは2作目執筆途中で脳出血に。2か月間寝たきりでした)。
「相手の髪をつかんで、連続でヒザ蹴りすれば簡単に決着がつくよ!」と言いたかったんだけど、わけのわかからない言葉を発してて。そしたら松田君がそんな俺を見て「あ…、わかりました」って。たぶん「聞いちゃいけない人だな」って思われたんだと思う(笑)

 

-ゲッツさんの第一印象は?

清水 申し訳ないんですけど…、最初クランクインが神社のテキ屋のとこだったんですが、集まっていたギャラリーのなかにいらっしゃったんですよ。だから「わあ、地元の本物が来たよ!やばいよ怒られるよ!許可とってるよね?」って思ってました(笑)

ゲッツ 本物って(笑) 清水さんは、役に合わせて髪を染めてたから、初めは「ちょっとヤンキーっぽいのかな」って。でも撮影中とか試写会のときに話したら、全然そんな感じでなくて「知的な子だな」って思いました。

清水 え~嬉しい!知的とか言われたことない…。

ゲッツ 俺、撮影中ほとんど見に来たんですよ。俳優さんたちに、プレッシャーをかけてないといいんだけど。

清水 それはなかったかなあ。結構お話しましたよね。お優しいから話しかけたくなっちゃう。

ゲッツ どんな話をしましたかねえ。清水さんの顔が、若いときの浅野温子さんに似ているよね、とか…(笑) 

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「ズタボロ」対談

今年5月9日、映画「ズタボロ」が公開されます。それを記念して、原作『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)を執筆されたゲッツ板谷さんと、ヒロインの清美役を演じ当サイトでも連載「たぎりにぎり」をもつ清水富美加さんの対談をおこないました。笑い溢れるお二人の対談、全2回に分けてお届けします。(文、写真:伊東朋夏)

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ゲッツ板谷 作家

1964年東京都立川生まれ。作家。十代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙しの日々を送る。著書は『ワルボロ』『メタボロ』『ズタボロ』(幻冬舎)など多数。本シリーズの第二作『メタボロ』を執筆中に脳出血で倒れ、二か月間生死の境を彷徨う。その後、長いリハビリ貴下を経て、奇跡の復活を遂げる。

清水富美加 女優

女優 1994 年生まれ。2015年には、NHK連続テレビ小説「まれ」に、ヒロインの同級生・蔵本一子役として出演。2017年公開の話題の映画 『暗黒女子』主演、『東京喰種』ヒロインで出演。

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