「心の持ち方ひとつで、人生は大きく変わる」――。インドのヨガ・禅の思想などを融合して築き上げた哲学を実践し、大谷翔平選手や松下幸之助など、数々の成功者を導いた、思想家・中村天風。天風哲学は、呼吸・姿勢・言葉を通して、逆境に打ち克つ力を育てていきます。
天風会の理事も務めた最後の愛弟子が、珠玉の教えをマンガとともにやさしく解説した『マンガ 人生がプラスに変わる 中村天風のことば』。本書から、一部を再編集してご紹介します。
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男はつらい、女もつらい、男と女はさらにつらい
日々の生活で何か問題があったときには、自分の心構えなり、考え方などに大きな間違いがなかったかふり返ってみよと天風先生は説いていました。暮らしの中で起きる、あらゆる事物には原因のないものなど絶対にないからです。「天風哲学」では一切の出来事は、原因と結果の集積だというのです。
組織を束ねるリーダーには、多様な領域での経験と知識が要求されます。特に「集中力」「雰囲気づくり」「意思決定」という三要素は、欠くことのできない要素であり、社会における人間活動の基本でもあります。
自分の言葉や行動や仕事などの結果、何か不本意なことがあったとき、それを仔細に検討すると、必ず「力」か「勇気」か、もしくは「信念」の欠如が原因であることがわかります。どんな人間でも、何かを為すときには「力と勇気と信念」という三者を一体とする心構えが、目標を成功に導くためには必要な根本要素なのです。
力と勇気が、信念のベースとなるものです。信念とは、我々人間の心に宿る願望を達成する原動力となるものです。
わかりやすく言うと、誰もが心の中にもっている、ああなりたい、こうしたいという願望や希望を現実のイメージとする原動力であり、この力を自らの心の中に確立することが大切なのです。
しかしあえて注意したいことは、先にも述べたように、自然界の真理に即した願望でなければならない、ということです。
「他人の夫や嫁という配偶者を欲しがるなどの願望」は、家庭にひいては社会に混乱を招く我欲であると心得ることです。とは言え、色恋は理屈ではなく、男女間でしばしば起こる情事であり「愛欲の苦悩」でもあります。
男はつらいが、女もつらい、男と女はさらにつらい、などという言葉をどこかで聞きました。人間の男女や親子という「業」に関わる問題で、心のうちにとどめるか、行動に出るかは、その人次第。覚悟して正面から受け止め、乗り越えねばなりません。

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大谷翔平選手も学んだ、「どんな逆境にも打ち克てる心の持ち方」を身につけたい方は、幻冬舎新書『マンガ 人生がプラスに変わる 中村天風のことば』をお読みください。
マンガ 人生がプラスに変わる 中村天風のことば

思想家・中村天風は、「心持ちひとつで、人はどんな逆境にも打ち克てる」と説き、インドでの修行で得た悟りや禅の思想などを融合させて“天風哲学”を築き上げた。その教えは、呼吸法で精神を鍛え、正しい姿勢で気を整え、前向きで強い言葉による暗示で潜在能力を引き出す実践的なもので、運命すらも切り拓けるようになる。本書では、天風会の理事も務めた最後の愛弟子が、師、天風のことばを40個厳選し、マンガとともにやさしく解説。松下幸之助や稲盛和夫らを成功に導き、大谷翔平も学んだ最強の成功哲学が、自然と身につく一冊。











