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考察食堂 -ドラマを噛んで味わう-

2025.12.17 公開 ポスト

「ちょっとだけエスパー」最終話 四季が死ぬ未来は変わったのか……? 白い男の能力は……? 大団円の最終回を徹底解説! #大泉洋 #6969b6969b~ろくろっ首~(ドラマ考察系 YouTuber)

「未来を変えられるのは、今ここにいる者。未来を変えるとは、つまり……新しい未来を作ることなのだ」

 

偉大なスポーツ選手が残した金言のようなラストだった。
そしてこれが、このドラマの大事なテーマであり伝えたかったことだと私は思う。

 

過去を変えることはできないが未来は変えられる。現代を必死に生きている我々への応援メッセージだったのだ。

 

2055年を生きる兆(岡田将生)にとっては2025年は過去だが、文太(大泉洋)らにとっては今なのだ。今を生きるものは未来を変えることができる。

 

SF作品でありながら、現代を生きる我々に確かなメッセージを届けてくれた脚本は、最後の最後まで素晴らしいものだった。そしてこの物語は「愛に満ちた物語」だったとしみじみ思う。

 

 

兆も文太も四季(宮崎あおい)も他のメンバーも、それぞれが愛ゆえの行動だった。

 

その中でも、四季を救ったのは紛れもなく文太だ。
自分の死を知り自暴自棄になった四季に、そっと手を差し伸べ「四季がいる、この世界を愛する」と語った文太。この言葉が死の未来を憂いでいた四季の心を救ったのだ。

 

そして文太もまた、四季に救われていたのだ。
この1年で死ぬはずだった文太に生きる意味を授けたのは四季なのだ。

 

お互いがお互いを救う展開に、仮初の夫婦の面影はなく、正真正銘、愛で繋がる夫婦のカタチを見せてもらった。
そして陰で四季を支える選択をした文太の心意気はまさに「究極の愛のカタチ」と言えよう。

四季と文太と文人(岡田将生)の三角関係の物語ではなく、四季と「ぶんちゃん」の愛の物語だったのだ。

愛と希望に満ちた「ちょっとだけエスパー」私はこの作品が大好きだ。

白い男「京」は一体何をしたのか? そして四季の死ぬ未来は変わったのか……気になる結末を徹底深掘り!

やはり物語の鍵を握ったのは、第5話での登場以降、音沙汰のなかった「白い男」だった。

 

彼は2070年の文人こと「京」だったのだ。

「京」の能力で、四季の半年間の記憶がなくなり、文太らエスパー軍団は事故に巻き込まれずに済んだようだ。

 

しかし「京」が指を鳴らしたことで具体的に何が起き、世界がどう変わり、四季の10年後の未来はどうなったのか、明確には言及されずに物語は幕を閉じた……。

 

個人的にこの辺りが明確に明かされなかったことは、物語の余白として素晴らしかったと思う。ここまでSF作品とは思えぬほどに、全ての事象に“意味付け”をしていた本作において、最後の結末はあえて細かな言及を避け、各々の解釈に委ねたことに“意味”を感じた。

 

この「余白」は「信じれば未来は変わる」というメッセージだと私は思う。

 

「2055年の兆がどんなに試行錯誤しても変えられなかった過去を、死ぬはずだった文太達が今を懸命に生きることで、四季の10年後の未来を変えることができるかもしれない、いやきっと変えることができる」と私は信じて疑わない。

 

そう思えたのも、文太達の姿をこれまで見てきたからだ。

 

そしてそんな最強メンバーが裏で四季を支えている姿が最後に描かれたことで、四季の10年後の未来も変えることができると心の底から思えたのだ。

 

ちょっとだけエスパーの魅力的なキャラクター達を愛しているからこそ、彼らを信じることができるのだろう。このように物語の「余白」に対して「不安」になるのではなく、前向きに考えることができた視聴者は私だけではないだろう。

 

明日を生きる活力やポジティブな思考をくれた「ちょっとだけエスパー」に心より感謝したい。

そしてこれまで「ちょっとだけエスパー」の考察記事を読んで頂いた皆様にも深く感謝を申し上げます。振り返ると、SF作品をあえて考察することは正直難しいところもあったが、展開を自分なりに考察することで野木亜紀子氏の凄まじい「脚本力」を今一度、肌で感じることができ、刺激的な3ヶ月間でした。

 

そして野木亜紀子氏にしか書けない唯一無二のSF作品を目の当たりにし、この方の底知れぬ幅の広さや引き出しの多さを感じた3ヶ月間でした。またこの作品を自分なりに考えることで、私自身も多くの気づきや成長を感じることができた。これは大きな財産だ。

 

次はどんな作品を書いてくれるのか、今から楽しみで仕方ない。
その時も、その作品にどんなメッセージが込められているのかを私なりに分析・考察していきたいと思う。

 

これからも是非、我々と濃密なエンタメライフを過ごしていきましょう。

 

••┈┈┈┈•• ドラマ情報 ••┈┈┈┈••
テレビ朝日『ちょっとだけエスパー』( 毎週火曜夜9時~)
出演:大泉洋、宮崎あおい、ディーンフジオカ、北村匠海、岡田将生 他
脚本:野木亜紀子
監督:村尾嘉昭、山内大典
エグゼクティブプロデュース:三輪祐見子
音楽:髙見優、信澤宣明
主題歌:こっちのけんと『わたくしごと』

著者:ペチ
イメージイラスト:サク

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3人組ドラマ考察系YouTuber 6969b(ろくろっくび)による考察記事の連載がスタート!

今話題のドラマの真犯人は?黒幕は?このシーンの意味は?

物語を深堀りして、噛むようにじっくり味わっていきます。

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6969b~ろくろっ首~ ドラマ考察系 YouTuber

登録者10万人超えのドラマ考察系YouTuber。

大人気を博した考察ドラマ「あなたの番です」では公式本に考察集団"として掲載され、担当プロデューサーとコラボした経験もあり。

『僕らとエンタメを全力で楽しもう』をモットーに、落ち着くお茶の間のようなチャンネルを目指して活動中です!

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