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人生先生の相談室

2025.12.15 公開 ポスト

人生先生が教える、“死”への恐怖との向き合い方平人生(奏杜高校 校務員)

人は「知らないもの」に、どうしてこんなにも心を揺らされるのでしょう。

今回届いたのは、「無知が怖い」「死ぬことが怖い」という切実な想い。
その不安は決して特別なものではなく、多くの人の胸の奥にきっと潜んでいます。

見えない世界に怯えて立ちすくむあなたに、人生先生の言葉を贈ります。

*       *        *

知らないことが怖いです。無知が怖いです。死の世界を知らないから、死を迎えたあとの世界を知らないから、死が怖いです。

ご相談ありがとうございます。

知らないから死が怖い、とのことですがこれは人間にとってとても本質的な感覚だと思います。

そして相談者様は知らないことが怖いと言っていますが、実際のところは知らないのではなく、わからないということが怖いのではないでしょうか? 

 

例えば子供の時に怖かったものの定番にお化けがいますよね。お化けは実際どんな存在かわからないから怖いんだと思います。そしてお化けが潜んでいるかもしれない暗闇も何があるかわからないから怖いのです。

しかし、逆にそれがわかってしまえば怖くありません。例えばお化けが出てくるような心霊映像の類のものが作られたものであったり、暗闇が光に照らされて何もなかったと分かった途端に怖さはなくなります。

科学の発展などによって、人間には、わからないものがどんどん少なくなってきました。雷や皆既日食など、昔は神の仕業など恐れられていたものが、現代では解き明かされています。

ですがどれだけ時代が進んでも、死を迎えた後にどんな世界が待っているかはわかりません。わからないから、その怖さがなくなる事は無いのかもしれません。ただ、それでもできる事はあります。

例えば、死を迎えた後には優しくて温かい世界が待っていると想像してみてはどうでしょうか。そんな世界を描いている本はいくつもあります。例えば、亡くなった後に扉を開けると、条件付きで大切な人と二十四時間だけ再会できる物語とかですね。

あなたに一番伝えたいことは、死を迎えた後どうなるかわからないのは、みんな一緒だということです。わからなくて怖いのはあなた一人ではありません。

お化け屋敷に入るのも、暗闇の中を歩くのも、一人よりはみんな一緒の方が怖くないですよね。

わからないことは、これからも一緒に考え続けていきましょう。

考える事は、人間に許された贅沢の一つですから。

*   *    *

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平人生 奏杜高校 校務員

奏杜高校の校務員。

いつも飄々としていて、どこか謎めいた雰囲気をまとっている。

“人生先生”の名で親しまれ、日々、生徒たちの悩みに耳を傾けている。

清水晴木著『17歳のビオトープ』『未来への人生ノート』から生まれたキャラクター。

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