
食糧難にそなえてシェア菜園を借りて、順調にミニトマトやオカヒジキ、イチゴなどは少しずつ育ってきたのですが、一つの関門がありました。
それは小玉スイカの受粉です。週に何回か菜園に来ているスタッフの方に、断片的に情報を教えてもらったのですが「14節についた花が受粉に適している」と言われたような……素人なのでよくわからないまま、そろそろ受粉したほうが良い気がしていました。ウリ類は雌雄異花で、ミツバチがいればいいのですが、着実に果実をつけるためには人工受粉が必要のようです。
受粉とは、神の領域に踏み込むようで緊張します。晴れた日の午前中、その日咲いたばかりの新鮮な雄花を選ばなければならないようです。できるだけ同じ日に咲いた雌花とマッチング。 雄花の花びらをめくり、雄花の雄しべの花粉をすりつける……、という官能小説のような手順をこなさなければなりません。ネットで検索すると雌花は下部がふっくらと膨らんでいるようです。縄文土器の女神像ような母性を感じさせます。
最初行ったときは、ツル3本とも、雄花しか咲いていませんでした。雄花だらけでBLドラマが展開していそうです。先日、友人にネットフリックスのリアリティドラマ「ボーイフレンド」で大人気だった料理人のイベントに誘ってもらったことを思い出しました。ゲイの友人知人は美容や健康法に詳しくて、低酸素トレーニングスタジオが良いと教えていただきました。また、おじさんでも女装すれば体育大学のマッチョな20代男子に求められるそうです。しおれた雄花、まだ若々しい雄花を見ながら妄想が広がります。
次に行ったときも、まだ雄花だらけでしたが、一つしおれかけた雌花を発見。花びらもほぼ落ちてしまって数枚しか残っていないような……。年齢的に思わず感情移入してしまいました。その、しおれて枯れかけた雌花になんとかがんばってもらわないとなりません。一抹の罪悪感を覚えながら、花びらをめくって雌花のめしべをむき出しにして、元気が良さそうな雄花を取って、その雄しべの花粉をすりつけました。雌花の「待って、私はそんなつもりじゃ……」という声が聞こえてくるようでした。その気がないところ、申し訳ないですが、心を鬼にして雄しべで責め立て、なんとか受粉らしき行為ができました。でも、本当にこれで小玉スイカが実るのでしょうか……。
今回学んだのは、植物にしても人間や動物にしても、男女の出会いはタイミングが重要、ということ。また、お互いがその気になっていないと関係は発展しないということです。フィーリングが合う人との出会いは奇跡だと思って大切にしたほうがいいです。
菜園で、人生にとって大切なことを学べました。もういろいろ手遅れかもしれませんが……。

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次元上昇日記

「次元上昇」とは? それは「アセンション」のこと。では、「アセンション」とは何か……。いろいろな意味があるので、ネットを検索してみて下さい。しかし、辛酸なめ子さんにとって、それは日々、功徳を積んで善行マイレージを貯め、それがある閾値に達すると得られる高い次元のこと。この連載は、その善行マイレージを貯め次元上昇をめざす一人の女性の抱腹絶倒、試行錯誤の記録です。
この連載が電子書籍になりました!『次元上昇日記 ベストセレクション50』
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- 2025年6月18日 人工受粉
- 2025年6月15日 諸行無常
- 2025年6月11日 ストイックな食
- 2025年6月9日 台湾のアートスポット
- 2025年6月5日 高次元の映像
- 2025年6月3日 動物とのふれあい
- 2025年5月31日 トランプ推し活
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- 2025年5月22日 心の備え
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- 2025年5月10日 タイフェスの余韻
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