
アレン様のエッセイ第9回目のテーマは、原点に立ち戻り「幸せ」についてお送りします。自分にとっての幸せとは一体なんなのか? それを知るためにはまず「自分」というものを理解する必要があるかもしれません。アレン様も過去、何度も行ったと言う「自分を知る方法」は全人類必読です!
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いじめられる理由を考えたときに、自分というものを嫌でも認識させられたの
ヮタクシが「自分」というものを理解しはじめたのは、幼少期の頃だったの。
いじめられていたときに、嫌でも自分の個性を認識させられたのよね。いじめられていた理由は、ヮタクシが女っぽいことが好きとか、女っぽいことをしているとかそういう感じだったから、嫌でも周囲からの目線で、自分が周りと違うということをわからされたの。
同時に、自分は男っぽいことをするのが嫌だっていうのも認識させられたわ。“自分は○○が好きで××は好きじゃない”っていうのを理解しながら生きていた幼少期だった。そう考えると、ある意味いじめられていたことによって自分がどういう人間なのか「氣」付くきっかけを得られたのかもしれないわね。
なんで自分がいじめられるんだろうって突き詰めていくと、男っぽいことをしていないからだってわかる。で、じゃあ自分が男っぽいことが好きか嫌いかって考えたら、実際嫌いだし、とかね。だから自分について深く考えていたわけじゃないの。嫌でも考えさせられたっていう感じだったのよ。
当時の劣等感とか押し殺していた気持ちが結果的にバネになったから、今となっては自分の人生において必要不可欠なことだったのかなとは思うわ。経験したほうがいいか、しないほうがいいかっていうと、それはいじめられないまま生きているほうがもちろんいいけど、ヮタクシの場合は幼少期に学んだことが多すぎたのよね。
当時いじめられていたことによって、「人を信用しない」とか「人に深く期待しすぎない」っていうのも、自分の中に根付けられたわ。もちろん少年院で愛には触れたんだけど、新しく出会う人とか新しく関わる人を絶対深くは信用しないの。もう幼少期には自分というものは形成されていたのよね。
自分がわからない人、やりたいことがわからない人におすすめの方法があるの
今、自分のことがわからなくてどうしたらいいのか悩んでいるクリマンのみんなにいいことを教えるわ。すごい簡単な方法があるの。
ヮタクシも今まで何回もやってきたことなんだ㌔、まず大きい紙を2枚用意するの。そして1枚の紙に、自分が嫌いなものや苦手なものを箇条書きで書くのよ。
たとえば豚肉が嫌い、お風呂が嫌い、運動が嫌い、人混みが嫌い……本当になんでもいいの。あとはインドアかアウトドアかで言ったら外に出て遊ぶのは嫌とかでもいい。些細なことでもいいから、とにかく嫌いなものを書き出すの。そうすると大体の人が100個、200個ってザラに出てくるのよ。
そしてその次に、もう1枚の紙に自分の好きなこと、やっていて苦じゃないことを書き出していくの。◯○を食べるのが好き、家に引きこもっているか外に出るかで言ったら外に出るほうが好き、旅行だったら国内より海外が好き、温泉が好きとか、こっちも何でも書くの。
ある程度書き終わったあとに見比べてみると、自分って腐るほどたくさんの好きなことと嫌いなことがあるんだって気付くのよ。これって普段しないじゃない? このワークは、自分を知るうえでめちゃくちゃ手っ取り早いの。今すぐできるし、考えなくていいから本当に簡単でしょ。
ちょっと話が脱線するんだ㌔、この作業をすると仕事に関しても自分のやりたいことが見つかりやすくなるの。
たとえば話すのが好きだったら、人と話す職業って何があるんだろうって考えるようになるし、逆に人と話すのが嫌いだったら、なるべく話さなくていい職業って何だろうとかね。
自分のパーソナリティーを理解したうえで人生の選択ができる一番の近道なの。
そしてね、その書いた紙は捨てずにとっておくの。やる度に全部とっておいて時間が経ったあとに見てみると、自分の趣味思考が変わっていくのがわかっていいわよ。
なんでこの方法をやり始めたのかと言うと、誰かに教えてもらったとかどこかで見て知ったとかじゃないの。ヮタクシも自分のやりたいことがわからない時期があったのね。芸能界には入りたい㌔、方法がわからない。だから芸能以外の労働をするにしても、少しでも自分のやりたいことをやろうって思ったの。
自分のやりたいことを仕事にしなきゃっていう考えは漠然とあったのよ。それまでヮタクシ、嫌な仕事をいっぱいやってきたから。ホテーラ(ホテル)の清掃業務中に、客室でシャワーを浴びてクビになったりとかね。自分のやりたいことを仕事にするのが一番幸福っていうのは頭でわかっていたの。
だから自分のやりたい仕事が何かっていうのをわかりやすくするために、好きなことを紙に書こうと思ったのよ。そして好きなことを書いたら、今度は嫌いなことも書いてみようって。だって、嫌いなことは絶対に職業にしたくないでしょう?
SNSで自分をさらけ出すことでみんなが共感してくれたの
あとは自分のことをさらけ出していくのも大事。
ただ、ヮタクシの場合はずっと本性を隠していたの。最初は男っぽく振る舞ってテレビに出たりとか、自分を押し殺して活動していたのよね。
でもこのままだと本来の自分が出せない、くすぶっちゃうっていうのもわかっていたから、本当の自分を出していこうって思った瞬間があったの。それがツイッター(現X)だったのよ。もう、いい加減いいわよね、本来の自分で好き放題やらせて頂くわよってネ。
だってテレビではヮタクシの素の部分を披露させてくれないし、ラジオも呼ばれない、そうなると唯一自由に表現できる場所がツイッターだったの。ツイッターでいつもどおりの、飾っていない自分を出そうっていうのを決めたのよ。
たとえば、今もヮタクシのキーになっている「ブチギレ」とかね。ヮタクシはキャラでキレてるわけじゃなくて本当にキレ倒しているのよ、冗談抜きでね。ツイッターで、ヮタクシが素でキレてる姿を披露し始めたらいろんな人が「私もめっちゃ思ってました!」、「私も怒りたかったけどアレン様が代弁(ダイベンとは言ってもクソの方の大便じゃないわよ)してくれて嬉しい!」って共感してくれたの。怒っていること以外もそうよね。何かに対して思うことを面白くツイッターでつぶやく。ヮタクシはそうやって自分の個性を最大限に出していけた経験があるの。
自分のことをさらけ出したいと思った時に、もしも怖いっていう気持ちが邪魔をしているのであれば、さらけ出したことによって何が変わるのかを考えるのがいいと思うわ。さらけ出して良い方向に変わるものだったら出したほうがいいし。
ヮタクシ、人生においてさらけ出さなくてもいいことっていっぱいあると思っているの。さらけ出して変なふうになるんだったら、やらないほうがいいわよね。自分の武器になることだけを出したほうがいいと思うの。
ヮタクシがツイッターに載せていたことは自分の武器になると思ったからよ。武器にならないような、言っても言わなくても変わらないことは言わなくていいと思うの。自分の得になることだけをさらけ出していけばいいわ。
もしこれが、さらけ出すことで相手との関係が破綻するようなことなら言わなくていいじゃない? だって浮気している人が「私、浮気しています」なんて言わないでしょ。
それと一緒で、良いさらけ出しと、言わなくていいさらけ出しがあるの。いい方向に進むんだったらさらけ出したほうがいいって思う㌔、全部が全部出さなくてもいい。言ったほうがよくなりそうなことはガンガンさらけ出すべきよ! 隠さずにね。
幸せになりたいとほざくァンタ達へ

幻冬舎plusにアレン様大先生がついにご降臨…!! 本連載では、現代社会で生きる誰もが気にしている「幸福論」について、ありがたいお言葉をつむいでいただきました。読めば幸せになること間違いなしのスペシャルなエッセイをご堪能あれ。