幻冬舎営業部 コグマ部長からオススメ返し
岩井圭也『夜更けより静かな場所』
を訪れ、薦められるままに長編小説を購入
する。スマホも寝食も忘れ小説に没頭した
吉乃は読了後、誰かにこの本について語りた
い、と古書店で開かれた読書会に参加するが
……。6篇の連作短編集。
なんと、こちらも「本」を題材にとった物語。就活を始めたばかりの女子大生・吉乃は、ある日、伯父の茂が経営する古書店「深海」を訪れる。そこで薦められたのはそれまでまったく無縁だったロシア文学の『真昼の子』という大長編。気は乗らなかったがせっかく買ったのだからと読み始めると、意に反してその面白さにドはまり。時間が経つのも、スマホを見るのも忘れて夢中になった。それは吉乃には初めての体験で、以来「深海」に通うように。
やがて茂から『真昼の子』を課題図書にした読書会に誘われる。吉乃と茂以外の参加者は、店のバイトや、常連客、そして、吉乃に好意を持つ元高校球児など6人。閉店後の深夜0時、読書会が始まる。解釈の仕方や、伝え方の優劣などに関係なく、単純に物語を自分はどう読んで、どう感じたのかを語るうちに、参加者の内面に変化が生じていくのだった。
読書会は課題図書を変えながら回数を重ねるのだが、その過程で参加者たちの人生が明らかになっていき……。
本を読むという行為の奥深さや、一冊の本で人生が変わることがあると改めて教えてくれる作品。本に関わる仕事をしていることに責任と喜びも感じられた。ちなみに作中作として登場する小説はすべて著者のオリジナル。抄録だけでもあまりに面白いので、全編を読んでみたいと思ったのは私だけではないだろう。先般直木賞候補にもなったブレイク中の著者が読書の秋に贈る、最高のプレゼントだ。
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アルパカ通信 幻冬舎部

元カリスマ書店員で、POP職人でもある、ブックジャーナリストのアルパカ内田さんが、幻冬舎の新刊の中から、「ぜひ売りたい!」作品をピックアップ。
書評とともに、自作の手描きPOPも公開。
幻冬舎営業部のコグマ部長からの「オススメ返し」もお楽しみください!
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