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ソロキャンプは、実はひとりじゃない。

むしろ、家族や友人とキャンプをするよりも、家族や友人を感じる。そんな逆説的なものが、ソロキャンプなのだとぼくは思う。

 

ぼくは、月に2回はソロキャンプに行きます。昨今のキャンプブームはたしかで、週末はどこのキャンプ場も賑わっています。けれど、自分と同じソロキャンパーを見かけることは、余りないように思います。

 

 

周りのキャンパーたちは、誰かしらとキャンプを楽しんでいます。家族、友人、恋人、会社の同僚、趣味の仲間。

ひとり寂しく焚き火がゆらぐのを見つめるとき、周囲はワイワイと宴に興じています。まさに自分ひとりだけが、この世界から隔絶されたかのように。ただ、この感覚はキライじゃないです。周りで楽しんでいる人たちを見ると、「キャンプっていいな」と改めて認識できるから。

ひとり焚き火を眺め、ちびちびお酒を飲むのは至福の時間。

そして、この孤独こそが、人と人のつながりを際立たせるのです。

遠く離れた故郷で暮らす両親や妹たちに、自然と想いを馳せてしまう。今日の晩御飯は何を食べたのだろう? みんな元気にやっているだろうか? いや生きてくれているだけでいいか……、そうやって家族を強く感じる。焚き火の温もりのように身体の内側もじんわりと温かくなるのです。

 

隣でバカ話に花を咲かせている友人同士のグループを見て、自分もアイツらとキャンプをしたいなと、これまた想いを馳せる。仕事は忙しいのかな、そういえば結婚するって聞いたな、ちょっと連絡でも取ってみようかな。

こうしてソロキャンプに来て、久々に友人に連絡をいれるなんてことは、少なくありません。疎遠になっていた友人とのつながりを回復してくれるのが、ソロキャンプなのです。

 

そして、前方で仲睦まじく、しっぽりとキャンプするカップルを見ては、これまた想いを馳せる。

いいなー、いいなー、いいなー、いいなぁ……。唯一、打つ手がなく、奈落の底に突き落とされる。そして強制的に人生について考えさせられるのです。

来年には30歳になるし、そろそろパートナーを見つけて安定した生活を築いてもいい時期なんじゃないか。いや、まだまだ気楽に自由でいたいから、あと五年くらいはこのままでいいかと。焚き火の炎よりも大きく、ゆらゆらと揺らぎまくる。

ひとりで火を見つめていると、どうしても感傷的になってしまう。

かくして、人とのつながりを深く考える営みこそ、ソロキャンプなのだと思うのです。

世界はひとりで生きていけるほどに発展したけれど、人間はひとりで生きていけるほどに進化はしていないのだ。

と、なんの恥ずかしげもなくキザなことを言えてしまうのが、これまたソロキャンプなのです。そういう事にしておいてください。

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