歌舞伎町ホストになって「はじめての指名」「はじめてのドンペリ」｜夜を生きる｜倉科遼／手塚マキ／柳葉あきら

元ナンバーワンホストで、現在は新宿歌舞伎町の名物経営者。歌舞伎町のゴミを拾い、ホストたちの短歌「ホスト万葉集」を出版、コロナ禍では区長と連携して感染対策にあたった稀有な夜の街の住人、Smappa!Group会長・手塚マキ氏の生きざまがマンガ『夜を生きる　歌舞伎町ホスト・手塚マキ物語』となりました。19歳、アルバイトで歌舞伎町に飛び込んだマキですが……。一部を抜粋してお届けいたします。

12月22日（木）20時より手塚マキさんとルポライター中村淳彦さんによる「歌舞伎町の今」対談をYouTubeで無料生配信します。詳細は告知記事をご覧ください。

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前回:優等生だった大学生が19歳でホストになった…＜夜の街＞と＜ホストの人生＞を変え続ける男の生きざま

倉科遼/柳葉あきら『夜を生きる　歌舞伎町・ホスト手塚マキ物語』

軽い気持ちで新宿・歌舞伎町のホストクラブで働くことにした19歳、大学一年生の手塚マキ。優等生人生では見ることのなかった世界。刺激的な毎日。とはいえ、いつかは就職して、まっとうな社会人になるつもりだった。なのに、ナンバーワンになった自負と虚栄心によって起こした事件で歌舞伎町にとどまることになってしまう――。挫折も、孤独も、欲望も、人間のすべてを飲み込む、新宿・歌舞伎町で生き続けるということ。「『夜王』を終えて10年。もう一度ホストを書きたいと私に思わせたのが手塚マキです」と倉科遼氏に言わしめた、稀有な夜の街の住人、手塚マキの生きざまをマンガ化。

手塚マキ『新宿・歌舞伎町人はなぜ＜夜の街＞を求めるのか』

戦後、新宿駅周辺の闇市からあぶれた人々を受け止めた歌舞伎町は、アジア最大の歓楽街へと発展した。黒服のホストやしつこい客引きが跋扈し、あやしい風俗店が並ぶ不夜城は、コロナ禍では感染の震源地として攻撃の対象となった。しかし、この街ほど、懐の深い場所はない。職業も年齢も国籍も問わず、お金がない人も、居場所がない人も、誰の、どんな過去もすべて受け入れるのだ。十九歳でホストとして飛び込んで以来、カリスマホスト、経営者として二十三年間歌舞伎町で生きる著者が<夜の街>の倫理と醍醐味を明かす。

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『夜を生きる　歌舞伎町ホスト・手塚マキ物語』について

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倉科遼

1950年6月23日生まれ。栃木県出身。「夜王」「嬢王」「女帝」など青年誌を中心に数多くの漫画原作を手がけ、ドラマ化もされる。漫画界に "ネオン街モノ"という新ジャンルを開拓した先駆者。2014年には活動を舞台にも広げ、原作を務めた「おかあちゃん～コシノアヤコ物語～」では１万人動員を達成。2015年には原作・製作総指揮で「早春のニューヨーク～あなたを忘れない」がヒット。その後もコンスタントに舞台を製作し、2022年には「荒海に漂う木の葉のように」（テアトルBONBON）、「舞姫～DIVA」（六行会ホール）、「バハラナ～愛しのフィリピーナ～」（テアトルBONBON）を上演。

手塚マキ

歌舞伎町でホストクラブ、バー、飲食店、美容室など10数軒を構える「Smappa! Group」の会長。歌舞伎町商店街振興組合常任理事。JSA認定ソムリエ。1977年、埼玉県生まれ。川越高校卒業、中央大学理工学部中退。97年から歌舞伎町で働き始め、ナンバーワンホストを経て、独立。ホストのボランティア団体『夜鳥の界』を仲間と立ち上げ、深夜の街頭清掃活動を行う一方、NPO法人グリーンバードでも理事を務める。2017年には歌舞伎町初の書店『歌舞伎町ブックセンター』をオープンし、話題に。著書に、『自分をあきらめるにはまだ早い』『裏・読書』（ともにディスカヴァー・トゥエンティワン）、『ホスト万葉集』（共著、講談社）がある。

柳葉あきら

出版社勤務などを経て1998年『upsetぼ～いず』（毎日コミュニケーションズ、現マイナビ）でデビュー。おもな作品は｢銀の鼓動｣（講談社）、｢外道棋記｣（原作・団鬼六集英社）、｢骨董屋とうへんボク｣（原作・赤石勝市/集出版社）｢笑え、ゼッフィーロ｣（マイナビ）、｢アップセットボーイズ｣（筑摩書房）、｢Don‘t Cry,Zeffiro｣(ねこまど舎　英語版)､｢Découvrir 　Tokyo en manga｣（Petit à Petit　フランス）など。近年は漫画教育にも打ち込み、日本、フランスの漫画専門学校、大学などで教鞭を執っている。