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著書『とれない「痛み」はない』を発表した、麻酔科専門医の柏木邦友先生。その膨大な知識量、仕事量を支えているのが、パワーポイントを使ったユニークな勉強法だといいます。読むだけ、聞くだけ、見るだけでは得られない、本当にためになる勉強のやり方を、ご本人から教えてもらいました。
※本記事は、 Amazonオーディブル『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』より、〈【後編】柏木邦友と語る「『とれない「痛み」はない』から学ぶ痛みと対処法」〉の内容を一部抜粋、再構成したものです。
* * *
「せっかち」は悪いことではない
── 先生は麻酔科医として、2つのクリニックに勤務するほか、会社経営や勉強会の主催など、たいへん精力的に活動されています。これだけの仕事量をこなすのは大変だと思うのですが、何かコツはあるんですか?
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自分の行動を振り返ってみると、よく言えばスピードが速い、悪く言えばせっかちだと思います。たとえば、何か疑問が出てきたら、その場で調べないと気がすまない。お行儀が悪いのはわかっているのですが、人がいる前でも、ついスマホやパソコンを開いてしまいます。
「あとでやります」という言葉を耳にすると、「なんで今やらないの?」と疑問に思うことがよくあります。それくらいせっかちな性格で、だからこそ人よりたくさんの仕事量をこなせるのかもしれません。
── プライベートでもせっかちですか?
そうですね。たとえばレストランに行ったら、メニューを開く前に店員さんを呼びます。何を注文するかは、店員さんが来る間に決めるんです。お風呂では、頭と身体を同時に洗ったりしますね(笑)。
夜、眠るまで、たいてい複数のことを同時にやっています。勉強しながらテレビを見たり、これまたお行儀が悪いのですが、食事しながらマンガを読んだり。
歩きながら何かを考えることもします。そうすると、想像していなかったアイデアがポンと出てきたりするんです。スティーブ・ジョブズも、ミーティングをするときは歩きながらやっていたそうです。
ムダが嫌いなんでしょうね。せっかちになってムダを省くこと、それがたくさんの仕事量をこなすコツかもしれません。
── でも、それって疲れませんか?
むしろ、じっとしていると疲れちゃいますね。つねに何かをしていないと落ち着かないんです。ただし、イヤなことはまったくやらないです。子どものころは、お恥ずかしい話ですが、夏休みの宿題はいちばん最後に提出するか、ひどいときは提出すらしていませんでした。
今でも郵便物を開けたりとか、興味のないことはやらないか、あるいは後回しにしてしまいます。本当にやりたいことだけをやっているので、だから疲れないのかもしれません。
インプットだけでは学習効率が悪い
── 先生は取材のたびに、パワーポイントでつくったものすごいボリュームの資料を送ってくださいます。そんな経験したことがなかったので、いつも驚いていたんです。
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あれは、取材のためにつくったものではないんですよ。自分が勉強したことは、内容をすべてパワーポイントでまとめていて、それをそのまま使っているだけなんです。
── そうだったんですか。どうして、わざわざパワーポイントでまとめるんですか?
読むだけ、聞くだけ、見るだけでは学習効率が悪いんですよ。インプットしたことは反芻して、アウトプットすることで記憶が定着するし、理解が深まっていきます。
たとえば腰痛について学んだら、腰痛にはこういう原因があって、検査はこんなふうに行なって、治療法にはこういうものがあって、というように、自分なりにまとめていきます。昔はノートに書いて覚えていたのを、代わりにパソコンでやっている感じですね。
だから僕のパソコンの中には、これまで勉強した内容がつまったパワーポイントがたくさんあるんです。実際に、それを使ってプレゼンテーションをする機会がなくたってかまいません。日々の勉強のためにつくっているものですから。
── 今回、本の最後に先生のメールアドレスを入れましたよね。先生は「読者から意見をいただけると、それが勉強になるから」とおっしゃっていて、本当に勉強熱心で、向上心にあふれた方だなと思ったんです。
ありがとうございます。僕は勉強会でもなんでも、相手の反応がすごく気になるんですよ。今回のポッドキャストも、どんな人が聞いてくださっているのか興味があります。なので、質問とか、感想とか、次はこういうものが読みたいといった意見とか、もしあればぜひいただきたいと思います。
── 最後に、読者の方にメッセージをお願いします。
『とれない「痛み」はない』は、痛みについて正しく理解してもらいたいと思って、できるだけわかりやすく、かつ楽しく読んでもらえるように書いた一冊です。少しでも痛みがラクになる方法や、「こういう病院、こういう医者はやめておけ」といったことも書いていますので、ぜひ参考にしてもらえたらと思います。
どうか、痛みがとれないことをあきらめないでください。痛みを放置しないで、積極的に治療するようにしてください。みなさんが人生を楽しんで歩んでもらえる本になっていると思いますので、ぜひ手にとっていただければ幸いです。
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武器になる教養30min.by 幻冬舎新書
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AIの台頭やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化で、世界は急速な変化を遂げています。新型コロナ・パンデミックによって、そのスピードはさらに加速しました。生き方・働き方を変えることは、多かれ少なかれ不安を伴うもの。その不安を克服し「変化」を楽しむために、大きな力になってくれるのが「教養」。
『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』は、“変化を生き抜く武器になる、さらに人生を面白くしてくれる多彩な「教養」を、30分で身につけられる”をコンセプトにしたAmazonオーディブルのオリジナルPodcast番組です。
幻冬舎新書新刊の著者をゲストにお招きし、内容をダイジェストでご紹介するとともに、とっておきの執筆秘話や、著者の勉強法・読書法などについてお話しいただきます。
この連載では『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』の中から気になる部分をピックアップ! ダイジェストにしてお届けします。
番組はこちらから『武器になる教養30min.by 幻冬舎新書』
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