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特別企画

2014.06.25 更新 ツイート

『へぐりさんちは猫の家』が出版されるまで
建築家 廣瀬慶ニ×写真家 リサ・ローゼンバーグ
刊行記念インタビュー 廣瀬慶ニ


■編集者が猫にしゃべらせろって言うんだよ。猫がしゃべるわけないじゃん。

広)でも、文章は一生懸命書きましたよ。当たり前だけど。
リ)はい。文章はたしかに面白く読めました。あっという間に読めて、読後感も良かったです。人を人と思っていないくせに、猫にはこんなに優しいんだ。気遣いのできる人なんだと思いました。いいかげんな語り口なのに、とても大切なことがさらっと書いてあって、そのあたりは流石だと思います。行間に猫と住まいに対する哲学が垣間見れました。
だけど、あのキャプションはいただけません。わけがわかりません。
なんなんですか? あれ。

広)キャプションっていうのは写真の下に小さい字で書いてあるやつ?
リ)ええそうです。っていうか自分で書いたんでしょう?
広)菊地さんが猫にしゃべらせろって言うんだよ。だいたい猫がしゃべるわけないじゃん。ぼくは文学に対しては真面目だから、「〇〇だニャン♪」とか書いてある素人の文章を読むと殴りたくなるわけですよ。
猫が「〇〇だニャン♪」なんていうわけがないニャン♪

リ)その結果があれですか? お気に入りの。
広)その結果があれですよ。まさに天から降ってきたリリックですよ。しかもノルウェー語だよ。(下記参照)


 

「ニャーか? ニャーって言うたんか?」
 
 

リ)正直申しまして、非常にくだらないんですけれど……。しかし今まで見たことのない造形だし、猫たちの緊張感やその場の空気が伝わってきます。写真としては認めますよ。キャプションもなんだか悔しいけれど合っています。他にあるかっていうと無いと思う。

広)そうなんだよ。「〇〇だニャン♪」は擬人化のセリフだ。まさにご都合主義だ。一方、「ニャーか? ニャーって言うたんか?」には猫の内面の真実が詰まっている。もし明日、猫が一斉に人間の言語を習得したなら、まずこういうだろう。「ニャーか? ニャーって言うたんか?」って。
リ)それ、ずいぶん気に入っているみたいですね。ではキャプションには自信があると。

広)そうだね。キャプションにこそ真実が詰まっているといっても過言ではないね。このまま出しても良いのか自信がなかったから、何回も何回も菊地さんに確認をしたんだ。「つまらなかったら黙って消して下さい」って。そしたら全部残ったんだよ。だから真実が詰まっているに決まってるだろう? 菊地さんは絶対! あ~ちゃんは天使。 

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廣瀬慶ニ

1969年神戸市生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修了。一級建築士、一級愛玩動物飼育管理士。設計事務所ファウナ・プラス・デザイン代表。ペット共生住宅の専門家として、海外でも知られる。「住まいのリフォームコンクール」国土交通大臣賞受賞。著書に『ペットと暮らす住まいのデザイン』(丸善出版)がある。

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