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あぁ、だから一人はいやなんだ。

2021.09.15 更新 ツイート

第162回 OMATA いとうあさこ

今、あさこの“オマタまわり”が、アツい。

って再びそんな話で、失礼致します。以前も書きましたが、老後を見越して今年7月からVIO脱毛に通い始めまして。今まで“美容”全般、ましてや自分の“オマタ”の事なんて何にも考えた事がなかった私。それがこの脱毛を機に急激に“オマタまわり”が忙しくなったのです。

 

まずこれも以前ちょいとだけ書きましたが“お尻のしこり”。いつ出来たのかわかりませんが、何年も前に右のお尻に小さいしこりがある事に気づきまして。触った感触だと硬いBB弾が入っている感じ。別に痛みもないし放っておいたのですが意外に私、尻を出す仕事がありまして。ある時言われたんです。「何か黒いのあるね。」え? ……黒い? 何枚かの鏡を駆使してなんとかそのお尻のしこりを見ると、本当だ。少し黒ずんでいる。ちょうどその頃番組でご一緒した皮膚科の先生に聞いてみると“粉瘤”と言って、簡単な手術ですぐ取れるものだそう。でもこれ自分でもわからないのですが、仕事でお尻を出すのは厭わないのですが、仕事でないとなんか“厭って”しまって。結局何年も放置しておりました。ただ今回は、オマタ周りを見ていただくわけですから。「ついでに」と初回クリニックに行った際、勇気を出して言ってみました。先生は丁寧に診てくださり、「これならすぐ取れますよ。簡単な手術なのでその日にお帰りいただけます」と。早速その数日後に手術の予約を入れた。

当日、キレイな先生お一人と助手お二方に囲まれて、真ん中にうつ伏せで横たわるお尻を出した私。VIO脱毛でオマタを丸出しにした時より、何故だか少し気恥ずかしい。私のイメージは“患部にちょっとだけ穴を開けて、中のBB弾(自称)をピッと押し出し、1~2針くらい縫って終わり”な感じだったのですが、やってみたらあら大変。まずは患部に麻酔。これがまさかの劇的に痛い。わかりますかねぇ? 今の歯医者さんの麻酔って、麻酔用の麻酔みたいなのもあってそこまで痛くないけど、昔の歯医者さんって歯茎に直に来て「ギャー!!」みたいな。あの感じ。うつ伏せおばちゃん、小さい声で「ウッ」と呻く。すると即座に一番近くにいたお姉さんが私の背中をゆっくりトントンしてくれる。“手当”とはよく言ったもので、安心する。そして麻酔が効いているのを確かめたらメス。もちろん痛くないですが、やはり皮膚にスーッとした感覚はわかる。また51歳、緊張で体が強ばる。すると再びお姉さんがすかさずトントン。更にもう一人のお姉さんがゴムボールを二つ持ってきて「これをにぎにぎすると少し気が紛れますよ」と。“お姉さんトントン”と“ボールにぎにぎ”で少しずつ落ち着いてくる私。そこで一つ大事な事を思い出した。「あの、中身のBB弾って最後いただけますか?」お姉さん達に聞いた。「大竹まことさんに見せたいんです。」いやね、実は以前このしこりが黒ずんでいるのが発覚した時、毎週ラジオでご一緒の大竹さんに番組中見てもらった事がありまして。そんな“思い出のしこり”ですから。やはり取ったら見せたいじゃないですか。すると先生。「おそらくいとうさんが考えているようなBB弾の感じではないかと。」え? BB弾じゃない? 何度も指で触ってきたしこりちゃん。私の指の感覚だと大きさといい形といい、絶対的にBB弾なのに。果たしてどんな?

しばらくすると「切除終わりましたんで縫っていきますね」と。これまた私のイメージは穴を開けたくらいだから1~2針……あれ? なんか先生、ずっと縫っている。「あのぉ、これって何針縫う感じですか?」と聞いてみると、「あ。もう“何針”みたいな感じじゃないんですよ。内側は抜糸のいらない溶ける糸で縫って。外側は4センチ位縫ってまして、1週間後抜糸にいらしてください。」内側? 外側? 4センチ? めっちゃ縫っている。いろんな面で思っていたよりかなり本気の手術。かかった時間も1時間。結局最後に見せてもらった患部は“BB弾”ではなく、がっつり切除感ある“肉片”。皮膚の組織ごと硬くなっていたそうです。“大竹さんにBB弾を見せる”と言うちょっとだけ楽しみにしていた催し物は中止。残念。患部も「捨てて下さい」と写真だけ撮ってバイバイしました。

先日2回目の脱毛に行ってきたのですが、術後2ヶ月弱の傷口のチェックもしていただきまして。だいぶボコッっとなっていたのもなくなり、少しずつキレイになってきておりました。「他、何か大丈夫ですか?」とお姉さん。そう言われると「あのぉ」と。「実はオマタの所にボコッと何か出来ていて。これも痛くないから放っておいたんですけど、脱毛した事で見えて気になっちゃって。」先生、再び登場。診ていただくと軟性線維腫というイボみたいなもので、加齢によるものだそう。「放っておいてもいいけれど、気になるなら取れますよ?」と先生。

い「これも手術、みたいな感じですか?」

先「えっと、麻酔をして、ハサミで切っちゃう感じです。」

い「麻酔って……あのなかなか痛いヤツ、ですよね。」

先「あ、そうです(笑)」

い「しかもハサミで、って。また縫うんですか?」

先「確かに聞こえは怖いですけど、ホントにパッと取る感じです。縫わないですし、もうそのままです。数日したら普通に傷口が塞がります。」

い「んー、どうしよう。ちょっと怖いなぁ。」

先「ちなみに1つ3000円です。」

い「んー、お願いします。」

あ、よく「一カ所整形したら、どんどん整形しちゃう」なんて話を聞いた事ありますが、もしやこういう事か? 私はそもそもVIO脱毛だけのつもりで始めたのに、しこりを取り、ボコを取り。ここまで美容に関して何もしてこなかった女が今、オマタまわり“のみ”改造し始めた。さて、あさこのオマタは今後どうなっていくのか、乞うご期待! ……ウソです。何度もオマタ事情をお聞きいただき、なんかすいません。こっそり改造を進めていくので、また忘れた頃にお付き合いいただければありがたし。

 

【本日の乾杯】最近よく頼む出前の中華料理のお気に入り・海老ワンタン。トゥルッとした皮にちょっとピリ辛なタレがかかっていて。ほのかに温かく、アッという間に食べてしまう。もちろんビールもグビグビですよ。

関連書籍

いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方をしてる「日本酒ロック」。緊張の海外ロケでの一人トランジット。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。正直者で、我が強くて、気が弱い。そんなあさこの“寂しい”だか“楽しい”だかよくわからないけど、一生懸命な毎日。

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