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レシートで人生を変える7つの手順

2021.05.24 公開 ツイート

ATMは下ろす曜日と金額を前もって決めておく 平林亮子

レシートは自分の人生を映し出す鏡。そこには買ったものと値段だけでなく、行動の履歴、自分の価値観がつまっています。書籍『レシートで人生を変える7つの手順 もらって、集めて、眺めるお金術』ではそのレシートを使った節約術を解説。レシートのほか、ATMの明細も捨てずにとっておきましょう。

1週間に1回、ATMを使う曜日を決める

ATMでお金を引き出したとき、預金残高を見て、

「あれ? 思ったよりも残高が少ないな?」

と思ったことはありませんか?

銀行のキャッシュカードも、無駄遣いを引き起こす可能性を秘めています。

(写真:iStock.com/ilkaydede)

「あ、お財布にお金がない」

と思ったら、キャッシュカードを使ってATMで引き出せばいいのですから、

「お財布にお金がないから、また今度にしよう」

という抑制がきかなくなるのです。

 

キャッシュカードがない時代は、いちいち銀行の窓口に行ってお金をおろさなくてはなりませんでした。お金をおろして使うことへのハードルは、それだけで高くなります。私が子供だった頃、母は、

「明日は銀行に行く日」

と決めて、通帳と印鑑を用意して、いくらお金を引き出したらいいかを計算してから出かけていったものです。

それに対して、ATMは本当に手軽!

今やコンビニエンスストアにも当たり前のようにATMが設置されていますから、お金をおろすハードルはどんどん低くなっています。

 

ATMを利用するなとは言いませんが、1か月分のATMの利用票を集めて眺めてみたときに、頻度が高かったり1回ごとの引出金額がバラバラだったりしたら要注意。お財布にお金がなくなったらその都度補充しているという可能性が高く、気付かないうちに無駄遣いのくせがついてしまうからです。

日常的な無駄遣い癖をつけないためには、

(1)簡単に買えない仕組み

(2)お金の使いすぎにすぐに気付ける仕組み

を作っておくことが大切です。

 

まず、簡単にお金をおろせないようにしておけば、簡単に買えなくなります。たとえば、キャッシュカードをお財布に入れなければ、簡単にはお金をおろせなくなりますよね。

とはいえ、キャッシュカードをお財布に入れないわけにもいきません。そこでお勧めなのは、

お金をおろす曜日

を決めておくこと。これだけでも、それ以外の日にお金をおろすことに対する心理的な抑制が働きます。

また、どうしても、他の曜日にお金を引き出す必要が生じた場合には、いつもよりお金を使っているという状況にすぐに気付くことができます。

 

もちろん、

「今週末は友人の結婚式がある」

「明日から出張」

など、特別な事情がある場合には、それに合わせて引き出せばOK。そうした目的に合わせて引き出すのであれば、ATMの利用票を見ただけで、なぜお金を引き出したのか、どうしてそういう残高なのか、思い出しやすくなるでしょう。

 

日常的に使うお金は、

「今日はATM曜日!」

と決めて引き出すようにすれば、簡単に買いにくく、使いすぎにもすぐに気付くことができ、日常的な無駄遣いの防止になります。

ATM曜日を決めれば、必然的に、引出手数料の削減にもつながるでしょう。

手数料のかかる時間帯にあわてて引き出すということがなくなりますからね。

 

ATM曜日、ATM時間を決めてお金を引き出す。ATM利用票をもらって1回1回確認することで、そのルールを守れるようになっていきます。

ATM曜日に支出分だけ引き出す

ATM曜日の他にポイントになるのが引出額です。

繰り返しになりますがATM利用票を眺めたとき、引出額がバラバラの場合には要注意。通常は1か月に使えるお金は決まっているのですから、1日に使えるお金もおのずと決まってきます。引き出せる金額もある程度決まってくるはずなのです。

給料の手取りから、家賃、水道光熱費、電話などの通信費が支払われることになりますが、さらにその他の月々必要となる金額を差し引いて、それを30日で割れば、1日に使えるお金が導き出されます。

いったい、いくらになるでしょうか。

(写真:iStock.com/takasuu)

その金額も把握していないのに、適当な額をその都度引き出していたら、よほどの収入がある場合を除き、すぐにお金が足りなくなってしまいます。

1日に使える額を計算し、1週間分をATM曜日に引き出す。そうすれば、お財布の中身を管理するだけで無駄遣いの防止になります。

 

お財布にお金が入っているとついつい使ってしまう、という人は、

「毎日1000円おろす」

という方法もよいかもしれません。

何よりも、お金の引出に関してルールを作ることが大切なのです。

 

なお、定額を引き出すのではなく、1週間の予算を作った上で、支出分だけ補充するという方法もあります。

たとえば、1週間の予算を1万円にするとしましょう。このとき、ATM曜日には、お財布の中身が1万円になるように引き出すのです。

つまり、まず、1万円を引き出して1週間がスタート。今週は7000円使って、3000円がお財布に残っている。

そこで、次は7000円を引き出して、お財布の中を1万円にしたところで、1週間がスタート。この週は9000円を使って、1000円がお財布に残る。

そこで、次は9000円を引き出して、お財布の中を1万円にしたところで、1週間がスタート。

こうしていけば、お財布の中のお金を管理しているだけで毎週予算内の生活ができますし、予算内で過ごせればお金は自動的に貯まっていきます。

 

実はこれ、企業の小口現金の管理の際に利用されている方法で、「インプレストシステム」と言います。使った分だけを補充し、補充した直後に予算額になるようにすることで、お金の管理をしやすくするのです。また、予算以上の出費がある場合には、上司の判断が必要になるため、不正や無駄遣いの防止にもなるわけです。

個人のお金について使った分だけ1円単位まで正確に補充する必要はありませんが、予算内での生活を簡単にできるようにするために、

「ATM曜日に一定額を引き出す」

もしくは、

「ATM曜日に前の週に使った分を引き出す」

というルールを設けることは有用です。

 

ちなみに、書籍の手順3に私の預金口座を掲載していますが、私は週に1回3万円をおろすことを基本にしています。そういうルールを決めておくと、イレギュラーな支出があっても預金通帳を見ただけでわかるようになってきますよ。

たとえば、次のATM利用票を見てください。私は週に1度3万円を引き出すことにしていますが、この日は5万円となっています。

これは、週末の出張に備えるためだと日付と金額からすぐにわかるわけです。なお、お金を引き出した後の残高について、

「だいたい5万円くらいになるはず」

と計算していましたが、4万8420円だったので、安心しました。

もし残高が自分の認識とズレているようであれば、すぐに原因を分析してください。最悪の場合、盗難だってありえます。

また、クレジットカードの引落や自動積立のための支出などはついつい忘れてしまいがちですが、それらをすべて支払った後の「残高」が本当に使える金額ですから、それを正確に把握しておくことはとても大切です。

レシートは自分の人生を映し出す鏡。そこには買ったものと値段だけでなく、行動の履歴、自分の価値観がつまっています。書籍『レシートで人生を変える7つの手順 もらって、集めて、眺めるお金術』ではそのレシートを使った節約術を解説。まずは1週間、レシートを集めて眺めてみてください。

関連書籍

平林亮子『レシートで人生を変える7つの手順 もらって、集めて、眺めるお金術』

「レシート」とは、自分の人生を映し出す鏡。そこには、買ったものと値段だけでなく、行動の履歴、自分の価値観がつまっています。本書は、そのレシートを使い、一生お金に困らない人生の手に入れ方を解説しました。方法はカンタン。買い物をしたら、忘れずにレシートをもらい、一箇所に集め、一日一回そのレシートを眺めるだけ。それを繰り返すことで、自分の暮らしのサイズがどれくらいかを知り、どれだけならば使っていいのかいけないのかを体感として蓄積させていくのです。お金に恵まれる人は、お金に対しての基本的なセンスがある人。レシートを捨てるかもらうかが、今後幸せにお金を使うことのできる人生になるかどうかを決定づけるのです。

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レシートで人生を変える7つの手順

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平林亮子 公認会計士

1975年、千葉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部地理学科出身。大学3年次在学中に公認会計士試験合格。起業やプロジェクトのたち上げから、経営全般に至るまであらゆる面において経営者をサポートしている。『決算書を楽しもう』(ダイヤモンド社)、『お金が貯まる5つの習慣』『〈新版〉相続はおそろしい』(幻冬舎新書)、『レシートで人生を変える7つの手順』『損しないのはどっち?』(幻冬舎)など、著書は監修も含めると50冊を超える。

アールパートナーズ
平林亮子オフィシャルウェブサイト

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