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勝てるデザイン

2021.03.13 更新 ツイート

紙と印刷のお話 part2

「バカだねぇ~」所ジョージ絶賛の「モザイクパンツ」はこう作られた 前田高志

所ジョージさんが番組内でとりあげた「モザイクパンツ」そしてその「アートブック」はどのような紙を使い、どのような方法で作られたのか。3月17日発売『勝てるデザイン』(前田高志著、小社刊)よりお届けします。

*   *   *

僕のコミュニティ「前田デザイン室」で作ったプロダクト「モザイクパンツ」プロジェクトでの出来事です。

「モザイクパンツ・アートブック」表紙

そもそも「モザイクパンツ(以下、モザパン)」って何なんだ? と思われるでしょうからご説明します。……と言ってもその名の通りで、股間部分にモザイク模様をあしらっているパンツです。コミュニティメンバーと一緒にプロジェクト化して作ってしまいました。

モザパン本体は下着メーカーさんとタッグを組み制作しました。

世界観をしっかりと伝えたかったので、アートブックとセットにして販売することにしました。

ちなみに、所ジョージさんのテレビ番組「所さんの世田谷ベース」にモザパンを贈ってみたところ、番組で話題にしていただき、所さんから「これ、いつ履くんだよ~。バカだね~」と、面白がっていただきました。僕にとっては、最高の褒め言葉です。

BSフジ「所さんの世田谷ベース」2020年4月5日放送

このアートブックを制作する際もNISSHAの浅野さんにお世話になりました。

モザパンアートブックは特殊な装丁で、「コデックス装」と「ドイツ装」の組み合わせでできています。ドイツ装にするのはモザパンプロジェクトのリーダー兼アートディレクターを務め、今は僕の会社で働いている水上肇子さんによる提案でした。

ドイツ装とは、表紙の面と裏に厚紙を貼り付けたもの。アートブックに多い装丁で、僕が「アート性を高めたい」と言っていたことを汲み取って提案してくれました。テスト段階では、紙が反ってしまうというアクシデントもありましたが、こちらもNISSHAさんが粘り強く検証してくださったおかげで解消することができました。

アート性を高めるためにドイツ装を採用

そして、コデックス装は、NISSHAさんからの提案でした。

コデックス装とは、本の背の部分に紙を貼らずにそのまま見せるものです。効果として本が開きやすくなります。アートブックを作りたいと伝えたら、「であれば、見開きで本がしっかり開いた方が良いだろうから、コデックス装はどうですか?」と提案してくださいました。

このプロジェクトもクラウドファンディングにて資金調達を実施しましたが、正直モザパンは世間にそこまで理解されない可能性が高く、当初から資金が潤沢に集まるかどうかの懸念がありました。

コデックス装は先ほどもご説明した通り背表紙を貼りませんので、予算の節約にもなるわけです。しかし、コデックス装は背表紙がないので、一見未完成に見えるという弱点もありました。

本が開きやすくコスト削減にもつながるコデックス装

そう思っていたところ、刊行記念イベントで水上さんが、「背表紙がないから一見未完成に見えるけど、中身のカラフルな部分がそのまま見えて、コミュニティメンバーで作った多様性を表している」と素晴らしい意味づけをしてくれました。

紙はすべて「Mr.B(ミスター・ビー)」という紙を使いました。Mr.Bは光沢紙のような発色の良さがあり、その上、手触り感も抜群な紙です。つまり良いとこどりなわけで……少々お高め

僕もそうですが、たいていのデザイナーはMr.Bのような良い紙で何か作れたらいいなと考えますが、往々にしてコスト面で実現しません。その点でも、コデックス装でコストを抑えられたことが活きてきたと言えるでしょう。NISSHAさんに感謝です。

前田高志『勝てるデザイン』

【デザイン力を伸ばす! 15個のワーク収録】さぁ、ともに学ぼう。人気クリエイティブ集団を率いる元・任天堂デザイナーが、若きデザイナーへ向けその思考と技術を公開!「本質を見抜いて、そこに遊び心を足してくれるのが、前田さんのデザインだ」佐渡島庸平(編集者/コルク代表)著者は、F1フェラーリ車体掲載のロゴ制作など第一線で活躍しながら、「ナスの形をした本」「モザイク柄のパンツ」といった、おもしろおかしいプロジェクトを行う人気クリエイティブ集団「前田デザイン室」を率いる、元・任天堂デザイナーです。「Illustrator時短術」「おすすめフォント3選」などデザイナー必見の技術はもちろん、「ダサいデザインはなぜ生まれるのか?」「プレゼンはラブレター」などデザインを武器にしたいビジネスマン必読の内容が詰まっています。

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勝てるデザイン

デザインはデザイナーだけのものじゃない。ビジネスマンはデザイナーの思考と技術を知れば、より売れる・刺さる・勝てるコンテンツを作ることができる。人気クリエイティブ集団「前田デザイン室」を率いる元・任天堂デザイナーが書く、デザインのすべて。

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前田高志 デザイナー/株式会社NASU代表取締役/ 株式会社VIEW代表取締役/前田デザイン室室長

1977年兵庫県生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業後、任天堂株式会社へ入社。約15年プロモーションに携わったのち、父の病気をきっかけに独立を決意。2016年2月からNASU(ナス)という屋号でフリーランスとしてスタート。NASUとは、デザインで成(為)すの意。同年4月から専門学校HALにて非常勤講師に。2017年から大阪芸術大学非常勤講師に(現在はいずれも退任)。幻冬舎・箕輪厚介氏のオンラインサロン「箕輪編集室」でのデザインワークで注目を集めたのち、2018年、自身のコミュニティ「前田デザイン室」を設立。 2018年、雑誌『マエボン』、2019年自身の集大成となる書籍『NASU本 前田高志のデザイン』を前田デザイン室として出版。前田デザイン室でのコミュニティ作りの経験を活かし、2019年10月よりNASUの新事業としてコミュニティ事業を開始する。2020年1月よりレディオブック株式会社のクリエイティブディレクターに就任。NASUで手掛けた名刺が、レディオブックが「スクーデリア・フェラーリ」と日本企業として13年ぶりのパートナーシップ契約を結ぶきっかけとなる。ブログ、学校、デザイン会社、コミュニティにて、デザインの価値を伝えるべく 日々発信中。

Twitter:@DESIGN_NASU
HP:https://nasu.design/

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