この記事からさかのぼること4回にわたって、ネトウヨライフから卒業(卒ウヨ)した方のインタビュー「僕は『戦争論』を誤読したネトウヨだった」「僕はネトウヨを卒業したのに、父がネトウヨになった」「普通の会社員だった僕がネトウヨになり、習近平の“来日抗議デモ”デビューを飾るまで「卒ウヨして僕が気づいた4のこと」を載せたところ、大きな反響があった。

 とくに、前回の記事「卒ウヨして僕が気づいた4のこと」には、現役のネトウヨと思われる人々から猛抗議がやってきた。なかでも、「ネトウヨの巣窟」と言われ続けているYahoo!ニュースから配信された記事のコメント欄には、心に残るクレームが数多く残されている。いくつか紹介しながら、分析していきたい。

 

パターン1「ネトウヨは差別用語!レッテル貼るな!」

《私はネトウヨではない。私をネトウヨ認定するパヨクは日本から出て行ってほしい》

《ネトウヨ連呼の偏った記事をよく堂々と載せたもんだよなヤフージャパン!》

《そもそも「ネトウヨ」と言う言葉自体が、変な人たちが作った敵対者に対する差別用語なんだから定義なんてもんがないのに「卒ウヨ」と言うのがよくわからない》


 まず「私はネトウヨではない」というコメントを見て、ああこれまでの分析にあまりにもぴったりハマるネトウヨがやっぱりいたんだと思った。そして、自分自身を「ネトウヨ」と呼ばれることを嫌い、差別されていると感じるネトウヨは少なくないようだ。

 テレビ番組でネトウヨ分析をした時も、「公衆の電波で堂々と差別用語を使うな!」という抗議がネトウヨからやってきたので驚いた。なんで!?  略語でバカにされてる感じが伝わってくるから? それとも「ネット右翼」も差別用語なの? 「インターネット上でいわゆる『右翼的』な活動をされている方々」と丁寧に表現すれば怒らないの?

 反応を観察してみると、「差別しやがって!」と被害者意識を膨らませて怒るケースと、「一緒にするな!」と特別意識を肥大化させて怒るケースがあった。いずれにせよ世間から「ちょっとおかしなネットの人達」と指差されているという自覚はあるようだ。

 旧来の言説が浸透しづらくなった左翼が、自分たちを「リベラル」と言い換えた現象と通ずるところがあるだろう。ネット右翼の方々も、一瞬意味がわからないような、響きのカッコいい英語の新語表現が見つかれば、率先して言い換えはじめるのではないかと思う。

 

パターン2 「反日の中国ガー、韓国ガー、朝鮮人ガー」

《中国や韓国以外は日本を責めない理由は何でしょうね》

 中国や韓国以外は日本を責めていないの? 戦争に関する話なら、ベトナムからは米軍基地のある沖縄が「悪魔の島」と呼ばれて責められた(琉球新報 2015.7.31)。安倍首相になってからも、「イスラム国」から「日本政府へ。おまえたちは悪魔の有志国連合の愚かな同盟国と同じだ」と声明文が出された(産経新聞 2015.1.20)じゃないか。「あれはISであって国じゃないやい!」と言うかもしれないが。

 さらに、高市早苗や稲田朋美などの閣僚たちが、日本のネオナチと言われる活動家と2ショット写真におさまっていた件については、フランスAFP通信が第一報を報じ、イギリス・ガーディアン紙、タイムズ紙、豪州、香港、台湾など世界中から批判されまくっている。

AFPからものすごい疑いの眼差しを向けられる高市早苗先生(AFPツイッターより 2014年9月8日)

 

Guardianから責められる高市早苗先生と稲田朋美先生(The Guardian 2014年9月9日の記事)

 

《書いた人は反日帰化人?通名偽名でなく 元の国籍の本名で正々堂々と反日活動するべき ネトウヨ、 反日外国人が作った言葉 戦後、密入国してきた朝鮮人の犯罪、強姦、強盗、背のり、 歴史の真実を書かないとダメ 外国人に対する生活保護も廃止 日本人が払った税金を外国人に使うな》

 記事を見ただけで「これは日本人ではない」と認定するのも、また超古典的な反応だ。ものすごい視野の狭さと極端さ、そして直情的な決めつけ。ほかに思考の選択肢がない、国語力とボキャブラリーの乏しさ。そして、句読点のなさ。


《そもそも日本人はネットをネトとは絶対に言わない。この言葉は促音が発音できない外国人が作ったに違いない。外国人が日本人に成りすまして世論を誘導しようとしている》

 なんですか、この一周まわって斬新な思考回路は。「日本人はネットをネトとは絶対に言わない」というのが外国人認定の理由となるなら、「おk」だの「うp」だの「ワロタ」だの「ggrks」だの、ネット上には、あまりに怪しく崩れた言葉があふれているじゃないか。ネットスラングを使う人々は全員外国人なのか!?

 

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