
生命科学者・大阪大学名誉教授の仲野徹さんが、家庭菜園のワクワクを綴る新連載エッセイの第2回。これがなくては始まらない、「土」のお話です。
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まず必要なものは、地面、土

家庭菜園を始めるにあたり、必要なものはいくつもある。あたりまえながら、なかでも最重要なのは地面、土地だ。幸いなことに、我が家の場合は十分にあった。都会、というほどではないけれど、そこそこ賑やかな商店街のすぐ近くなのだが、60坪もの「農地」を所有している。ただし、わたしではなくて、妻が、ではあるが。その土地で、過去20年くらいの間、同居していた母親が細々と菜園をしていた。なぜそんな土地、言ってみれば遊休地である、があるのかの話から始めたい。
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知的菜産の技術

大阪大学医学部を定年退官して隠居の道に入った仲野教授が、毎日、ワクワク興奮しています。秘密は家庭菜園。いったい家庭菜園の何がそんなに? 家庭菜園をやっている人、始めたい人、家庭菜園どうでもいい人、定年後の生き方を考えている人に贈る、おもろくて役に立つエッセイです。