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文豪未満

2023.06.07 公開 ツイート

はじめての待ち会 岩井圭也

先日、生まれて初めて文学賞の待ち会というものを経験した。

そもそも、「待ち会」とは何か。文学賞などの候補になった作家が、編集者(たち)と一緒に選考結果を待つ催しのことである。なぜこのような文化ができたのかは知らないが、単に「一人で待つのがしんどいから」かもしれない。

選考会当日、作家や編集者にできることは何もない。すでに世に出てしまった作品は、候補になったからといって書き直せるわけではない。できることと言えば、祈ることくらいである。

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文豪未満

デビューしてから4年経った2022年夏。私は10年勤めた会社を辞めて専業作家になっ(てしまっ)た。妻も子どももいる。死に物狂いで書き続けるしかない。

そんな一作家が、七転八倒の日々の中で(願わくば)成長していくさまをお届けできればと思う。

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岩井圭也 作家

1987年生まれ。大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」で第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュ ー。著書に『夏の陰』( KADOKAWA)、『文身』(祥伝社)、『最後の鑑定人』(KADOKAWA)、『付き添う人』(ポプラ社)等がある。

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